てっきりてっくり

あっという間に1日が終わっちゃう

本棚の紹介(未読もあり) その2

2005年06月03日 | 読書
パパの原発 (マーク レイドロー)
 少し読みかけて、あまり面白くなかったので、途中読みになっています。
 どうやらコメディだそうです。
 うーん、私が読んだ部分まではそんな印象はなかったなぁ。

マジプール年代記 (シルヴァーバーグ)
 シルヴァーバーグの作品は、ほとんど記憶に残ってないですね。
 読んでいないかも。

光の王 (ロジャー・ゼラズニイ)
 ゼラズニイもシルヴァーバーグと同じ。
 Amazon書評で★5つついてました。本当にそんなに面白かったっけ?
 
わが名はコンラッド(ロジャー・ゼラズニイ)
 これは、未読ですね。

スローターハウス5 (ヴォネガット・ジュニア)
 これも未読。

ヴァーミリオン・サンズ (バラード)
 短編集です。
 途中まで読みました。
 上品な感じではありますが、読みにくいです。浅倉久志訳なんだけどなぁ。
 SFという感じはあまりしないです。

雪の女王
世界の果て (ジョーン・D. ヴィンジ)
 『世界の果て』が『雪の女王』の続編です。
 『雪の女王』は同名の童話を下敷きにしたSFです。
 ヒューゴー賞を取ってますね。
 読みやすいファンタジーっぽいSFです。

串刺し教授 (筒井 康隆)
 ショートショート集。
 あまり面白いと感じませんでした。
 それとも、未読か?!
 次回(多分夏ごろ)、持ってきて再読してみたいです。

竜の卵 (ロバート L.フォワード)
 中性子星に発生した知的生命。この異星人と人類とのコンタクト。
 中性子星の時間スピードは地球の100万倍。
 いやあ、面白かったです。
 中性子星というと、バクスターの『フラックス』を思い浮かびますが、
 私は『竜の卵』のほうが好き。

プロテクター (ニーブン)
 ノウンスペースシリーズ。
 Amazonに説明が載ってなかったので、どんな話かよくわからないけど、
 タイトルからすると、謎の宇宙種族プロテクターと人類の
 ファーストコンタクトの話じゃないかな。(笑…)
 Amazon書評の通り、『リングワールド』前に読むと、この世界の背景が
 よくわかると思います。
 とくに、『リングワールドふたたび』『リングワールドの玉座』と
 読み進めるなら、必読かも。
 
非Aの世界 (ヴォークト)
 わりと若い時に読みました。
 なんか暗いなぁと感じた記憶あり。
 再読の必要をひしひしと感じます。全然、覚えてないもん。

地球人のお荷物 (ポール・アンダースン)
 熊のぬいぐるみみたいな宇宙人を相手に悪戦苦闘する人類のバタバタお笑い話。
 ホーカシリーズってことだから、他にも出てるんでしょうね。
 (あ、これ、シャレじゃないですから)
 
ノヴァ (ディレイニー)
 うぅ。Amazonで検索すると「みによくつく」うさぎの英会話本がヒットしまくり。。。
 「現代SFの頂点をきわめたディレイニーの最高傑作」だそうです。
 覚えてない。。。しくしく。。。

辺境の人々 (カード)
 多分、あまり面白くなかった本だと思います。
 宗教色が強すぎて。

ブラッド・ミュージック (ベア)
 ラストが印象的だった(と思う)ナノテクSF。
 感想を書くには再読しないとなぁ。

沈んだ世界 (バラード)
 未読

地球の長い午後 (オールディス)
 自転さえも止ってしまったずっと未来の地球のお話。
 そこでは植物が生き物の王。
 人類は、細々と生活しています。
 とんでもない生物がてんこ盛り。想像力爆発です。

伝道の書に捧げるバラ (ゼラズニイ)
 だから、ゼラズニイの作品は覚えてないって。

鉄の夢 (スピンラッド)
 「SF史上屈指の奇書」といううたい文句ですが、普通だったように思います。
 面白かったです。

果しなき河よ我を誘え (フィリップ・ホセ・ファーマー)
 リバーワールド第1部。
 壮大な構想のもとに始まったこのシリーズ、はっきり言って面白くないです。
 この本なんて、読んでも謎しか出てきません。
 続きはどうなってるのかなぁ?
 第2部『わが夢のリバーボート』、『魔法の迷宮』というのが出てますね。
 これじゃあ、完結してないでしょうね。

