九条ネギ
4月の始め、一郎は、昭子にせがまれて、京都の桜を見に行くことになりました。
一郎「せっかくだから、1泊して九条ネギの産地にも行ってみたい」
昭子「いいよ」
一郎は、googleマップの航空写真を見て、京都市南区でネギ畑とみられる圃場をチェックした。
近鉄京都線の上鳥羽口の西側の住宅地の中に畑がばらばらある。徒歩で行ける距離だ。
早速、上鳥羽駅からチェックした地図を頼りに、歩いていくと、ネギを植え付けている60歳ぐらいの農家に出会った。
一郎「こんにちは、それは九条ネギですか」
農家「そうだよ」
一郎「愛知県で農業をやっているんですが、九条ネギに興味をもっていて、ちょっと話をお伺いしたいと思っているんですけど、いいですか」
農家「九条ネギといっても、一般に大きい種苗会社から販売している九条ネギとは違うから。ここの九条ネギは、組合を作っていて、特定の種苗会社から仕入れているものだから」
一郎「その種は、だれでも売ってくれるんですか」
農家「多分、売ってくれると思うよ。京都の伏見種苗店ていうんだ」
一郎「出荷はどうしているんですか」
農家「全て仲介業者を通じて出荷しており、京都では、高島屋百貨店しか売っていなく、後は東京方面にしか出していない」
農家「でも、昔の九条ネギは、葉の緑が薄く、このネギとは違っていた」
一郎「その苗は手に入らんでしょうねえ」
農家「自家用に作っている人はいるとは思うが、ちょっと思い当たらんねえ」
一郎は、種苗会社の名前は聞いたが、考えてみれば、高島屋百貨店で売られているネギに少しでも根がついていれば、栄養繁殖で十分と思った。
帰りに早速高島屋百貨店に寄り、一束198円の九条ネギを購入して帰ってきました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます