てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

グイン・サーガ 第100巻

2005年04月13日 | 読書
ひええ、100巻目ですよ!
書店に大きく目立つように、祝!100巻と書いてあるかと思ったら、何にもなくて、普通に売ってましたけどねー。

タイトルは、「豹頭王の試練」
地味ですね。

内容は、99巻の続き。
いったん、モンゴール軍から逃げ出して、再び捕まったグイン。
さて、イシュトバーンは、カンカンです。
どうなるかな?と思ったら、前とたいして違いはありません。

グインが記憶喪失だから、昔話もありますよ。
他の人が、グインのために説明してくれますから。
初めて読む人にもいいかも、ってほどではないですけど。
でも、あまり困らない気がするな、100巻から読んでも。

というわけで、どうも無駄に紙を使っている気持ちがぬぐえませんが、最後は少し意外でした。

101巻、102巻は、5月、6月と続けて出ます。
確か、以前にもあった3ヶ月連続出版。
あのときは、ひどかったなぁ、内容が。
今度はどうなんだろう。
少し怖い。

ホミニッド -原人-

2005年04月06日 | 読書
ロバート・J・ソウヤーのネアンデルタール・パララックスシリーズ第1作『ホミニッド -原人-』です。

ネアンデルタール人が進化、繁栄している世界で、量子コンピュータの実験中に物理学者が、こちらの世界に転送されてしまった。。。というお話。

ネアンデルタール人の物理学者というのに興味を引かれて、買ってすぐに読み始めました。

こちらの世界と、ネアンデルタール人の世界の2つの物語が同時進行で進みますが、どちらもそれぞれ興味深く、一気に読んでしまいました。

ストーリーは、予定調和的な感じもしましたが、面白いです。

ちょっとひっかかったところもあります。
転送してきた物理学者の話を聞いて、「うん、うん。確かにネアンデルタール人に間違いない。」と納得するシーンです。
こちらにある世界の化石、遺跡から、そのまま進化したらこうなるだろうという予想と一致しているからなんですが、通常そのまま何の変化もなく進化するものなのかな。
どうもこじつけっぽい感じがしたのでした。
それに、こちらの世界とネアンデルタール人が進化した世界は、別物でしょ。
こちらの世界のネアンデルタール人は、特定の部分が欠けていた、あるいはある種の特徴のために絶滅したとも言えるわけだし。

宗教の問題も興味深かったです。
無宗教の私(多分、一般的な日本人)としては。
ネアンデルタール人の社会には、宗教がないのですが、それに対して、こちらの世界の人が「じゃあ、どうやって人々に道徳を学ばせるのか?」と質問していました。
盗んじゃいけない、傷つけてはいけない、殺してはいけないのはなぜか、皆が納得する理由というのは、宗教でしか与えることができないというのが、少なくともキリスト教徒の間では一般的な認識だというわけですね。
なるほど、それで無宗教だというと、嫌われるんですか。


ネアンデルタール・パララックスシリーズは、第二作『ヒューマン -人類-』、第三作『ハイブリッド -新種-』と続きます。
刊行は、まだこれから。楽しみです。


ヒューゴー賞受賞




OZAKUさんにTB


真空ダイヤグラム

2005年04月04日 | 読書
『プランク・ゼロ』の続き、『真空ダイヤグラム』読了です。
フィリップ・K・ディック賞受賞。
前の記事にも書いたけど、『真空ダイヤグラム』では、2つの宇宙種族の支配から脱却した人類が、どんどん力をつけていき、ジーリーと対決するところにまで至ります。
そこまでが、前半部分。
そして、その結果の物語が、後半部分。

ま、最初から勝ち目はないんですけどね。ジーリーには。
本書から引用すると、

  しかし、それにもかかわらず人類は戦いつづけた。
  ジーリーが建設する灯りを囲う、ガラス容器の壁に挑みかかっていく怒れる虫のように。


寂しい、悲しすぎます、人類の無力さ加減。
それでも戦い、滅んでいく人類。
ジーリーは、全然影響を受けず、当時の人類にはその存在すら知られていない強大な敵と戦っています。
とてつもないスケールで。
(強大な敵の正体は、『虚空のリング』で明らかになります。)


人類万歳じゃないところが、とても良いです。
また、一応、後半の話は、ほのかに希望の光が見えるようになってます。


ところで、あとがきに、「ある重要人物の名前が、同一人物なのに、わざと微妙に違えている」とありました。
パラパラと見直してみたのですが、分かりませんでした。

プランク・ゼロ

2005年04月01日 | 読書
スティーヴン・バクスターのジーリー・クロニクル①『プランク・ゼロ』を読みました。
これ、『虚空のリング』を手に入れる前に、半分ぐらい読んでいたのを、やっぱり先に、『虚空のリング』をGETするぞ!と中断していたものです。
今回、最初から読み直しました。

人類が、ワームホールを構築し、宇宙に乗り出し始めた時代から、異種族との出会いと2度にわたる宇宙人による人類支配の時代の短編が時系列にそって、並んでいます。
ジーリー・クロニクル②『真空ダイヤグラム』には、その時代の続きであるジーリーとの戦争、そして銀河宇宙の終焉までの短編が収められています。まだ、読みかけですけどね。

②とちがって、①のほうは、まだ人類は積極的に宇宙に進出し、人類の叡智による明るい未来が感じられるお話が中心です。
ジーリーにだって、そのうちに勝つぞという意気込みが感じられます。
あ、ジーリーって、謎の宇宙種族です。そのテクノロジーは他の種族をはるかに凌駕していて、ジーリーの忘れ物とか、落し物なんかを拾って何とか使いこなしたりしています。でも、原理は不明で、自分では作れないものばかり。たとえば、ジーリーが良く使っている非常に薄い布のような建材があるんですが、他の種族には、その布(?)を切りとることすらできないんです。

最初の時代の短編は、人類が新たに出会った知的生命体の話が中心になっています。
生まれて3日間だけ定植と繁殖のために移動可能で、定植後は、脳が退化してしまう極寒の地に住む植物生命体、水星の裏側の熱水噴に住む魚様の生命体。
それぞれ、厳しい環境に適合して生きている様子が、生き生きと書かれていて、感動的です。
また、全て宇宙への憧れについて書かれています。

ところで、前に『ハリガネムシ』という記事(検索で人気の記事です)で、寄生虫が宿主の行動を左右するというSF短編があったけど、何だったか忘れたと書きましたが、これでした。『黄金の繊毛』。
しかし、気温が上がるから死ぬんじゃなくて、気温が下がるから死ぬんでした。
とんでもない間違いでした。

それと、『リゼール』。
『虚空のリング』を読み始めたとき、「あれ?これ、読んだことがある!もしかして、もしかして、持っていた本だったんだろうか。そんな、バカな・・・」と思ったんですが、その原因がわかりました。
『リゼール』に、『虚空のリング』冒頭部分が書いてあるからですね。
もう、あの時は、本当にあせったよ~。


で、宇宙人に支配されていた時代では、その支配の裏をかくために、人類が知恵を絞るというお話。
人類、大活躍です。
このようにして、人類は、ジーリー以外の宇宙種族のナンバー1になっていくのです。。。


それにしても、バクスターのアイディアはすごい。
今回、一番ひええぇ・・・と驚いたのは、
  ビッグバンから1秒も経っていないときのこと。
  すでに生命は存在していた。

で始まるその生命体のメッセージ。
もう、本当に突拍子もないです。こんなの、思いつけないですよ。




mipaさんにTB