若干印象論になってしまうことを
予めお断りしておきますが、
あくまでブログのネタ範囲だと思って、読んで下さい。
しばしば思うことなのですが、
ポピュラー音楽の世界って、調性が軽視されている気がします。
軽視というか、重要じゃないのかなと思います。
実は、クラシックの世界では、
時代にもよると思いますが、調性というのはかなり重要です。
交響曲に「○長調」とか「○短調」とか付いていますし、
調を変えると、印象が非常に変わりますね。
シャープやフラットが付かないハ長調は純粋さを表す、とか、
作曲家等が、調性自体に意味合いを見い出していることもあります。
ポピュラー音楽の調性について書くくらいですから、
僕自身も結構気にはします。
絶対音感とも絡む話で、ちょっと逸れますが、
以前、合唱団Nの某人が、
「Fis-dur(嬰ヘ長調)って、柑橘系の感じがするんだよね」
と言っていて、
「分かる!!」と、僕自身も非常に納得したことがあります。
調性による曲のイメージは、大事だということです。
しかし、ポピュラーの世界というのは、
ボタン一つで移調出来る時代ですし、
カラオケでもキーを動かして歌うことは当たり前ですし、
あまり調性による曲のイメージとかを
気にしていないのかなと思うことがしばしばあります。
何故そう思うかと言うと、
例えば歌手やバンドがいるとしますが、
大ヒットした自分の曲と、全く同じ調性の曲を
書くことがあるからです。
おまけに、テンポが近いと、僕の中では完全に
「似た曲」という評価になります。
僕の中では、後の曲の評価が下がるんです。
「なんでそんな似た曲を書くんだろう」と。
具体的に例を挙げると、
例えば、今ヒットしているコブクロの「蕾」。
最初がD-major(D-dur、ニ長調)で始まるのですが、
この最初を聴くと、
僕はどうしても、彼らの「永遠にともに」という曲を
思い出してしまうんですね。
今では結婚式でよく歌われる曲で、彼らの代表曲ですが、
この曲は「蕾」と同じ調です。
実を言うと、「蕾」は、
サビでB-minor(h-moll、ロ短調)にいくので、
曲全体の印象は違うのですが、
どうも思い出すんですよね。
もう一つ言うと、
印象論ですが、
僕の中では、サザンオールスターズも、
D-majorを良く使用するイメージがあります。
「真夏の果実」と「TSUNAMI」や、アップテンポの曲でも
使っているイメージがあります。
これ、もしかすると、
敢えてそうしているのかなと思います。
僕みたいな聴き方をする人のほうが少なくて、
その人のヒット曲の良いイメージをもってくるために
そうしているのかもしれません。
あと言えることは、
どんな歌手にでも、音域というのがあります。
だから、自分の得意な音域を使おうとすると、
必然的に使えるキーが限られてくるというのはあります。
あと、物理的な問題もあります。
バッハやショパンの例で分かると思いますが、
調性というのは、長調が12、短調が12、
合計24しかありません。
数が決まっているので、これ以上は使いようがないわけです。
でも、もし自分がソングライターなら、
絶対に違う調を敢えて使う、と思います。
24の調性をフルに使いきる気がします。
でも、多分、ポピュラー音楽については、
そこに重要性はないので、
別の部分が大事になるのでしょうけど。
まあ、そんなこと言ったら、
ポピュラーは、主に循環コード
(例えばC-F-G-Cと、和声的に循環するコードです)を
使うわけですから、似てくるのは当然、とは言えます。
まあ、サザンの例にしても、
全部の曲を調べたわけじゃないので、
あくまで僕だけの印象論です。
同意される人も少ないかもですね。。。いかがでしょう。