てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

ポストマン  ブリン

2006年04月04日 | 読書
再読。
ケヴィン・コスナーが映画化して不評だった『ポストマン』の原作。
原作を読むと、そのまま映画化できそうなのに、どこが悪かったんだろう?
映画観てないから、わかんない。
あ、でも、やっぱり不評の『ウォーター・ワールド』、私はわりと好きなので
もしかしたら『ポストマン』も意外といけるかも。

ブリンというと、知性化シリーズがとっさに思い浮かびますが、
この作品は、それらとはずいぶん違います。
あんまりSFっぽくないしね。

舞台は、世界戦争後のアメリカ。
今までの文明が崩壊して、北斗の拳の世界になってます。
そして、戦後13年だったかな?まあ、それぐらい後の話です。
この13年ぐらいというのが、キモで、
戦前を知らない世代が出てくる一方で、
戦前に大人だった世代もまだ生き残っている時代。
生活が厳しいので、みんな若死にするみたいですが。

そんなときに、定住地を探してさすらっていた主人公が、
ふと見つけた郵便配達員の自動車。
中にはミイラ化した郵便配達員と手紙の束がありました。
物資が極端に不足している時代のこと、
主人公は郵便配達員のジャケットや手紙の束の入ったカバンを失敬します。
(手紙の束は、裏紙になるし、寂しいとき読めるし)
しかし、次に立ち寄った村での成り行きで、
主人公は郵便配達員であると嘘をついていかざるを得なくなっていくのです。


特に第1部が感動的。
過去の文明への郷愁が、哀れを誘います。
絶望で自暴自棄になっていた人々が結集していく第2部以降は、
それに比べると、すこし何ですね。
オズの魔法使いだし、なんかヒーロー物みたいになっていくし。
再読だったので、先が読めているのも悪かったかもしれません。
少なくとも、初読のときは、
「この本、すごく面白い!」と思いましたよ。


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