終りなき戦い (ホールドマン)
 はぁ。『終わりなき戦い』じゃなくて『終りなき戦い』ですよ。
 『終わりなき平和』なのになぁ。
 ま、いいや。
 ベトナム戦争での体験が元になったという宇宙戦争の話。 
 あまりSFっぽい感じではありませんでした。

アザーエデン (タニス・リーなど)
 イギリス人作家によるSFアンソロジーです。
 著者は、他にイアン・ワトスン、オールディス、ムアコック、リサ・タトルなど。
 以前にも書いたのですが、私はオールディスの『キャベツの代価』がお気に入り。

法王計画 (シマック)
 シマック好きなので、多分読んだと思うんですが、覚えていません。
 おいおいって感じです。

プレイヤー・ピアノ (ヴォネガット・ジュニア)
 未読

夜の翼 (シルヴァーバーグ)
 読んだはずですが、それ以外は、さっぱり記憶にありません。

発狂した宇宙 (ブラウン)
 これも忘れた。読んだかどうかも不明です。

華氏四五一度 (ブラッドベリ)
 長編なので、サクサク読めた記憶があります。
 短編だと、一つ読み終わるたびに、一呼吸入れますから。
 
鼠と竜のゲーム (コードウェイナー・スミス)
 ご存知「人類補完機構」ですね。
 なんかかっこよくって好きです。
 構成とかが。

宇宙の孤児 (ハインライン)
 移民するための宇宙船で、世代交代のうちに自分達が宇宙船に乗っていることすら
 忘れ去り、それが世界だと思って暮らすようになってしまった時代の一人の少年の
 成長の物語。
 面白い冒険譚です。

スラン (ヴォークト)
 読んだけど、すっかり忘れた。 
 また初めて読むのと同じ感動が味わえるかもしれないと思うと、少しお得かも。
 いや、時間の無駄か。。。

クローム襲撃 (ギブスン)
 短編集。
 映画になった『記憶屋ジョニイ』など。
 『ニュー・ローズ・ホテル』が一番好きだったような気がする。。。

火星年代記 (ブラッドベリ)
 有名なお話ですね。
 ブラッドベリらしい叙情性にあふれたお話です。

星からの帰還 (レム)
 レムもね、忘れてますね。
 っていうか、こんなにレムの本を持っていたんだなぁとビックリです。


以下未読(多分。自信、なし)
・わが名はコンラッド(ゼラズニイ)
・ヴォネガット、大いに語る(ヴォネガット)
・ホムンクルス(プレイロック)
・地獄のハイウエイ(ゼラズニイ)
・マラキア・タペストリ(オールディス)
・去年を待ちながら(ディック)
・タイム・マシン(ウエルズ)
・宇宙の戦士(ハインライン)
・夜の大海の中で(ベンフォード)
・焦熱期(アンダースン)
・宇宙製造者(ヴォークト)


以上、GWに実家に行ったときのメモでした。
今度は、手元にある本の紹介をしてもいいけど、全部未読だからなぁ。。。

本棚の紹介(未読もあり) その1

2005年06月03日 | 読書
実家に行ったときに、本棚の本のタイトルをメモしてきました。
時間がなかったので、主にSF文庫(しかも海外物)を3分の1ほど。

このメモを参考に、記憶を頼りに、Amazonさんの手も借りつつ、一口感想を書きます。
それにしても、読んだかどうかすら定かでない本が多すぎ。
順番は、本棚に並んでいた順で、無茶苦茶です。
本棚、整理しないとなぁ。。。。


金星応答なし (レム)
 しょっぱなから未読です。すいません。ちょっと読みにくい本の気がします。

JEM (F・ポール)
 Amazonあらすじを読むと、読んだ記憶がありません。おもしろそうです。
 早く持ち帰って、読みたいと思いました。

プロテウス・オペレーション (J・P・ホーガン)
 ありゃ。これも記憶にないですね。選んだ棚が悪かったか。。。
 タイムトラベルものです。

スペルシンガー・サーガ1、2 (アラン・ディーン フォスター )
 『スペルシンガー』と『救世の使者』
 異世界に召還された若者というよくあるパターンのファンタジー。
 まあ、軽く読めます。

