京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

冬から春 京のいろごよみ染織家志村ふくみの日々

2014-07-02 05:52:28 | 美術・博物館

今年の正月、つまらない番組が多いなか、数少ない上質な番組が放映されました。
それは、『京の"いろ"ごよみ 染織家志村ふくみの日々』です。
染織は門外漢の私ですが、66歳で人間国宝となった、志村さんの染織の芸術性に感銘し、私のブログでも番組内容を紹介しました。
志村さんが織りなした染織は、一幅の絵画を見ているようです。

その続編が、今回日曜美術館の特別編として放送されました。
私は、今回もすばらしい染織の作品に感銘しました。
紹介します。





初夏から晩秋までを追った前作に続き、今回 は冬から春の志村さんの染織の日々と作品を紹介しています。

京都・嵯峨野で半世紀、植物からとれる染料で糸を染め、鮮やかな着物に織り上げてきた人間 国宝の染織家・志村ふくみさん。




冬の京都・嵯峨野
広沢の池でしょうね。




その着物は色が奏でる叙情詩と評され、素朴な織物だった紬織を芸術の域にまで高めたという評価があります。
作品を見ていると、私のような素人でも、すんなり頷けます。


一見、色が失われる冬、しかし、そこに芽吹きを待つ植物の命の色が 宿っています。
春にむけて花を咲かせようと、桜や梅が体中にた くわえている色を、花の咲く前に炊き出します。

桜の木を炊き出し、色を抽出しています。




しかし同じ植物でも採れた年や場所、自分の心の状態で一度として同じ色は出ないそうです。だからこそ懸命に、植物の声に耳をすませます。
90歳を目前にしてなお、みずみずしい 感性で自由にイメージを膨らませます。

作品「雪の湖」
雪におおわれた湖は、心に深く刻まれている情景だと。




作品「雪の戸」




しんとした雪の世界に人間が暮らしている。
静かに流れる冬の時間。





梅のの樹液から染まるもも色





作品「豊後梅染無地」
梅で染めた色のみで織り上げたものです。





3月15日、嵯峨釈迦堂(清涼寺)の御松明
毎年、松の枝と藤のツルで作った松明を3本燃やし、農作物の豊凶を占った行事です。
これが終わると、京都も春が来ると実感できます。





4月、嵯峨野も桜で満たされます。





作品「初音」
初めてうぐいすが鳴くころの情景をイメージしたものだそうです。
満開の桜模様も想像します。








作品「若柳」
若々しい柳の姿が斬新なデザインに生まれ変わっています。





作品「紅襲」(桜かさね)





平安貴族の装束「襲の色目」を現代風にアレンジ。
紅で桜のほのかな色を表現したそうです。





5月新緑の嵯峨野、新しく入った弟子と草を取りにでかけました。





採取したカラスノエンドウという植物から色を抽出します。





作品「柳の國」





カラスノエンドウで染めたうすみどりが、青紅葉に映えています。






志村さんは、自然とともに歩みたどりつい た境地から、 「植物の色を復活させたい」と語ります。


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7 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-07-02 06:44:32
<その着物は色が奏でる叙情詩と評され、素朴な織物だった紬織を芸術の域にまで高めたという評価があります。>

素晴らしい世界!
知りませんでした。染物の世界を知りません。自然の植物からこれだけの色が生まれるのですね~~
すべて上品です。絵具では出ませんね
淡いパステル調・和の心を表現している。
まさに上に書かれている通りだと納得しますね!
どの世界も極める美しさは一緒だなと思います
定年生活さまはいろんなジャンルの美に詳しいですね
画材店を経営している私は知らないことばかり?
良い勉強をさせていただきました
<植物の色>本当に良い色!京都の雰囲気にぴったり…
中国に旅しましたとき繭を取り出す工場は見学しましたが
色染めなんて見学はしたことがありません
な~~んて素敵な世界
忘れ物? (tango)
2014-07-02 06:46:21
ごめんなさい
色にとらわれて名前を入れるのを
忘れていました・おっちょこちょい
Unknown (京都で定年後生活)
2014-07-02 16:06:57
tangoさま、こんにちは。
私も染織は全くの無知ですが、身近な自然の植物から色を抽出し、それを織り成す作品は見事という他ないです。色彩も身近に感じるのは、自然の色だからだと思います。
番組では、何度か北嵯峨の広沢池の景色が映りだされていますが、北嵯峨は私も好きな場所です。
広沢の池から、直指庵、大覚寺に至るコースは、散策にピッタリです。
感動です・・ (みく)
2014-07-06 04:21:39
>つまらない番組の多い中で、数少ない上質な番組・・
まさにおっしゃる通り・・素晴らしいものを拝見させて頂きました。
京都の四季を想像しながら、静寂の中染色の世界を一緒に歩いている・・そんな気がします。
66歳で人間国宝・・素晴らしいですね、しっかりとされた上品なお顔には、
長年のはかり知れない美、染色への追及・試行錯誤の色の世界・・織物の世界
なんだかお顔にそれらが織り込まれたような気が致します、お美しいですね。

