京都で定年後生活

2013年3月60歳で定年退職。

美術館と庭園めぐり、京都の四季の行事と花を綴ります。

京都の洋館(第六回)

2015-08-19 06:47:01 | 京都の洋館


暑い暑いと閉口してましたが、やはりお盆が過ぎると朝晩涼しくなってきました。
昨晩もエアコンなしで就寝できたのはうれしいです。
しかしまだまだ厳しい残暑が続くと思いますので、皆様も御自愛くださいますようお願いいたします。
本日も京都の洋館シリーズをお届けします。

弥栄(やさか)会館(1936、昭和11年)
設計は木村得三郎、登録文化財に指定されています。
ご存知、祇園花見小路のど真中にあり、この中に「ギオンコーナー」があり、
京舞などの伝統芸能のさわりを見ることができます。


祇園四条通り花見小路を南に歩きます。


















祇園甲部歌舞練場(1913、大正2年)
弥栄会館に隣接しています。
都をどりの会場として1873(明治6年)に誕生した歌舞練場です。
現在の建物は、現在地に移転される際に新築されたものです。
唐破風の玄関棟の奥に、舞台を備えた本館が控えています。





菊水レストラン(1926,大正15年)
四条大橋東詰祇園、南座の前にあります。
京都の洋食の老舗の一つです。
鉄筋コンクリート5階、外観はアール・デコ、スパニッシュなど当時流行の建築様式を取り入れています。
















息抜きに鴨川の景色です。





洋食で思い出しました。
ここも京都の洋食の老舗です。
建築年代は古くはないのですが、紹介します。

東洋亭北山本店(1966,昭和41年)








丸太町東洋亭(1924,大正13年)
河原町丸太町にありますが、現在は洋菓子製造に特化しています。
私は北山、丸太町店とも以前はちょくちょく利用していました。





今度は京都の中心、四条烏丸の建築物です。
三菱東京UFJ銀行京都中央支店(旧三菱銀行京都支店 1925,大正14年建築)
当時の設計は桜井小太郎で、重厚な銀行建築でした。
建て替え後は四条烏丸南東角の入口部分とその上部のみ、当時の面影を残しています。




















京都三井ビル 旧三井銀行京都支店(1914,大正3年)
三菱東京UFJ銀行京都中央支店とよく似ています。
設計は長谷部竹腰建築事務所です。
建物は1982年に取り壊され、その後新築、現在は三井住友銀行京都支店と、
展示ホールなどのテナントビルになっています。















みずほ銀行のときも書きましたが、最近の銀行の建物はつまらない、
平凡なものになってしまったようです。

大丸京都店(1928,昭和3年)
最近改築され、ヴォーリズ建築の面影をわずかに残すだけになりました。










1階入口部分
私の好きな箇所です。ヴォーリズらしい意匠です。





























京都の洋館(第五回)

2015-08-18 05:15:11 | 京都の洋館

京都の洋館、1,2回で終えるつもりだったのですが、5回目になりました。

藤井斉成会有鄰館第一館(1926,大正15)
武田五一の設計で、現在京都市の登録文化財です。
中国美術を展示するために建てられたことから、東洋的な雰囲気が漂います。





日本聖公会復活教会(1929,昭和4年)
ヴォーリズの設計です。
京都市北区北大路堀川角にあります。














次も教会です。
ルーテル賀茂川教会(1954,昭和29年)
ヴォーリズ建築設計事務所によるものです。





















京都中央信用金庫丸太町支店(1927,昭和2年)
丸太町河原町西入ルの現役の信用金庫です。





京都市考古資料館(1915,大正4年)
旧西陣織物館で、設計は本野精吾です。















敷地内には応仁の乱で西側の陣地となった場所を示す石碑が立っています。





カトリック西陣教会(1907年、明治40年)
上京区新町通り一条上ルにあります。















旧西陣電話局(1922,大正11年)
上京区堀川通り中立売東入ルにあります。





















上七軒歌舞練場(1897,明治30年頃)
北野天満宮の東門、上七軒花街通りの周辺は日本最古のお茶屋、花街です。
この建物は舞妓さんらの舞踊の練習の場であり、発表の場です。
明治中頃に建築され、そのあと増改築が繰り返され、昭和26年に現在の形になりました。
2009年、京都市の歴史的風致形成建物に指定され、大改修されています。
上七軒ビアガーデンが人気で、舞妓さんがビールをついでにくれるそうです。















この間、京都の洋館めぐりをしていますが、なぜかどんどんはまっていきます。
それほどに魅力があるとは、当初は思いもしませんでした。
しばらく、洋館100棟を目標に洋館散策を続けるつもりです。