知性化戦争 (ブリン)
 この前、記事にした「知性化の嵐」と同じシリーズものです。
 おもしろいです。

小鬼の居留地 (シマック)
 読んだと思うのだけど、全然記憶にない。
 海老型宇宙人が出て来るそうで、おもしろそう。(情けない。。。)

エデン (レム)
 すいません。記憶にありません。
 『ソラリスの陽のもとに』『砂漠の惑星』とともに三部作を
 築きあげる問題作、だそうです。

歌おう、感電するほどの喜びを! (ブラッドベリ)
 絶対読んだと思いますが、記憶にありません。
 短編集です。

黙示録3174年 (W・M・ミラージュニア)
 これも読んだ。しかも、わりと最近だったはず。
 ヒューゴー賞、取ってます。

地図にない町 (ディック)
 ディック短編集は、持っているだけであまり読んでないので、
 この本も読んでいない可能性大。

マンハッタン強奪 (ジョン・E. スティス)
 マンハッタン全体がすっぽりUFOに吸い込まれたという話。
 軽く、面白く読めます。

20億の針 (ハル クレメント)
 Amazon書評では訳文が古臭いと不評でしたが、まあ、面白く読めました。

打ち捨てられし心の都 (ルイス・シャイナー)
 マヤ遺跡を舞台とするタイムトラベル物。
 でも、あまりSFっぽくないです。

異時間の色彩 (マイクル・シェイ)
 えー、これはSFじゃなくて、ホラーですね。
 どうももう一つでした。

女の国の門 (シェリ・S. テッパー)
 女は門の内側に住み、男は門の外に住むという社会での話。
 フェミニズムSFですね。
 男性が読むと、ちょっと鼻白むような記述があるかも。

フィーヴァードリーム (R・R・マーティン)
 ホラーです。吸血鬼ものです。
 さっくり読めます。

白い竜 (マキャフリイ)
 パーンの竜騎士シリーズ第三作です。(やっぱ、本棚整理する必要があるか。。。)
 読みました。覚えていません。

秘密 (東野圭吾)
 あれ?推理小説じゃんと思ったら、SFチックですね。
 事故で、妻は死亡、娘は命を取り留めたと思ったら、娘の意識は妻のものだったという話。
 考えさせられました。いろいろ突っ込みたかった。


地獄への門 (ポール・プロイス)
 全然覚えていません。未読かもしれないです。
 Amazonでもあらすじが書いてなかったので、わかりませんでした。

ローズウォーターさん、あたなに神のお恵みを (カート・ヴォネガット・ジュニア)
 読んでいません。

スモーク・リング (ニーヴン)
 『インテグラル・ツリー』の続編。
 自由落下状態の大気中を浮遊する巨大な木に生息する新人類の冒険譚。
 普通に面白いです。

ロボット物語 (レム)
 覚えてないです。

ゲイトウエイ (F・ポール)
 謎の異星人ヒーチーが残した千隻あまりの超光速船が金星付近で発見された。
 出発して戻ってくる方法以外、目的地がどこか、どれぐらい時間がかかるか何もわからない。
 それでも無謀な冒険に挑む人々。
 シリーズ化されていて、4まであります。
 ゲイトウエイシリーズというと、迷わず買ったので、おもしろかったはず。

ティーターン (ジョン・ヴァーリイ)
 多分、読んだことがないと思います。

流れよわが涙、と警官は言った (ディック)
 読みましたが、忘れました。面白かった記憶はあります。
 ディック最大の問題作だそうです。
 Amazonあらすじを読むと、非常にディックっぽい話みたいですね。
 
2001年宇宙の旅 (クラーク)
 有名すぎて、いまさら紹介する必要もないでしょう。
 キューブリックの映画よりもわかりやすいです。
 まあ、あの最後の色の洪水シーンの20分、理解できる人って少ないとは思いますが。

時の仮面 (シルヴァーバーグ)
 読んだと思いますが、すっかり忘れています。

人間以上 (スタージョン)
 『夢見る宝石』と混合しているかもしれません。
 普通の面白く読めました。

プタヴの世界 (ニーブン)
 『リングワールド』で有名なノウンスペース・シリーズの一冊です。
 覚えていません。

断絶への航海 (J・P・ホーガン)
 なんということでしょう。
 ホーガン作品は、全然覚えていません。
 もしかしたら、読んでいないかも。

ミラーシェード (スターリング編集のアンソロジー)
 このアンソロジーでは『ミラーグラスのモーツァルト』しか覚えていないです。
 これは、未来の人々が過去へタイムトンネルを作るという話です。
 黒船とか、進駐軍みたいなカルチャーショックを住民に与えるわけで、
 うら若きモーツァルトに何が起きたか。

