テレビ会議・WEB会議について語る人

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衆議院ペーパーレス化導入について想う

2018-06-27 21:26:14 | ホットな話題

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今回の話題はこの記事↓

衆院ペーパーレス化、一部導入へ 印刷費1450万円削減 

「資料共有」を売りにしているテレビ会議・WEB会議は多いですが、「ペーパーレスで使えるテレビ会議・WEB会議」となると非常にハードルが高いということを記述しました

なぜかというと、紙のハンドリングに皆あまりに慣れてしまっており、かつそれを前提として隣接業務が設計されているのです。

部下に資料を作らせる、赤入れする。または資料を渡す、確認させる。車や電車で移動中などちょっとした空き時間に見る。
機能で言えば、自分だけの手書きメモ。付箋、切り抜き、ファイリング、保管。

それらすべては紙の存在を前提とし、小さな頃の「読み書き」教育からずっと慣れ親しんでいるわけです。

いくらデジタル化によって、資料の準備・集約が楽だったり、大容量のデータが持ち運べたり、検索できたり、簡単に誰かと共有できたりしたとしても、今までそういったシーンを体験していないため、便利さも理解できないわけです。

なので、システム側から現状になんとか寄っていって、メモ機能や付箋機能など複雑な仕様でそれらしく見せるものの、紙には及ばずに「使いにくい」などと烙印を押される。

本来あるべきは、システムならではの機能にできるだけ業務側が寄って行き、最大限の利益を享受することではないでしょうか。

つまり、本来注目されるべきは印刷費1450万円削減」などではなく、これで議会や議員の仕事のスタイルがどう変わり、彼らの能率、つまり人の生産性がどれだけ上がるのかということなのではないでしょうか。

生産効率性アップは、人口増加が見込めない日本人には必須の課題です。
民間に補助金の人参を吊るすだけでなく、国会議員自らが行動して結果を示してほしいものです。

はっきり言えるのは、この仕組みさえ使えない議員がもしいたら時代錯誤なので辞めていただかないといけない。

スタッフの事務作業が減り、承認プロセスも簡略化され、役人の数も減らせる。もし議会の最中も活用されたとすれば、かっちりしたフリップなど要らないし、賛成か反対かの意見もすぐ集約できる。外部の専門家とすぐ連絡が取れて意見をもらえる。つまり検討時間が短縮され、法案の採択がスムーズになりえる。しかも遠隔会議の機能があれば事務所からも参加でき必ずしも国会に集まる必要はない。
なんなら各議員の発言内容や頻度も簡単に記録できるし、内容を解析できる技術が進化すれば政治への貢献度が測れ国民の監視の目も届きやすくなる。

これらの効能が中央で証明され地方行政にも展開されたなんてことになれば、一部大手システム会社だけが潤う話ではなく、いつも権力争いや利権にうんざりな思いをしている国民も国会議員に対し諸手を挙げて敬意を払うに違いありません。 

半分本気で半分冗談のようなことも書きましたが、ペーパーレスはとっかかりに過ぎず、「端末が全員に配布される」ことに意義があります
うまく活用され、その効果が広く国民に知らされることを願いたいです。 


「テレビ会議」の応用利用の難しさ 〜多国語観光案内編 その2〜

2018-06-20 20:38:18 | ユースケース

 

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前回の記事では、遠隔会議システムを「観光案内」に用いるために必要な、外国語を話せるガイドを用いた人的な仕組みについて記述しました。
そのようなとてもハードルの高いサービスの存在が前提となってはじめて、”遠隔会議システムを「観光案内」に用いる” ことが成り立つと考えます。