京都の洋館(第四回)

2015-08-16 05:25:03 | 京都の洋館

昨日は終戦記念日、そして今日は精霊送りと五山の送り火です。
私も精霊迎えした両親の精霊を送り返します。

相変わらず日課の散策は続けております。
日中はまだまだ猛暑続きですが、朝は少しずつ涼しくなってきました。
移り変わっていく季節を感じながらの散策も楽しいものです。

今日は京都の洋館めぐりの第4回をお届けします。


京都市役所本館(1927,昭和2年)
設計は武田五一、中野進一、鉄筋コンクリート造りです。
今も現役の市役所本館です。河原町御池西北角。










旧京都中央電話局上京分局(1924,大正13年)
丸太町橋西詰め南側にあります。
設計は当時の逓信省技師の吉田哲郎、鉄筋コンクリート造りの登録文化財です。
現在はフィットネスクラブやスーパーが入っています。










京都御幸町教会(1913,大正2年)
設計はヴォーリズ。イギリス積みレンガ建築の教会です。
京都御苑の南、御幸町通り二条下ル

























教会の南隣は和風旅館柊屋別館です、





旧山口銀行京都支店(1916,大正5年)
その後北國銀行として使われ、現在は商業ビルになっています。










京都市美術館(1934,昭和9年)
鉄筋タイル造り、現在「ルーブル展」と「マグリット展」が開催されています。
まだ開館前です。





洋館ですが建物の上には和風の銅葺き屋根、日本伝統の千鳥破風です。






美術館裏側です。





京都府立図書館(1909,明治42年)
設計は武田五一、レンガ石貼りです。
現役の図書館で、京都市美術館の真向かいです。






京都洛陽教会(1912,明治45年)
W・M・ヴォーリズ設計です。










旧京都府立医科大学図書館(1929,昭和4年)
1階出入口は尖塔アーチのスクラッチタイル貼りの建物です。
河原町通り広小路、現在は学生生協が入っているようです。





ニッシャ印刷文化新興財団、本館・印刷歴史館(1906、明治39年)

登録有形文化財です。











京都の洋館(第三回)

2015-08-14 05:24:22 | 京都の洋館

昨日からお盆に入りました。
テレビは風物詩のように、新幹線と高速道路の混雑ぶりを放送しています。
京都もお盆休みに入った企業も多いのか、いつも混む道路はスイスイ流れ、
一方観光地に向かう道路は大混雑です。
昨日昼過ぎ、二男夫婦と孫を京都駅に送っていきました。
やっといつもの夫婦二人の生活にもどり、ホッとしています。

今日は京都の洋館めぐりの続きをお届けします。

革島医院(1936,昭和11年)
中京区麩屋町通り六角下ルの個人医院です。
蔦や木々に覆われ建物の外観が分かりにくいですが、トンガリ屋根の建物です。





















新風館
旧京都烏丸電話局(1931,昭和6年)

設計は吉田哲郎 中京区烏丸通姉小路下ル場之町
現在は烏丸御池の複合商業施設です。





大丸ヴィラ
旧下村邸(1932,昭和7年)京都市登録有形文化財

当時の大丸社長下村氏の邸宅で、W・M・ヴォーリズ設計の鉄筋コンクリート造りです。





聖アグネス教会(1904,明治37年)
立教大学校長として来日した宣教師建築家ガーデイナーの設計によるレンガ造り。










別の日、晴れた朝撮影した画像





京都府庁舎旧館(1904,明治37年)





私は京都府庁旧館中庭の祇園枝垂れが大好きで、毎年訪れます。
レトロな雰囲気に祇園枝垂れが非常にマッチしています。
今年の春に撮影したものです。










東華菜館(1926,大正15年)
先日も紹介した建築のスパニッシュ様式の建物です。
旧矢尾政レストランでしたが、現在は中華料理店になっています。
京都の古い洋館のひとつで、ヴォーリズ建築です。ちなみにヴォーリズの生涯で唯一のレストラン建築だそうです。














先斗町歌舞練場(1927、昭和2年)
設計は木村徳三郎、RC造りです。
先斗町と鴨川の間にある劇場で、舞妓さんの踊りが見られます。











鴨川東から見た歌舞練場です。





京都南座(1929,昭和4年)
京都の歌舞伎劇場で、設計は白波瀬直次郎。
外観は唐破風と千鳥破風を組み合わせた、桃山風の意匠が特徴です。





旧村井銀行祇園支店(1924,大正13年)
四条花見小路西にある建物で、登録文化財です。
現在はイタリアンレストランが営業されているようです。








京都の洋館(第二回)

