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空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

沖縄・名護市長選メモ:キーワードは「経済振興」「協調・対話路線」か

2018-02-05 12:33:33 | Newsメモ
沖縄タイムス 翁長県政「負ければ知事不出馬も現実的に」 政府「県政奪還への弾みに」 名護市長選それぞれの思惑 2018年2月2日 14:29

沖縄県名護市辺野古への新基地建設が最大の争点となっている名護市長選が4日、投開票される。選挙結果は、米軍普天間飛行場の移設問題の行方に直結するため、注目が集まっている

名護市辺野古の新基地建設阻止を県政運営の柱に据える翁長雄志知事にとり、名護市長選は「絶対に負けられない戦い」(県幹部)だ。仮に稲嶺進氏が敗れれば辺野古反対の主張を支える「民意」の一角が崩れることになり、翁長氏は危機感を強めている

別の県幹部は「県民投票で民意を示しても、地元が容認と判断すれば何の意味も成さない」と指摘。その上で、「負ければ知事の不出馬も現実的になる」と語った

沖縄タイムス 名護市長選2018 渡具知氏の勝因、稲嶺氏の敗因は 2018年2月5日 08:39

渡具知武豊氏は学校給食費、保育料、高校生までの医療費の無償化など「生活に直結した」子育て支援策、名護湾のロングビーチリゾート形成など大規模な経済振興ビジョンを前面に掲げ、支持拡大に成功した

政策アピールと同時に、2期8年の稲嶺市政に対し「経済の停滞を招いた」と批判を強めたことも、支持拡大への推進力となった

渡具知氏は「現市政は一つの問題にこだわりすぎている」「阻止だけを言っても工事はどんどん進む」と批判。現時点で工事を止めることは難しいと暗に指摘し、その上で政府との協調、対話路線で経済振興へのシフトを訴えたことも無党派層を呼び込む戦略として奏功した

 勝利の重要要素は「経済の停滞」を批判し「経済振興へのシフトを訴え」たことにあるか。

市議会与党会派の市議14人を中心に、推薦や支持を受けた社民、共産、社大、自由、民進、立憲民主の6政党や県内外の市民団体が市民党的な運動を展開。だが、その分、多組織間の連絡調整や役割分担に苦慮する場面がみられ、結果、運動にまとまりを欠いた

終盤はSNSやユーチューブなどを使って政策や主張を広げるネット戦略にも注力したが、SNS活用で先行していた相手側に対し、10~30代を中心とする若い世代の無党派層の掘り起こしでも及ばなかった

沖縄タイムス 名護市長選2018 渡具知氏の勝因、稲嶺氏の敗因は【速報】名護市長選:新人の渡具知氏が当確 自民、公明、維新推薦 2018年2月4日 22:29

最終投票率は76.92%で、前回2014年を0.21ポイント上回った。期日前投票では当日有権者の44.4%にあたる過去最多の計2万1660人(男性1万235人、女性1万1425人)が投票した

 投票率から見れば、相当の民主的正統性を確保したというべきだろう。

沖縄タイムス 名護市長選「辺野古疲れ」が壁に 涙こらえる稲嶺さん「まだ止められる」 2018年2月5日 06:06

「新基地建設ノー」を掲げた稲嶺進さん(72)は、20年以上賛否を問われ続けて市民に広がる「辺野古疲れ」のムードが壁になり及ばなかった

 …この「辺野古疲れ」という単語がいろいろ物語る:



「残念ながら辺野古が争点となりえなかった」。現職の稲嶺進さんは落選に悔しさをにじませた

 率直な感想なのだろう。しかし彼の支持者たちの観点からは

目頭を押さえながら、「新基地はまだ止めることができる。諦める必要はない」と声を絞り出すと、会場に大きな拍手が起こった

 基地問題こそ問うべき最大の問題であったらしい。しかし現地有権者は別の見解を示した、と評すべきだろう。それは稲嶺氏が悔しいながらも認めたことであり(冒頭発言)、しかし彼の支持者たちはこの「現実」を認めることができなかったものと思われる:「相手候補の当確に「うそだ!」と支援者の悲鳴が響いた」。



 メディアの取材に対して―

アナウンサーの四つ目の質問で司会の男性が突然、会見を打ち切り、稲嶺さんの肩を抱いてテントから事務所内に誘導。報道陣がその姿を追いかける中、「メディア、もういいだろう」と支援者の怒号が響き、現場は騒然となった

 ご尤もである。水師営の会見を思えば、敗戦の将への敬意ある応対、名誉を重んじる姿勢は高く評価されるべきものだ。
 ―なお、あれは、”息子二人を殺した敵将”への礼遇であることにも注意したい。
 ではあれ、そこを無視して突っ込むあたりに(新聞)記者の仕事のありようもあり、それであればこそ「ブン屋」という蔑称じみた呼び名もあるのだろう。

