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沖縄県知事は中国に侵略を促す米軍撤退を加速させ、国を滅ぼす「抑止力逓減実験」を行うつもりなのか

2016-08-01 19:38:57 | 政治

2016.8.1 01:00更新
【野口裕之の軍事情勢】
沖縄県知事は中国に侵略を促す米軍撤退を加速させ、国を滅ぼす「抑止力逓減実験」を行うつもりなのか

http://www.sankei.com/premium/news/160801/prm1608010003-n1.html

「『中国』の強固な態度は異常だ。強硬に新基地建設を推し進めるのは、あるべき民主主義国家の姿からほど遠い」
 沖縄県の翁長雄志知 事が、南シナ海で人工島=軍事基地を造成し「強硬に新基地建設を推し進める」中国に対し、ついに正面きって批判を展開したと喜んだ。翁長知事は、尖閣諸島 (沖縄県石垣市)への領海侵犯を繰り返す中国を訪問し、李克強首相と面会(2015年4月)しながら尖閣には一言も触れず、訪中では毎回お静か。それだけ に、日米両国政府のみならず、中国政府にも分け隔てなく抗議する当然の姿勢を、今次小欄は採り上げようと思った。中国は自らを「中国流民主主義」だと詐称 することがあり、中国に気遣い「民主主義国家」と持ち上げてみせても、翁長知事に限って言えば違和感はなかった。が、小欄の早トチリだった。翁長知事発言 の冒頭は『中国』ではなく、『中』が抜けた、単なる『国』であった。正しくは-。
 「『国』の強固な態度は異常だ。強硬に新基地建設を推し進めるのは、あるべき民主主義国家の姿からほど遠い」
  沖縄県内の米軍基地問題にまつわる、わが国政府の取り組みを相も変わらず批判したに過ぎなかった。前日の7月21日、翁長知事は首相官邸で開かれた政府・ 沖縄県協議会で、中国人民解放軍海軍のフリゲートが尖閣諸島周辺の接続海域に侵入する(6月9日)といった緊迫情勢を受け、地域住民の安全確保に向け万全 の態勢で取り組むよう菅義偉官房長官らに要請しており、その先入観が早トチリを促したようだ。
今ごろ「中国の脅威」を認識する翁長知事の狙いは?
 日 本国民の大多数の大人が、主義主張に関係なく、中国人民解放軍の「脅威」を程度の差はあるものの感じている。沖縄県内の自治体首長も、例えば尖閣諸島を有 する石垣市の中山義隆市長は、人民解放軍の恐ろしさをとっくに公言してきた。翁長知事が今ごろ認識した理由は不明だが、沖縄県内の米軍基地の「脅威」に対 する批判に特化・集中する余り、他の重要行政をお留守にしてしまった失政も指摘されている。目と鼻の先で人民解放軍海軍の艦艇や海警の巡視船が示威航行す る現実が目に入らなかった?とすれば、翁長知事の米軍基地問題を前にした“集中力”は常人の及ぶところではない。
 実際、米軍普天間飛行場 (沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を阻止せんと、昨年6月には沖縄県庁の関係各課に分散していた事務を一元化し《辺野古新基地建設問題対策課》を新設 した。地方自治体が、国際の安定にも極めて深刻な影響を与える、祖国の安全保障政策を妨害する特別機関を立ち上げたのである。宜野湾市街地に存在する「地 球上で一番危険な飛行場」の移設を妨害・阻止する翁長知事にこそ、こんな非難が似合う。
 「県の強固な態度は異常だ。強硬に基地移設を阻止するのは、あるべき民主主義国家の姿からほど遠い」 
  確かに、わが国政府は普天間飛行場移設をめぐり、埋め立て承認を取り消した翁長知事を相手取り、《撤回を求める政府の是正指示に従わぬのは違法だ》と、確 認を求める訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。訴訟をもって、翁長知事は「国の強固な態度は異常だ」と言うが、粛々と法手続を進める風景は「あるべき民主 主義国家の姿」そのものだ。
待機児童に完全失業率、自殺率… 基地問題に特化している場合か
