てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

ベルガリアード物語

2006年04月11日 | 読書
1巻から5巻、たいそうなボリュームでしたが、読みましたよ!
ボリュームには、昔から強い。
っていうか、逆に嬉しかったりする。
ああ、こんなに読むところがいっぱいある~
って感じで。

さて、エピックファンタジーの傑作と評価が高い本作ですが、
問題点が1つ。

エピックファンタジーって何?


ぐぐったけど、よくわかんなかった。
なんか世界がどうなっているか詳細に書き込んだ話ってことかな?

で、これは、アメリカーンな話ですね。
すかっとさわやか~な感じ。
これと比べたら、指輪物語なんて、暗くて暗くて、じめじめしてて・・・。
翻訳文が悪いのかもしれないけど、挫折したし・・・。
さらに比較するなら、エルリックサーガと比べると、月とすっぽん。
・・・どっちが月でどっちがすっぽんか、聞かないように。
そういう問題じゃないから。

そんなわけで、読みやすかったんですが、正直、もう一つ乗り切れませんでした。

もしかして、これって、性別で向き不向きあるのかな?
とにかく登場人物の女性が面白くないんですよ。
とびっきりの美女で姉御肌な方は、なぜかヒステリーだし、
キュートなお姫様は幼すぎ。
キャラ萌え対象となるはずの女性キャラに入れ込むことができないって、面白く感じる要素が減るんじゃないかな。
男性では、ネズミ顔の王子がダントツ魅力的なんですが、ネズミ顔じゃね・・・。
他にカッコいい男性キャラ、いないし。
ハンサムな男性キャラは、中身がちょっと・・・というような方々ばかりで、
おじいさんは飲んだくれだし。
っていうか、この話、男性陣は飲みすぎですぞ。
二日酔いの翌朝、お風呂に入って迎え酒って危なすぎですよ。
あっ、思い出した。
もう一人、お気に入りキャラがいました。
蛇王国の家来(宰相かな?)。
さっぱりさわやかに毒殺するところがいいです。


ストーリーは一直線。
主人公の旅の様子を辿っていきます。
それがいいのか、悪いのかは、さておき、
最初の頃は、地名と民族名で苦労しました。
結局、この玉をめぐる騒ぎの狙いって何だったのか、
わかったような、わからないような、もう一つ納得できないまま終幕。
世界の秘密とも関係がありそうなんですが・・・
何がどう関係してくるんだか、よくわかりませんでした。



去年読んだ本

2006年04月07日 | 読書
さすがに、何がなんだかわからなくなってきたので
去年読んだ本をまとめてご紹介。
去年ですよ、昨年度じゃないですからねー。

トリポッド2~4
第1巻は紹介済み。
ま、1巻だけ特殊で、2巻以降は続きものだから、まとめてもいいわけで~。
全巻揃うと、表紙のイラストが繋がってて面白いです。

内容は、ジュブナイルということで、
『ちょっと待て。それはないでしょう。』
と言いたくなるようなこともありましたが、
それらに目をつぶってしまえば、
基本的には、いい出来です。

誰も死なないと、あまりに都合が良すぎだが、
子供向けだから仕方がないのか?!
と思っていたら、ちゃんと死んだし。

実力ではない。運がよかっただけ。
と、自分について言い切る主人公。
フィクションのご都合主義をカバーするための発言ですが、
わりと気に入りました。

あ、どんな話か書いてないですね。

えっと、トリポッドという宇宙人が地球に攻めてきて、完全に掌握された世界で、反乱を起こすという話です。
トリポッドの征服方法は、思考コントロールができる帽子を14歳(だったっけ?)以上の全員にかぶせるというもの。
この帽子を被っていると、幸せな気分になれるところがミソ。
強制された幸福感より、自由な不幸の方が良いという戦いなわけです。


イカ星人
表紙イラストが面白いです。
えっと、どんな話だったっけ?
イカ、イカ、イカ・・・
このころ、まとめて北野勇作の本を読んだから、
なんだか区別がつかなくて。
あいかわらずの北野節だったと思います。

ザリガニマン
同じく、北野勇作の本。
こっちは覚えてますよ~。
表紙イラストは、仮面ライダーのようなザリガニマン。
『いつでも後ずさり、ザリガニマン』
というフレーズが妙に心に残るザリガニマン。
ラスト近く、
このとき、全世界のザリガニーがハサミを振りかざした
とかいうあたり、涙がじわっと滲むかもしれないような気もしたり・・・。
イカ星人、話を忘れちゃったけど、面白かったですが、
ザリガニマンの方が哀愁があって良かったかな。
イカ星人はまた別の味わいがあって、それも捨てがたいんだけどねー。
まあ、人を選ぶよね。
この記事もわけがわかんないと思うけど、
作品もわけがわかんないし。
白黒つけたい人は怒るよね。

ドーナツ
やはりー、北野勇作の本。
こんな風に続けて読むから、区別がつかなくなったんだよね。
ドーナツとイカ星人だったら、イカ星人の方が好きかな。
って、話忘れてるから、自信ないけど。