2015-08-12 05:21:06 | 京都の洋館

京都の洋館めぐりの続きです。
先日京都の洋館を投稿し、私自身あらためて京都の洋館の魅力にはまりました。
この機会にもう少し訪ね歩いてみようと思い、散策の足をのばしました。

龍谷大学大宮本校(1879年 明治12年)重要文化財
設計は不詳です。
木骨石貼寄棟造りです。
数ある京都の洋館のなかでも、私が一番好きな一つです。
格調があり、仏像を見ているような錯覚にとらわれます。









旧南学寮 (重要文化財)





旧守衛所(重要文化財)






本願寺伝道院(1895 明治28年)重要文化財


























なか卯七条新町店(大正14年)
旧富士ラビット、自動車販売会社の社屋として建築されたものです。
2002年、80年の歴史に幕を閉じ、現在ではなか卯の店舗となっています。





ステンドグラスは創建当時のものです。










京都国立博物館(明治28年)
皇室の宝物品を公開する帝国博物館として、宮内省の片山東熊が設計、レンガ造りです。
ここはよく訪れる場所ですが、今回は朝早い撮影のために閉門中です。










京都女子大学錦華殿(明治31年)
西本願寺第22代門主の新居として建築されたフランス様式の洋館です。
大正9年、京都女子学園に移築されたものです。
何度か中を見学したことがありますが、丁寧に保存されています。










長楽館(明治42年)
タバコ専売で財をなした大富豪、村井吉兵衛の別邸です。
現在は宿泊施設、レストランやカフェになっています。















島津創業記念資料館
京都の老舗企業、旧島津本店(明治21)です。
国の登録有形文化財に指定されています。










この島津創業資料館のすぐ近くに高瀬川一之船入があります。





島津河原町別館(1927,)
これも島津の旧本社社屋です。









夜の写真です。京の七夕鴨川会場の帰りに撮りました。









京都の洋館

2015-08-08 05:22:25 | 京都の洋館


今回はいつもと趣向が違います。
京都は寺社仏閣が多く、和のイメージが強いですが、明治、大正、昭和に建てられた、
レトロな洋館も多く残されています。
私は比較的自然が多く残る東山や嵯峨野を散策することが多いのですが、
ときどき市内中心部に残る洋館を見ると、妙にホッとするのです。
うまく京都の街並みに合い、溶け込んでいるのです。
京の町の散策で出会う洋館をいくつか紹介しましょう。


京都ハリトリス正教会(1901 明治35年)
京都御苑の南にあります。
木造平屋建のロシア・ビザンチン様式の現役の教会、設計は京都府庁舎旧館と同じ、
松室重光の設計です。
東京御茶ノ水のハリトリス教会も美しい建築物です。東京出張時なんどか訪れました。






























三条通りは古い洋館が多く残されています。
明治維新以降の京都の経済の中心地は三条通りだったのです。

1928ビル(昭和3年)
設計は武田五一 中京区三条通り御幸町
旧大阪毎日新聞社 京都支局です。










京都ダマンシーカンパニー
旧家邊徳時計店(1890 明治23年)
木骨レンガ造り2階建ての洋風商業建築で、京都に現存する民間洋風商業建築では最古の部類に属 します。
設計は不詳です。











SACRAビル(大正5年)
旧不動貯金銀行 京都支店、鉄筋コンクリート造りです。
設計は日本建築 中京区三条富小路角中之町





日本生命保険京都三条ビル(1914年 大正3年)
旧日本生命京都支店、レンガ石貼り





京都文化博物館別館(1906,明治39年)
旧日本銀行京都支店、赤レンガに白い石の辰野式です。
中に入ると当時の銀行の内部がそのまま残っています。
設計は辰野金吾、長野宇平治 中京区三条高倉










中京郵便局(1902,明治35年)
中京郵便局旧庁舎、レンガ造りの現役の郵便局です。
設計は吉井茂則、三橋四郎 中京区三条通り東洞院東入ル









みずほ銀行京都中央支店(1906,明治39年)
設計は辰野金吾 中京区烏丸三条南入ル饅頭屋町
レプリカ新築(2003平成15年)
明治時代を代表する「辰野式(赤レンガに白い石の横帯が特徴)」のレンガ造り
しかし、平成に入り取り壊され、外観の雰囲気を残して鉄筋コンクリートで再建されました。しかし、元のレンガは使用されず、緑青銅の屋根は緑のペンキ塗りと残念なものです。
最近の銀行は文化に理解が少ないようです。
銀行にかぎらず、今もてはやされている企業は特にひどいですね。







他にもたくさんあります。
機会があればまたお届けします。