 そうした諸種の事情もあろうが、ひとつ明らかなことは「「メディア、もういいだろう」と支援者の怒号が響」いた点、この当の人々は、以後、与党政治家たちへの”度を越した”メディアの追及を批判し、制止せねばならない義務を負っただろうことである。そうでなければ今回制止を試みたこととの整合性がとれない。

沖縄タイムス 「理解を得られず残念」 翁長知事、“盟友”の敗北に硬い表情 2018年2月5日 01:37

翁長知事。自身にマイクを向けられると「オスプレイが飛び交う所で観光は成り立たない。それが争点外しで理解されず残念」と悔やんだ。その上で「自民、中央の組織選挙が大きな威力を発揮した。市民のフリーな判断があったかどうか」と述べ、報道陣を振り払うように足早に車に乗り込んだ

 論点として「市民のフリーな判断があったかどうか」。県庁所在地と一地方の市とでは異なる視点がありえること、多少異なる合理性が働くこと、にやや注意が低い可能性を示唆する―というのは厳しい評価だろうか。



 勝利の要因で挙げられているのは、なにより経済問題というべきか。ならば翁長-稲嶺は、1) 論点は基地反対、2) 基地反対に伴って経済も活発化する、3) 市政的・県政的・国政的・国際的正統性・妥当性も疑いない、とでも言えばよかったか。問題はおそらくまずは2) のところにあり、3) の各段階での説得にも失敗したということだろう。

 すごい下世話なはなし、基地反対運動の人たちが現地の生産物をすっごい勢いで買って消費してくれて、外部との商業ルートも安定的に確保でき、モノのついででその運動が現地に誇りを齎すものであればよい。

「沖縄 辺野古 買って応援」で検索して出てきたのは「金英」という会社さん。…いやあの、その、現地にマンゴー農家とかなんとか、あるだろう。そういう人たちと連携して、都市部に通販ルートを開拓して安定的な収入が得られるようにお手伝いするとか、あるだろう…。世界中で、抑圧された人民たちと連帯して農業支援をして…ってのは、抵抗運動側の得意技だろうに…。

産経新聞 辺野古基金への寄付、給料天引き 「オール沖縄」中核企業が労基法違反の疑い 2017.9.27 07:00

翁長雄志知事を支える「オール沖縄」勢力の中核企業、金秀(かねひで)グループ(那覇市、呉屋守将(ごやもりまさ)会長)が7月から、移設阻止を目的とした「辺野古基金」への寄付金を、従業員から給料天引きで集めていることが分かった

 …数十年前の労組じゃねえんだから…という感。
 これは寧ろ、『基地反対派の皆さんがウチの製品・サービスを支持してくれたおかげで、売り上げが**%上がりました! ついては従業員に**円還元できます! 具体的にはボーナス0.2ヶ月アップ! これはライバル企業***より実支給額で***上回ります!』とかいう、景気のいい話にできないものか。

 …実際に動くカネについては、そりゃ与党側に勝てないのはそうだろう。だからこそ、しかし草の根運動市民運動というんだ、農業・物流で支援して、決して離反しない(できない)層を獲得するとか、なんだ、長征とか思い出すようななにかはないのか…。

辺野古基金は平成27年4月、普天間飛行場の辺野古移設阻止活動への支援や移設反対の世論喚起などを目指して設立された。同基金によると、9月13日現在の寄付金総額は6億3459万8256円で、支出した広報費を含む支援額は4億6893万6056円

 …広報も、都市部のセレブ・イシキタカイ系に訴求するもの、単にそこらにパンフを配るだけとかに陥ってはいなかったか。県庁所在地や県外の都会のひとたちの満足のためのものになってはいなかったか。「辺野古 買って応援」で検索すると、TシャツやLINEスタンプなんかが出てくるが、それらの売り上げは現地人の財布にはいっていたのか。どれほど入っていたのか。



 東北、特に福島のひとに聞いてみたらいいんじゃないかな。「ままどおる」の売り上げはどうですかとか、「大七」はどうですかとか、復興支援のひとたちはあなた達から寄付金をとりましたか、とか。むしろ販路を用意してくれたりしませんでしたか、とか。

 しかし意外にというか、「大七」の評判、むっちゃいいな。いや実際、飲んだら呑んだでうまい酒だが、私にとっては年長者がど定番で呑みに呑んでいたので、田舎の代名詞的存在なのだ…なのに高級品を出していたりして、ちょっとカルチャーショックっぽいショック。都会のセレブがおハイソに呑むようなもんじゃねえんだよ、こっちの野人が晩酌に一升瓶でかっくらう酒なんだよっとかちょっと言いたい(※お高級を自認するよーなお方々にあまりいいイメージを持っていないひとの発言)。

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