  沖縄県に集中する米軍基地の削減交渉は、大切な県知事の職務だ。しかし、東京都知事選挙でも重大争点となった《待機児童問題》も、沖縄県が市町村と連携し て喫緊に解決すべき責任を負う大問題だ。沖縄県の待機児童数は別格の東京都に続き全国2位。人口当たりに換算すれば1位となる。翁長氏が市長を務めた那覇 市の、とりわけひどい状況を正視する良識を持ってほしい。《完全失業率》なども全国で断トツ。米軍基地問題に費やすエネルギーの配分を見直してはいかが か。 
 菅官房長官らは政府・沖縄県協議会の席上、翁長知事の珍しくも唐突、ただし真っ当な要請に「政府としては引き続き、わが国周辺海域 での警戒監視活動に万全を期す」と応じた。「万全を期す」には、自衛隊へのヒト・モノ・カネの飛躍的な投資増強が最優先課題だが、そこに制約が立ちはだか るのであれば、自衛隊と米軍との一層の協力が求められる。普天間飛行場の辺野古移設を速やかに実現し、自衛隊と米軍の実力を最大限発揮できる態勢を再構築 し、《抑止力》を中国に見せつけることが政治・軍事的合理性に最もかなう。
訪中では「モノ言わぬ知事」 訪米では「モノ言う知事」
  ところが、翁長知事はそうは考えない。訪米の度に政府・議会関係者に「辺野古移設反対」を唱えて周り、訪中での「モノ言わぬ知事」とは別人のごとく「モノ 言う知事」を演じている。もっとも会談後、米国務省に「移設を進展させる日米両政府の姿勢は揺るぎない」とすかさず発表されるなど、翁長知事の訪米には、 カネと時間の浪費ばかりが際立つ。 
 そもそも、共同通信のインタビュー(2015年5月)では「抑止力のために(辺野古への移設が)必要 だと日米両国が決めても止める」と明言した。辺野古反対集会のニュース映像には、《日米安保粉砕》と記されたプラカードが頻繁に映るが、熱心な参加者の翁 長知事はプラカードを仰ぎ見つつ、沖縄県の「非武装化」「緩衝地帯化」まで主張する、登壇者の過激な主張を謹聴している。移設推進派だったかつての翁長知 事の面影はもはやない。知事の座に居座りたい政治的理由か、思想的転向かはあずかり知らぬが、抑止力とは対極に位置する極めて危険な「反日行為」「日米分 断工作」だ。
 フィリピンは米軍を追い出した途端、中国の軍事的脅威を受ける国難に陥った。反面、朝鮮半島の非武装地帯近くに陣取る在韓米 軍は、小規模であろうが、友軍の韓国軍が弱かろうが、北朝鮮の朝鮮人民軍は手出しができない。非武装地帯を越境すれば、米政府の政治・経済力や米軍の通 常・核戦力への対抗を強いられてしまうのだ。
翁長知事は今一度、態度の豹変を
 フィリピンや朝鮮半島 など、沖縄県以外を「抑止力効果」の実例に採ったが、すべて「傍証」。といって、米軍を沖縄県より撤退させて抑止力逓減を証明する危険は絶対冒せない。逆 説的に言えば、翁長知事は「抑止力逓減実験」を行おうとしているに等しい。米軍が沖縄県を出ていけば、中国は鹿児島県沖~台湾に連なる南西諸島内の無人 島・有人島に向けた、侵略への牙を隠さなくなるだろう。
 沖縄県をそっくり含む南西諸島は、日本にとっても、米国にとっても、中国にとっても、戦略的要衝だ。世界平和の行方を左右する世界有数の要衝と言い換えてもよい。
 中国人民解放軍が南西諸島を突破すれば、あとは阪神~中京~京浜(首都圏)の産業集積地にまっしぐら。自衛隊にとっては絶対防衛線である。
 米軍にも、朝鮮半島や台湾での有事を筆頭に、アジア各地で起こる大災害・紛争に備えられる前線基地。大半が、日本への飛び火が不可避な甚大な事態ばかりだ。
 米中衝突ともなれば、中国人民解放軍としては、米空母打撃群をできる限り遠方で迎撃すべく南西諸島を越え、西太平洋に進出したいところ。長距離核ミサイルを搭載し、米国本土を狙う戦略原子力潜水艦の潜伏する南シナ海を「聖海」に保つためにも、南西諸島は絶対防衛線だ。
 真っ先に標的と化す沖縄県民を始め日本国民にとり、南西諸島は最重要の生命線だと断言して差しつかえあるまい。南シナ海のほぼ全域が「中国の海」とする主張が7月12日、仲裁裁判所で否定されると、中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は社説で凄みを利かせた。 
 《中国の軍事力は、立ち上がる必要があるときには沈黙しない》
 翁長知事は中国の恫喝を噛み締めて、今一度、米軍基地問題に柔軟に取り組んでいただきたい。移設推進派であった翁長知事の“プライド”をもってすれば、できますとも。もう一度、態度を豹変させればいいだけです。