今回は、そのような人的サービスの存在に加えて、いよいよ「テレビ会議システム」として必要とされる技術要素について述べたいと思います。

  • ガイドとの接続・切断にまつわる部分
    • 遠隔地に待機している観光ガイドへの接続は、利用者側から行う
      • 当然操作が簡単であるほど良いが、 多国語対応を前提とすれば言語を選択し、ガイドの負荷軽減を考えればさらに「道案内」「買い物案内」「交通案内」など簡単な問い合わせジャンルの選択が必要。
      • 接続操作をしたときに、もし担当ガイドが他者の利用で埋まっていれば、その旨を接続希望者に表示して待ってもらう必要がある。
        • つまり、通常のテレビ会議、WEB会議システムとは根本的に異なる、「1:1接続を前提としてN人(対応ガイド候補数)の空いた人と接続できる」という仕組みが必要。
          これはACD(Automatic Call Distributor:着信呼自動分配装置)、コールキューイングといったコールセンターに特化した仕組みそのもの
          ガイド側画面にも、何人待ちという情報を出して、簡潔に切り上げることを意識させる必要もある。 
        • 電話ならばコールセンターの接続待ちほど利用者にとって無駄な時間はないが、電話と違ってビデオ会議は映像が出せる。接続待ちの場合はFAQを表示して自己解決を促す、ビデオ広告を表示する、などによって待ち時間も効果的な活用が可能
        • もし待ち時間に耐えられず利用者がそのままブースを去ってしまったら、無駄な接続が発生してしまう。電話であれば操作で切断されるがビデオ会議はそうはならない。
          ひょっとしたら待機者のカメラ映像がガイド側に表示される必要があるかもしれない。
    • 切断後は、利用者端末は自動的に初期画面(接続待機画面)に戻る必要がある。
  • 端末・ソフトウェア操作にまつわる部分
    • 利用者端末は接続開始さえすれば以後は何も触らなくても、すべて快適に利用できる必要がある
      • カメラ映像や資料表示エリアなどの表示レイアウト変更から、スピーカボリュームのアップダウンまで、ガイド側で利用者側の設定に関する全ての操作が可能である必要がある。
  • 「資料表示」にまつわる部分
    • 地図や観光案内図など、ガイドが資料を表示しながら説明することが効果的
      • 表示画像が鮮明で、表示速度が速いことが望ましい
      • 地図の上にフリーハンドでマークしたりなど、「書き込み」機能が必須
    • 説明に使った資料は利用者側でプリントアウトできる、またはスマホでダウンロードできることが望ましい

 

以上、思いつくがままに書きましたが、「映像と音声を遠隔地で共有する」というテレビ会議の要素技術にフィーチャーしたユースケースと考えがちな「遠隔観光ガイド」ですが、いかに本来の用途とはかけ離れたピンポイントなシステム要件が発生するか、ご理解いただけましたでしょうか。

一方で同時に、"資料共有"など、既存の受付システムなどでは実現し得ない、遠隔会議で培ったきめ細やかな機能をフル活用できそうなポテンシャルも感じられますし、なにせ数少ない右肩上がりの市場で自治体の予算も充てがわれそうな、魅力的な案件です。

システム要件は見えていますから、あとはいかに観光ガイド機能にフィットさせる方向で開発投資するかというメーカー決断だけです。
既にLiveOnなど一部のWEB会議製品では上記に挙げた機能が搭載されつつあります。

どの製品・サービスが抜け出すのか。TV会議メーカー、各種関係業界が一体となった大胆な行動を期待したいです。


「テレビ会議」の応用利用の難しさ 〜多国語観光案内編〜

2018-06-06 21:38:22 | ユースケース

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私の住む地域新聞に記事が載ったのですが、遠隔会議システムを「観光案内」に用いることで旺盛なインバンウンド需要に対応するとのこと。

つまりは

  1. 観光地にて旅行者が観光案内所に赴き、「ビデオコミュニケーションステーション」などと銘打たれたブースに入る
  2. 遠隔地の事務所などに待機する観光ガイドと接続する
  3. ガイドは旅行者の質問や要望に対応する

という流れになるかと思います。

しかしこれには、システムデザインと運用も含め、非常に盛りだくさんの必須要素に溢れます。

最初に結論を言えば、これはもはや汎用テレビ会議(WEB会議)の1ユースケースには収まらず、専用システムおよびバックグラウンドに綿密に用意された人的システムが存在しないと埒があかないレベルです。

まずは機能云々の前に、なぜ上記のような仕組みを作らないといけないのか、何をもって成功かを最初に正しく定義しないと、その目的に逸れてもなお妥協を許したりなどの本末転倒状態になりかねません。