創世伝説 (ドナルド・モフィット)
 読んだことがないと思っていたら、Amazonあらすじを見て、もしかしたら読んだことがあるかも
 と思いました。
 「メッセージにあった遺伝子情報をもとに、人間をまるごと創りあげる
  きわめて困難なプロジェクトに着手する」というくだり。
 でも、よく考えてみると、それは映画の勘違い。
 
電脳砂漠 (エフィンジャー )
 『重力が衰えるとき』の続編だと思っていたけど、違うかも。
 まさか、読んでないってことあるかな?

ユービック (ディック)
 ディック長編のなかで、私が一番好きなのがコレ。
 いつもと同じく、真実はたまねぎのよう。

猫のゆりかご (カート・ヴォネガット・ジュニア)
 ヴォネガット代表作なんですが、私は『タイタンの妖女』のほうが好き。
 この本も、面白いですけどね。

老いたる霊長類の星への賛歌 (ティプトリー)
 短編集。『ヒューストン、ヒューストン聞こえるか』『一瞬の命の味わい』など。
 細かいことは忘れてしまいました。

地球からの贈り物 (ニーブン)
 ノウンスペースシリーズということですが、覚えていません。
 絶対、読んだことがあるのになぁ。

ポストマン (ブリン)
 核戦争で崩壊した世界で、郵便配達をする話。(。。。)
 映画化もされて、不評でしたね。
 でも、原作は感動的でしたよ。

無伴奏ソナタ (カード)
 『エンダーのゲーム』短編版も収録されている短編集。
 
宇宙零年
星屑のかなたへ
地球人よ、故郷に還れ  (ジェイムズ・ブリッシュ)
 宇宙都市シリーズのようです。未読です。

吟遊詩人トーマス (エレン カシュナー)
 ファンタジーです。
 ごく普通で、可もなく、不可もなくという感じでしょうか。


他に以下も多分、未読。
・遊星よりの昆虫軍X (スラディック)
・十八時の音楽浴 (海野十三)
・緑の瞳 (シェパード)
・宇宙市民(シェクリイ) ・・・ 中古価格3000円にビックリ。定価546円。
・未来の二つの顔(ホーガン)


『第七の封印』 オースン・スコット・カード

2005年06月03日 | 読書
第七の封印 オースン・スコット・カード 田中一江・訳 
原題 Wyrms 1987年初出


殖民宇宙船が遭難した惑星イマキュラータを舞台に繰り広げられる人類と土着生物の種族としての戦いがメインストーリー。

宇宙船船長を祖とする王朝の7かける7かける7代目の娘であるペイシェンスは、予言によると救世主の母となる運命を持っています。
しかし今のペイシェンスの父ピースは、王座を他のものに渡し、自分は王の補佐役に徹しています。かつて王国には多数の賢者がいて、彼らの助言を元に国を運営していましたが、あるとき、アンワームからの呼びかけにより彼らは全員、王国を去り、国が乱れてしまったのです。
ペイシェンスは、父と教育役のエンジェルから、幼いときより徹底的な訓練を受け、13歳にして外交官、暗殺者として一流の腕前を持つに至っています。



登場人物の名前が、ペイシェンス(堪忍)、ピース(平安)、エンジェル(天使)、ウィル(意志)、ルイン(破滅)などと、なにかの象徴であるかのようにつけられています。私には、そんな知識がなくわかりませんでしたが、解説によるとキリスト教教義をめぐる宗教小説として読むことが可能だそうです。

今回、この記事を書くために、原題にあるワームについてパラパラ拾い読みをしたら、肝心な部分をすっかり忘れていることに気づき、再読しました。
記憶にあるより面白かったです。


ところで、SFっぽい肝心の部分は、イマキュラータ土着生物が、渡来種を取り込む説明なのですが、翻訳文が悪いのか、原文からなのか、意味がよくわからない文があって困りました。
特に、遺伝子の振る舞いに関する部分です。


