定年楽農

第二の人生を農で楽しもう

小説定年楽農40

2018-12-03 07:32:18 | 小説定年楽農
 

 九条ネギ
 4月の始め、一郎は、昭子にせがまれて、京都の桜を見に行くことになりました。
 一郎「せっかくだから、1泊して九条ネギの産地にも行ってみたい」
 昭子「いいよ」
 一郎は、googleマップの航空写真を見て、京都市南区でネギ畑とみられる圃場をチェックした。
 近鉄京都線の上鳥羽口の西側の住宅地の中に畑がばらばらある。徒歩で行ける距離だ。
 早速、上鳥羽駅からチェックした地図を頼りに、歩いていくと、ネギを植え付けている60歳ぐらいの農家に出会った。
 一郎「こんにちは、それは九条ネギですか」
 農家「そうだよ」
 一郎「愛知県で農業をやっているんですが、九条ネギに興味をもっていて、ちょっと話をお伺いしたいと思っているんですけど、いいですか」
 農家「九条ネギといっても、一般に大きい種苗会社から販売している九条ネギとは違うから。ここの九条ネギは、組合を作っていて、特定の種苗会社から仕入れているものだから」
 一郎「その種は、だれでも売ってくれるんですか」
 農家「多分、売ってくれると思うよ。京都の伏見種苗店ていうんだ」
 一郎「出荷はどうしているんですか」
 農家「全て仲介業者を通じて出荷しており、京都では、高島屋百貨店しか売っていなく、後は東京方面にしか出していない」
 農家「でも、昔の九条ネギは、葉の緑が薄く、このネギとは違っていた」
 一郎「その苗は手に入らんでしょうねえ」
 農家「自家用に作っている人はいるとは思うが、ちょっと思い当たらんねえ」
 一郎は、種苗会社の名前は聞いたが、考えてみれば、高島屋百貨店で売られているネギに少しでも根がついていれば、栄養繁殖で十分と思った。
 帰りに早速高島屋百貨店に寄り、一束198円の九条ネギを購入して帰ってきました。

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