  1. 多言語対応による多国籍の旅行者の訪問増
  2. 観光地側の人件費削減
  3. 旅行者の観光満足度向上
  4. 観光地での収入増

これらが主要な成功要素、つまり向かうべきゴールかと思います。

1の多言語対応はもはや観光地で新しいシステムを取り入れるとしたら当然対応しないといけないものです。

デービッド・アトキンソンの著書を1冊でも読んだことがある人であれば頷いてもらえると思うのですが、もはや少子高齢化で先細りしか見えない日本人だけを相手にした商売では、日本は食べていけません。
自動車の新技術開発や、電子部品の強みを保持するのに巨額な研究開発費をかけるのと同じ感覚で、多くの外国人、欧米人を相手にすることを前提に観光事業を組み立てないと二進も三進もいかない状況に「既になっている」のです。

しかし1と2の両立を考えるとどうでしょう。

言うまでもなく、マルチリンガルなどという逸材の長期雇用などは特に寂れた地方観光地などではできるわけはありません。
そのような高コストの人材をどこか事務所に待機させておいて、いつ来るぞやもわからないネイティブを待ち続けるなど無駄の極みです。

しかしそれが、複数の観光地でそのような「逸材」をシェアできるとしたらどうでしょう。

もちろん、その逸材は事前に複数の観光地について基礎知識を学ぶ必要があります。
ですがそれは、対応できる観光地の数と対応できる時間分だけその人がサラリーをもらえる仕組みがあれば良いのです。

あくまでざっくりした例えですが、観光地は1言語あたり年間100万円のコストをかける。
ともすれば閑散期を除く半年分だけで良いかもしれませんし、普段は2ヶ国語でコストを抑えて繁忙期の2ヶ月だけ8国語に対応するなどという選択肢もあるでしょう。

それを請け負ったガイド側は他の観光地と掛け持ちし、10箇所の特徴(といってもその人にとっては馴染みの人種がその観光地で何を求めるかをつかめれば良い)を勉強して覚えたのなら、悪くない収入です。

10箇所も憶えられないということであれば夏は北海道に集中、冬は沖縄に集中などと対応時期をずらせれば5箇所でも十分な件数がこなせるかもしれません。
そのあたりは四季が明確で南北に伸びた日本の特徴をうまく使えそうです。

固定的な人材の確保が難しくても、日本に来ている留学生をパートタイムで雇ってシフト制にしても良いでしょうし、言ってしまえば海外在住であってもその日本の観光地に詳しい人であれば役目を果たすことができるのです。
さらには、テレビ会議であれば、どのくらいの時間、何件の対応をしたかのカウントも用意ですし、内容を録画すればサービスの質も第三者が評価できます。アンケートだってその場ですぐ取れるでしょう。
従量制でサービスを提供することもできれば、ガイドの質を評価して言わばガイドレベルに応じたコストを払う・もらうこともできます。
それでこそテレビ会議を使う意義があると言うものです。

勝手な理想を放言しましたが、1と2の両立のためには、このような人材を雇用・育成・提供できる特殊な人材請負会社がビジネスとしてサービスを提供していないといけないのです。

人材派遣会社が独自にがんばったとしても自社のみでビジネスとして参入するのは困難。自社にシステム部門をかかえた旅行会社があったとしてもおそらく困難。ましてやシステム会社単独でなど無理。

それらが合わさって共同プロジェクトとして協業できるような枠組みと、それぞれに企業的体力がないと無理でしょう。
もしくは、そのようなガイドですらテレワークの一つとしてインターネットで世界中から雇って管理できるようなシステムを作ってしまうようなベンチャー企業でしょうか。

 

ここまで書いて、システム的な要素に言及する前に既に私の心が折れそうです。

しかしこれだけでは下地だけ塗った描きかけのキャンバス状態であり、本来描きたい内容はこれからですので、続きはまた書きたいと思います。

つまりは、それだけ難しいことではないかと述べたいわけで、「こんな使い方どう?」なんて軽々しく期待を膨らませるような1ユースケースとは次元の違う話ということです。