テレビ会議・WEB会議について語る人

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続:テレビ会議による「遠隔授業」は被災地の子どもに何をもたらすか

2018-09-17 19:48:50 | ユースケース

テレビ会議やWEB会議について比較・解説するサイトを運営しています。 

前回の記事では、福島県内で東京電力原発事故により避難指示が出された小中学校で、生徒数や教員数現象による教育的格差を解消するために「遠隔合同授業」を実施する、という記事を紹介しました。

それを実現する困難さについては既に専門家による指摘もあるようですが、それでもなお、本気でやる価値があるのではないか、ということを述べたつもりです。

今回からは、下記の2点を掘り下げたいと思います。

  1. 「遠隔授業」がなぜ難しいか
  2. 「遠隔授業が成功するとしたらどのようなストーリーが考えられるか」

「遠隔授業」がなぜ難しいか

TV会議システムの不確定性

日本では古くから、TVとビデオデッキ(今はDVDプレイヤー)を使った授業が行われていると思います。
そこで必要なものは、TV(モニタ)とメディアプレイヤーです。

TVもメディアプレイヤーもは普通に電気屋で売っているものを使うことが多いと思います。 
それらは工業製品として完成されたものであり、値段も安いです。
それ故に替わりが利きます
もし故障してもいざとなれば隣の教室から別のものを借りてくれば良いだけかもしれません。
コンテンツとなるディスクなどのメディアも、そう簡単に読めなくなるものでもありません。 

しかしTV会議システムとなってくると話は変わります。

”故障の原因に気づく”難しさ

もし「TV会議が動作しない」という現象に遭遇した場合、考えられる原因は、TV&DVDとは違ってその数が膨大です。

電源を入れても何も映らない、というだけでも4〜5種類原因が考えられそうですが、さらにやっかいなのは「繋がらない」
自分の問題なのか、相手の問題なのか、自分ならばネットワークはどうなのか、設定はおかしくないか・・・

運良く繋がったとしても、今度は「相手の声が聞こえない、または相手にこちらの声が聞こえない」
これもまた、自分の問題なのか、相手の問題なのか、設定の問題なのか、音響機器の故障なのか、配線は正しいか・・・

これらを素早く切り分け、原因を特定し、直ちにトラブルシューティングできるなどということは、オーディオマニアやPCオタクの先生がたまたまいるなど個人のスキルに頼って解決することはあっても、組織としてのシステマチックな対策は困難といえるでしょう。

”代替”の難しさ

モニタやTV会議システム本体が故障するということは、業務用であればまずないでしょう。
しかし、故障の可能性があるのならば故障時の代替え品は持たないといけません
その値段を考えると、5万円くらいの液晶テレビとは違って、数十万円オーダーというのもおかしくありません。

また、仮に代替え品を用意したとして、その設定はどうするのでしょうか

視聴覚室のような固定された1台に対しての代替えであれば設定もあらかじめできるでしょうけど、教室Aと教室Bそれぞれに設置した会議システムの代替品を1つとした場合に、いざ代替えを使おうとしても、設定Aとなっているシステムは教室Bでは使えないのです。

また、線を2、3本繋げばOKのTV&DVDと違って、TV会議は少なくも、マイク、スピーカー、ネットワーク、映像出力といった配線の接続が必要で、マイクが多ければそれだけ増えますし、現場の先生が故障に気づいて(まずこれが難しい)冷や汗をかきながらそれを接続し直していたら、授業時間は半分終わるのではないでしょうか。

何よりつらいのが「相手がいる」こと

TV&DVDであれば、「なんだか今回は機械の調子が悪いようだから、ビデオ鑑賞は次回にしましょう」なんてことで許されるのかもしれません。

しかしながらTV会議には相手がいます。
おたがいが綿密にスケジュール調整をするわけです。
しかも「今回はごめんなさーい」で済むような気の知れた相手とあればよいのですが、今回のユースケースでは「他校の先生・生徒が相手」であるわけです。

私がもし教員であれば、絶対やりたくないと思います。

 

しかし、ここまでの話だけではあまりに救いがありません。

前回の記事で述べたような、先生方の崇高な志と気概を無駄にしたくはありません。

「遠隔授業が成功するとしたらどのようなストーリーが考えられるか」

について次回考えてみたいと思います。


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