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「多く休みより親しく」ベトナム人の休み方――外国人の視点から

2012-07-16 22:45:44 | 多文化共生
(以下、HOTNAM!Newsから転載)
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「多く休みより親しく」ベトナム人の休み方――外国人の視点から
 労働法に基づく休暇や、国の記念日に伴う休日を含めれば、ベトナム人は1年でアメリカ人より多くの休日がある。

 テト(旧正月)にベトナム人は公式規定よりも長く休みをとる傾向があり、国家機関などが2週間近くもテト気分であることに、とても驚いたこともある。多く休むことの利点としては、みなが家族団らんの時間を取れ、個人の関係を強められることがある。

 アメリカで私たちは、新年には1日半しか休めず、クリスマスだって国家機関は1日半しか、扉を閉めることが許されない。だから私たちには、家族と遊びに行く十分な時間がない。むろんアメリカ人には、独立記念日の休日と、過去の大統領を称えるための2日の休日があり、これらの祝日は週末に合わせられ、より長く休めるようになっている。しかし合計で見れば、ベトナム人のほうが休日は多い。理由はおそらく、ベトナムには雄壮な過去、何千年という歴史があり、それだけに戦勝を記念したり、祖先に思いを馳せたりするための祝日が多いのだろう。こういった祝日は、同じ歴史を持つ人々を結び付け、伝統的文化をより厚くする助けになる。

 ベトナム人には、アメリカ人よりも幸せだと思うことがもうひとつある。

 それは、会社が無料で慰安旅行を行うことだ。会社でバスやホテルを手配し旅行に行く。アメリカにこのような習慣はない。米国で人々は、こういった旅行に家族と行くのであって、同僚とではない。彼らは仕事上の関係をより強めることよりも、より個人的である。ベトナムのこういった慰安旅行や、家族と過ごす休みが、会社への愛着や、家族関係をより強めることに、大きな意義があるものだと感じる。

 ベトナム人の有給休暇の使い方も、家族の価値に対する関心を示したものである。

 結婚式だ、葬式だ、法事だ、誕生日だ、と家族の用事で有給を申請する人を多く目にしてきた。西洋文化において、家族の用事で有給を申請することは少なく、また法事というものもしない。葬式だって1日、またはそれより短い時間で終わることもある。

 ベトナムの家族というものは、複数の世代が一緒に住む大家族であり、親戚関係も非常に広い。それだけに、出席しなければならないイベントも多くなる。そしてこういったイベントは通常、数日かかる。ベトナムで葬式や結婚式が1~2日かかることは当たり前。米国では、家族の用事や個人的な理由では、1年間に5日しか休むことができない。アメリカ人は、ベトナム人のように、家族に多くの時間を割くことはしない。

 この比較をするにあたって、一抹の寂しさを覚えたことも、また事実である。



(Renate Haeuslerさん)

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