空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

仲裁者か、誠実な仲介者か

2019-03-21 17:04:19 | Weblog
時事 韓国大統領、米情報長官と会談=米朝仲介の用意伝達か 2019年03月20日16時26分

韓国大統領府によると、文在寅大統領は20日、ソウルを訪れたコーツ米国家情報長官と会談し、幅広く意見を交換した

文氏はコーツ氏に対し、米朝対話維持や交渉の妥結に向け、仲介する用意を伝えたとみられる

東亜日報 元国務省関係者「米政府が韓国に仲裁者を要請したことはない」 Posted March. 21, 2019 08:03, Updated March. 21, 2019 08:03

ハノイでの米朝首脳会談の決裂後、韓国政府が米朝間の「仲裁者」に代わって「促進者」という概念を本格的に使っているが、トランプ米政権は当初から韓国側に「仲裁」役を担ってほしいと表現したことはないという主張がワシントンから出た

米国務省の元関係者は20日、「トランプ政権が大統領府に『仲裁』役を担ってほしいと要請したことはなかった」とし、「北朝鮮が依然として米国の安全の脅威であるため、米国の関係者たちは(北朝鮮と米国をつなぐ)『仲裁者』という表現をめぐって拒否感を示した」と伝えた

仲裁ではなく、非核化が進んだ場合、北朝鮮が感じる安全に対する憂慮を払拭させる考えがあるという米国の意向を伝えてほしいと、韓国政府に頼んだという

 明確な説明、場合によっては誤解が生じないようにあえて踏み込んだ説明・解釈の提示―というのが期待された役割であったということになる。

中央日報 「トランプ大統領、文大統領に『仲裁の役割』7回要請」 2019年03月05日08時11分

米国のドナルド・トランプ大統領が第2回米朝首脳会談の直後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との間で仲裁役を果たしてほしいと7回も要請していた事実が遅まきながら伝えられた

 仲裁とは、意見に(やや)相違のある両者の間にたって、これら両者が妥協に至るよう双方の譲歩を適宜引き出す役割―と理解すればいいだろうか。そうして双方の譲歩と合意を獲得すると。

李代表は「トランプ大統領が文在寅大統領との25分間の電話会談で、文大統領に7回も『仲裁役を果たしてほしい、金委員長の真意を把握してほしい』と述べた」と話したと伝えられた。
また「トランプ大統領がこの電話会談で『金委員長に会って対話をし、その内容を知らせてほしい』という話を1、2回ではなく数回繰り返した」と明らかにした


 とすると、「金委員長の真意を把握してほしい」「金委員長に会って対話をし、その内容を知らせてほしい」がトランプ氏の要求であって、mediatorというよりmessengerに近い。

「ウリたちの大統領を小間使い扱いするニカ!」的な憤懣や「ただのwww伝www令www」みたいな揶揄とは別に、これこそが求められた仕事だったのだ。完全に正確に双方の意思意図を伝達し、誤解なく双方が双方の意図を理解すること。そうできなければ、双方の友好的な関係構築も、どっちがどっちをどう騙すかという謀略もそもそも始まらない。

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