『ダウンビロウ・ステーション』 C・J・チェリイ

2005年06月03日 | 読書
ダウンビロウ・ステーション C・J・チェリイ  深町真理子他・訳 


さて、どんな話かというと、
地球と殖民惑星の対立の話です。殖民惑星は、高い関税、地球の生産物の強要、内政干渉に抗議し、戦争状態に突入します。
殖民惑星と地球の間には、いくつかの人工ステーションがあり、これらは地球政府側に属しています。
ステーションでの物資補給なしに、地球から殖民惑星に行くことは不可能なので、殖民惑星側が、人工ステーションをすべて落とせば、地球は孤立します。
ダウンビロウ・ステーションは、そうした人工ステーションの一つで、地球側の最後の砦です。しかも、背後に惑星もあるので、自給自足可能なたった一つのステーションです。

戦艦が、ほかのステーションからの難民を満載した民間船を警護しながら、ダウンビロウ・ステーションにやってくるところから、話が始まります。

最後のステーションを巡る地球と殖民惑星の戦い、そのはざまにたたされたステーションの人々はどうするのか、どちらにつくのか。
ダウンビロウ惑星原住民、宇宙貿易を生業とする商人達も巻き込んだ、ステーション生き残りのための戦いが始まりました。。。


難民をどうするか、一区画あたりの定員を増やして居住空間を作り、そこに難民を住まわせようとか、身分証明書の再発行手続きとか、細かい話が出てきます。
戦いも、政治的な駆け引き、裏工作が中心です。
この部分を読むのがだるい、わたしゃ、SFを読みたいんだあ!宇宙でドンパチがいいんだぁ!という人もいるかもしれませんが、わたしは、そうした細かい話も面白く読めました。


登場人物のキャラクターも、違和感がありませんでした。
冷徹な戦艦ノルウェイ号女船長、そしてその捕虜の扱い、やさしすぎじゃないのと思われるステーション重要人物の息子。
こういった人物像は、女性作家ならでは、かも。


ヒューゴー賞受賞


『消えた少年たち』 オースン・スコット・カード

2005年06月03日 | 読書
消えた少年たち オースン・スコット・カード 小尾芙佐・訳 
原題 Lost Boys 1992年初出


ハヤカワ文庫SFから出てますが、さすがの私もこれをSFに分類するのは、ためらわれます。
歴史改変物だからSFと言えなくもないですが、ポイントはそこじゃないですからねぇ。

歴史改変部分は、PCを取り囲む状況。
主人公は、ソフト開発者なので、仕事について書くときに、差しさわりがないようになのか、現実とは異なった状況になっています。
ただ、この小説のポイントは、カードお得意の「家族を守る」です。
最初からずっと、家族の日常生活が淡々とつづられていきます。
人によっては、退屈かもしれませんが、家族もちの私は、結構身を入れて読むことができました。
いじめ問題とか、ね。
夫婦としてのあり方も、違和感は感じませんでした。
また、モルモン教徒としての勤めもあるようで、そのあたりの話も、ご近所付き合いと読み替えれば、いかにもありそうな話で、私は興味深く読めました。

この作品は、短編もあるそうで、そちらを読んだ人は、最後のオチが分かっているため、読後感がもう一つだったようです。
短編は読まずに、読んだほうがいいですね。

あ、あと虫のシーン。
私は、こういう虫のシーンが苦手で、苦手で。。。
怖かったです。

一番感動した部分については、ネタバレするので書けないのが残念です。


ローカス賞受賞
「本の雑誌」 1990年代ベスト1

『黒い家』 貴志祐介 

2005年06月03日 | 読書
黒い家 貴志祐介 
初出 1998年


たしか、ホラー小説大賞という帯を見て、購入を決めたと思います。
ホラーとはいうものの、実は、ちっとも怖くありませんでした。
これって、ホラーですか?
推理小説みたいなんですけど。
密室トリックとかアリバイくずしがないと、推理小説とは言えないのかな。


主人公は、生命保険会社で保険支払いの査定の仕事をしている。
保険をかけられていた人が死亡したとき、会社が保険金を支払うべきかどうかを調査するということ。
そんな主人公が見た悪夢とは。。。



この本を読んで、怖いと感じることができないのは、私の感覚が麻痺しているのかもしれません。
保険金殺人に限らず、新聞などのマスメディアで、とてつもない殺人事件が報道されているのですから。
ということは、この本の最後に書かれている『もしかすると、本当の悪夢はこれから始まるのかもしれない』という文句は、現実のものということですね。

