悪霊退散

ダディはメーデーで集まる人のためのジュースを冷やすためのクーラーボックス集めに忙しい　
マミイの会社のアウトドア好きな人からも借りることになったので、取りに行くことになった　
こういうときは…　
「ご飯食べて帰ろう」
やっぱり出たよ　
マミイの、慢性家事サボり病の発作　
盗難警報犬のお手当としか思えないおやつを用意してるのを見て嫌な予感はしてたんだよ　

ゴールデンウイーク前に贅沢して、無事に広島まで帰れるの？　
途中でガス欠で車を押して帰るようになったら、わしのような気の優しい力持ちは、絶対犬ぞりやらされるだろう　

「あら　ゴールデンウイークに広島帰りたいの」
帰りたいです　
わしのたてた計画によると、じいちゃんにおこずかいと、おやつをたっぷりもらうことになっています　

「じゃあ　ダディの言うことよく聞くのよ」
マミイの言うことは聞かなくていいんですね♪　

「新幹線乗って行くのよ」
途中のサービスエリア休憩のある車も捨てがたいんですけどね　

「ダディ１人で往復は無理でしょ」
マミイとうとう免停でもくらいましたか　

「マミイはこっちでのんびりするって決めてるからね」
えっ　
ダディと２人旅　
わしもマミイと一緒に残ります　

「マミイのことは気にせず、のんびりしておいでよ」
責任感の強いわしはマミイが心配でのんびりなんかできませんよ　
おこずかいは振込か、わしのおやつたっぷりと一緒に送ってもらうことにしますよ　
忙しいマミイにわしは付き合いますから、せめてダディだけでも、のんびりしてもらいましょう　

「じゃあ、わしも広島帰らんことにする」
それなら、わしとマミイは広島帰りましょうか　

「じゃあわしも広島行く」
たまには別行動しましょうよ
　
日々疲れきっているマミイを癒すべく自立できてないダディは広島帰れ　

「家族全員で楽しく過ごそう」
これでマミイののんびり休暇はダディにこき使われる地獄の４日間に変わってしまったな　
まあせめて、ヒーリング犬として、半年分の疲れはばっちり取らせていただきますよ　

「６月に法事あるから、マミイはその時帰るから」
じゃあわしも一緒に法事に参列しますよ　

「ギャン鳴きするのはわかってるからダメ」
ばれてましたか　
法事中は、広い野山を駆け回って待っておきます　

「１匹になれないじゃん」
セコム犬中はいつも１匹ですけどね　

「まあ、最悪納屋につないどくか」
つなぐなんて物騒なこと考えずに、わしも楽しめる法事にしたらいいじゃない　
精進料理を、イモ巻きとジャーキーにしちゃえばわしも参列できますよね　

「精進料理にお肉はなかったはず」
じゃあイモだけでいいです　
ブロッコリーの芯とキャベツの芯を入れてくれれば文句言いません　
わしとマミイの帰省計画を知ったダディは
「有給取れるかな♪」
休みを合わせて旅行にでも行くんですね　

６月の北海道は最高らしいですよ　
木彫りの熊のお土産待ってますからね　

「法事出たほうがいいじゃろ？」
わしがダディの代理で出ますから法事のことは忘れて楽しんできてください　
「ダディの実家でマミイを一緒に待つか？」
いいえわしは法事に出ます
　
どうしても一緒に憑いてこようとするダディをどうやったら除霊引き離すことができるのかしら

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