てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

『ダウンビロウ・ステーション』 C・J・チェリイ

2005年06月03日 | 読書
ダウンビロウ・ステーション C・J・チェリイ  深町真理子他・訳 


さて、どんな話かというと、
地球と殖民惑星の対立の話です。殖民惑星は、高い関税、地球の生産物の強要、内政干渉に抗議し、戦争状態に突入します。
殖民惑星と地球の間には、いくつかの人工ステーションがあり、これらは地球政府側に属しています。
ステーションでの物資補給なしに、地球から殖民惑星に行くことは不可能なので、殖民惑星側が、人工ステーションをすべて落とせば、地球は孤立します。
ダウンビロウ・ステーションは、そうした人工ステーションの一つで、地球側の最後の砦です。しかも、背後に惑星もあるので、自給自足可能なたった一つのステーションです。

戦艦が、ほかのステーションからの難民を満載した民間船を警護しながら、ダウンビロウ・ステーションにやってくるところから、話が始まります。

最後のステーションを巡る地球と殖民惑星の戦い、そのはざまにたたされたステーションの人々はどうするのか、どちらにつくのか。
ダウンビロウ惑星原住民、宇宙貿易を生業とする商人達も巻き込んだ、ステーション生き残りのための戦いが始まりました。。。


難民をどうするか、一区画あたりの定員を増やして居住空間を作り、そこに難民を住まわせようとか、身分証明書の再発行手続きとか、細かい話が出てきます。
戦いも、政治的な駆け引き、裏工作が中心です。
この部分を読むのがだるい、わたしゃ、SFを読みたいんだあ!宇宙でドンパチがいいんだぁ!という人もいるかもしれませんが、わたしは、そうした細かい話も面白く読めました。


登場人物のキャラクターも、違和感がありませんでした。
冷徹な戦艦ノルウェイ号女船長、そしてその捕虜の扱い、やさしすぎじゃないのと思われるステーション重要人物の息子。
こういった人物像は、女性作家ならでは、かも。


ヒューゴー賞受賞


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