京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

『紀州へ 長沢芦雪』日曜美術館

2014-06-16 07:06:22 | 美術・博物館

今回の日曜美術館は『紀州へ 長沢芦雪』です。

番組司会者の一人、井浦新さんが奇想の絵師、長沢芦雪の出会いを求め、紀州・和歌山に足を運び、芦雪の作品を紹介するというものです。

長沢芦雪は、写実の巨匠円山応挙の弟子として、京都で活躍した絵師です。
33歳のとき、応挙の代理で紀州の寺に絵を描きに行 くことになります。
そこで芦雪は、紀州ならではの雄大な自然に触れます。

師匠応挙のもとを離れ、 紀州の空気を体感する中で、芦雪はみずからの画風を開花させます。

本州最南端の町、串本町にある無量寺には、そんな芦雪の画風を伝える傑作が残されています。
12面のふすまに描かれた躍動感あふれる「虎」と「龍」です。
自由奔放な筆遣いに圧倒されます。

「龍図」








「虎図」












昨年から今年にかけて、京都の承天閣美術館で前期・後期で、円山応挙展が開催されました。
円山応挙は、多くの人が知る江戸時代中期の有名な絵師で、その写実の見事さは圧巻です。

でも、私は応挙の上手すぎる絵より、応挙展で展示された応挙の弟子、原在中や長澤芦雪
の絵に惹かれていました。
特に芦雪の『白像唐子図屏風』(金閣寺蔵)の大胆な構図に目が奪われました。





芦雪は師匠ゆずりの写実の画量を身につけます。

芦雪「牡丹孔雀図屏風」





応挙の「牡丹孔雀図」





紀州・和歌山で、写実を越えた自由奔放なる芦雪の絵が開花します。
番組で紹介された、紀州・和歌山の寺院に残る絵です。

「関羽図」徳泉寺






「そてつ」円光寺




「梅月図」持宝寺





「群猿図屏風」草堂寺(富田)