どうぶつ図鑑 1巻、2巻、3巻、5巻
これも北野勇作。
(4巻と6巻は、まだ読んでいません。)
SFマガジンで読んだことがある短編も収録されていて、
懐かしかったです。
で、1,2,3,5巻の既読短編以外で、
これはっ?!と思ったのは、3巻(かえる)。
3巻は、全体的にホラー味のものが載っています。
カメリ第2話すら、ちょっぴりホラーっぽい。
ホラーっていうか、小学生の怖さというのかな、
小学生って、道がよくわかんないでしょ。
この道をずんずん歩いていったら、異形の国に着いてしまうんじゃないか
もう家に戻れないんじゃないだろうか、
というような心細い怖さ。
そんな感じ。
で、ですね。
私が気に入ったのは、そのカメリ第2話じゃなくて(カメリも可愛いけど)
『怖いは狐』。
これ、怖いです。

SFマガジンで北野勇作を読んだことがない人なら、5巻がお勧め。


ハイブリッド
ネアンデルタール人が進化した並行世界と、この世界が繋がってしまったという設定で描かれたシリーズ第三作、完結編。
なわけですが、どうもね。
ソウヤーは、ミステリータッチのわかりやすい面白さが売りなんですが、
なんかあんまり面白くない、
金返せ~、時間返せ~、ってほどでもなかったけど、
読んでも読まなくても、どっちでもいいかなって感じ。
第1作は面白かったんですけどね。
ソウヤーっぽさが上手く出てました。


逆転世界 プリースト

2006年04月04日 | 読書
初読。
地球都市と呼ばれる巨大な建物。
子ども達はその建物の中だけで育ち、
外に出られるのは特定のギルドの者のみ。
主人公が成人に達したとき、見習いギルド員として
外に出ることができたが、
その光景は学校で習ったものとは、異なっていた・・・

という、なんだか~、どこかで~、よく聞くような~設定です。
ちょっと違うのは、この建物が動いていることかな。
え?
動いているのは、よくあるって?
逆に動いていない方が珍しいって?

しかしですね、この建物、宇宙船じゃないんですよ。
しかもですね、動き方なんですが、レールの上を動くんですよ。
あ、レールは少しずつ敷設していくんですがね。
後ろのレールを取り外して、前に繋げていくという、手間のかかる方法で動きます。
川があったら、橋も作っちゃうよ~。

ね、ちょっと違うでしょ。

しかし、動き方が変わっているだけか・・・
と思ったらば、話も全然違いましたよ。

この手の話って、
こうした封鎖的な社会のやり方が通用しなくなってきているところへ
新成人が新鮮なものの見方で、事件を解決に導く、
その過程で、社会成立の秘密が明らかになり、
新しい希望に満ちた開放的な新社会が建設される
となりますよね。

従来のやり方が通用しなくなってきているっていう点は同じなんですが、
一握りのスーパーヒーローが活躍するというような話ではありません。

一読、強烈に印象に残るのは、実に奇妙な世界の風景です。
細部をみれば、どこかで聞いたことがあるような事柄ですが、
それにしても妙な世界です。
まず、この妙な世界に魅せられます。

最後の方になって、世界の秘密が明らかになるわけですが、
複雑な気分です。
そうか、そうだったのか?!とすっきりできません。
それってどういうことなんだろう?と考え込んでしまいましたよ。

この『逆転世界』は、プリーストの初期代表作なんだそうです。
なかなか面白かったのでほかの作品も読んでみたいと思います。

『なかなか面白かった』とか『面白い』とか、毎回、書いているから、
実際どれぐらい面白く感じたのかわかりにくいかもしれませんね。
この本については、
いやあ久しぶりに面白い初読の本に巡り合ったなぁ
というぐらい面白かったです。

今のところ、初読では今年1番。
って、読んでる本、少なすぎの上に紹介もしてませんが・・・

ポストマン  ブリン

2006年04月04日 | 読書
再読。
ケヴィン・コスナーが映画化して不評だった『ポストマン』の原作。
原作を読むと、そのまま映画化できそうなのに、どこが悪かったんだろう?
映画観てないから、わかんない。
あ、でも、やっぱり不評の『ウォーター・ワールド』、私はわりと好きなので
もしかしたら『ポストマン』も意外といけるかも。

ブリンというと、知性化シリーズがとっさに思い浮かびますが、
この作品は、それらとはずいぶん違います。
あんまりSFっぽくないしね。

舞台は、世界戦争後のアメリカ。
今までの文明が崩壊して、北斗の拳の世界になってます。
そして、戦後13年だったかな?まあ、それぐらい後の話です。
この13年ぐらいというのが、キモで、
戦前を知らない世代が出てくる一方で、
戦前に大人だった世代もまだ生き残っている時代。
生活が厳しいので、みんな若死にするみたいですが。

そんなときに、定住地を探してさすらっていた主人公が、
ふと見つけた郵便配達員の自動車。
中にはミイラ化した郵便配達員と手紙の束がありました。
物資が極端に不足している時代のこと、
主人公は郵便配達員のジャケットや手紙の束の入ったカバンを失敬します。
(手紙の束は、裏紙になるし、寂しいとき読めるし)
しかし、次に立ち寄った村での成り行きで、
主人公は郵便配達員であると嘘をついていかざるを得なくなっていくのです。


特に第1部が感動的。
過去の文明への郷愁が、哀れを誘います。
絶望で自暴自棄になっていた人々が結集していく第2部以降は、
それに比べると、すこし何ですね。
オズの魔法使いだし、なんかヒーロー物みたいになっていくし。
再読だったので、先が読めているのも悪かったかもしれません。
少なくとも、初読のときは、
「この本、すごく面白い!」と思いましたよ。