作品の一つ一つ、京都の景色が背景色となり・・何とも言えぬ色合いは、
心象風景と言いましょうか、もう感動感動ですね・・じっと作品のそれらを目で見たい気が致します。
作品だけでなく、景色を添えて下さっている事柄にも
京都で定年後生活さんの、これを撮り残された美への豊富なお心が感じられ
いいものを見せていただきました。

住み込みで3年暮らしたお家は、先生は昼間は日赤、夜は自宅で開業でしたが、
川島織物で勤める方、染工所の方、織物に絵を描いておられる方、
お向かいは帯締めを作っておられ、まさに私は京の色糸の中で暮らしていたのですね。
今ならもっとその方たちと、交流できたかも知れません。

そう言えば患者さんの染工所へ勤める方が、奥様へみくちゃんをお嫁さんに欲しいと言われたと。
「みくちゃんには、中学時代から付き合ってる彼氏がいるえ」と断ったと聞いたことが・・
そんなこと思い出してしまいました。

とてもいい作品を見せていただき感謝いっぱいです。
Unknown (京都で定年後生活)
2014-07-06 14:49:49
みくさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
みくさんが、若いときに住み込みで働いていたときは、まだまだ西陣も活気溢れていたように思います。
特に千本商店街や北野商店街は活気がありました。
織れば織るほどお金になりましたから、寸暇を惜しみ、ご飯をつくる暇もない状況でした。ですから、そういう商店街は惣菜店も多かったようです。
今では考えられませんが、夜の8時、9時まで織機の音も聞こえていました。
千本通り、西大路通り、今出川通りに市電が走っていた頃が懐かしいですね。学生時代、市電は運賃が安かったので、よく利用しました。



再度・・ (みく)
2014-07-13 07:01:20
コメントが大変遅くなりましたが・・

6日、主人や子供や孫たちと出かけて帰宅したのが8時10分でした。
TVをつけたら(あれ? 見たことある着物・・染織やわ)
主人は日曜将棋を必ず見ているので、チャンネルはそのままでした。

お顔が出て(あ!!志村ふくみさんやわ!!)驚きと出合えた感動で、
京都で定年後生活さんから知った記事をさも自分の知識のようにしゃべりはじめた私。
夫は「あんたこのおばあさんの知り合いか?」と言われました。
釘づけになりました。 官兵衛の録画時間ですので、三階へあがって録画しました。
が、変えようとする夫を制止して見てしまいました。

京都で定年後生活さんも、また録画されておられるのですよね。
それにしてもなんと幸運なことでしょう、素晴らしいものを見せていただきました。
もちろんTVを撮って下さった写真からも伺えますが、動きのある映像の数々・・
もうどきどきわくわく・・予習して行ったことが、まるで全部テストに出ていた!そんな快感でした。

写真以上に、上品でいて凛としたお顔、染めを手掛けられる姿・・とても年齢には思えませんね。
されてこられた歴史努力ご苦労の行程のすべてが、お顔に表れていて、正座して見る思い
いえ、膝が悪いので星座は出来ませんが。

京都の抒情的な自然の風景はまさに心象・・素晴らしいです。
自然な植物から採りれ染め上げる色、織りなす季節が織り込まれ、縫い上げられた着物。
一枚に込められた思い・・奥深いものがあり本当に感激でした。
もっといい表現をしたいのですが、言葉足らずで・・はがゆいですが、
気持ち伝わりますでしょうか、感動の気持ちが。

先見の明がおありですね~。
ご存じだったのでしょうか・・10分感は見逃しましたが本当に有難かったです、こんなことって。
あのお歳にして現役であれだけのことを・・
まだまだ私も何かできる、頑張らなきゃ・・そんな気持ちにさせられました。
ブログにご紹介いただけたこと、感謝いたします。
嵯峨野の風景が目に焼き付いています。
Unknown (京都で定年後生活)
2014-07-13 14:09:01
みくさん、こんにちは。
志村さんの作品はほんとうに素晴らしいですね。
私は染織はほとんど無知ですが、作品を絵画だと思うようにしています。
年齢も89歳とは思えないですね。
いまだに現役で、しかも若い人を育成している。
なかなかできないことだと思います。
志村さんの住んでいる嵯峨野の景色にとてもマッチした作品が多いですよね。

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