ホラーとしては、私が勝手に考えているものと違うのでもうひとつでしたが、サスペンスものとしては面白いです。
この後しばらくは、貴志祐介の本を見たら、それだけで、買うようになったぐらいですから。


『リングワールドふたたび』 ラリイ・ニーヴン

2005年06月03日 | 読書
リングワールドふたたび ラリイ・ニーヴン著 
原題 THE RINGWORLD ENGINEERS



「リングワールド」の続き。
「リングワールド」自体は、ちゃんと完結しているので、「あの人は今?」みたいな感じの続編になってます。
あと、前回書き忘れたのですが、リングワールドは、人類が居住可能な巨大リボンです。
その面積は、地球表面積の百万倍です。

続編なので、「リングワールド」の結末がどうなったのかちょっと書かないと紹介できません。
ネタバレしないように書くのは難しいなぁ。。。


前回の主な登場人物が、またリングワールドへ旅をします。
そして、リングワールドに危機が迫っていることを知り、その危機を回避すべく奮闘努力するという話です。

リングワールドを作ったのは誰かという謎解きもあります。
これ、絶対後付けだと思うけど。。。

そういう意味では、原題の方が内容を表しているようですね。


さて、『リングワールドふたたび』は、続きが出てもおかしくない終わり方をしています。
そんなわけで、『リングワールドの玉座』へと続くのです。

『リングワールド』 ラリイ・ニーヴン

2005年06月03日 | 読書
リングワールド ラリイ・ニーヴン 小隅黎・訳 
原題 Ringworld 1970年初出


ノウンスペース・シリーズの最後の(予定だった)作品だそうです。
ノウンスペース・シリーズのほかの本については、何を読んだのか、今手元に資料がないので、ちょっと分かりません。
最初に読んだのが、この「リングワールド」ではないことは確かです。
登場する宇宙人については、知っていましたから。

さて、この「リングワールド」ですが、恒星のまわりをぐるっとリボンのように取り巻いている人造物です。
このとんでもないものを発見したのは、人類ではなく、双頭のらくだみたいな宇宙人パペッティア人。
非常に慎重で、冒険なんて大嫌い、石橋は叩いても渡らないのが普通というパペッティア人は、人類やそのほかの宇宙人を雇って、このリングワールドの調査に乗り出します。

今では、これ以上に大きなスケールのリング(虚空のリング)の話がありますが、当時は随分話題になったようです。
このような建造物が宇宙空間に存在可能かということが、ハードSFファンの間で論争にまでなったということで、そのオタッキーぽさがとても楽しいですね。

ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞のワクワクする冒険談です。

『陰陽師』 夢枕獏

2005年06月03日 | 読書
陰陽師 夢枕獏 


歴史物って、みんなこんな書き方なんでしょうか。
「・・・したことであろう。」とか「・・・だったらしい。」という言い方が目に付いて、どうもリズムに乗れませんでした。
ほとんど1文ごとに改行されていることと、会話文が多いせいか、ページの余白が目立ちます。
陰陽師という、なにやらほの暗いイメージがある話ですから、ページにびっしり文字が詰まった形式の方が、感じが出ると思いました。
ま、これは、これで読みやすいですけどね。
特に、最初の紹介部分が終わって、事件の話になると、サクサク読み進めることができます。

私の場合は、すごく期待して読み始めてしまったので、もうひとつ物足りない気がしましたが、なんとなく読むなら良いと思います。

『殺戮のチェスゲーム』 ダン・シモンズ

2005年06月03日 | 読書
殺戮のチェスゲーム ダン・シモンズ 柿沼瑛子・訳 
原題 Carrion Comfort 1989年初出


当時、「ハイペリオン」の作者ということで、SFではなく、ホラーでしたが、気になって買った本です。
たしか、まだ「ハイペリオン」は出版されていなかったと思うけど、注目を浴びていました。

上・中・下巻という、ボリュームたっぷりの本です。
ヴァンパイアものです。
ヴァンパイアは、人間の心を操ることができ、その能力で人間同士殺し合いをさせて楽しんでいるという設定でした。
タイトルの「殺戮のチェスゲーム」というのは、ヴァンパイアが人間を駒に見立てて行うチェスです。負けた駒は、殺されてしまうというとんでもないゲームです。

数々の賞を取っているということですが、読んでみたところ大味という印象がぬぐえませんでした。
たしかに、このボリュームを飽きずに読ませるだけのテクニックはありますが、それだけ。