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障害者が運営の主役 白浜温泉にホテル誕生

2012-03-28 10:13:15 | ダイバーシティ
(以下、紀伊民報から転載)
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障害者が運営の主役 白浜温泉にホテル誕生

 総支配人を除いた従業員全員が障害者というホテルがこのほど、白浜温泉(和歌山県白浜町)に誕生した。経営するグループ代表の妻で女将を務める井上英代さん(76)は「接客業の中でもまれなケースだと思う。力を合わせてやればできるということを見ていただき、前へ進んでいきたい」と話す。障害者の自立の場としての期待が寄せられている。


 この施設は白浜町山上通りにあるホテル「フリーゲート白浜」。アパレルと雑貨などの企画・製造・卸・販売の「パル」(本社・大阪市)を中心としたPALグループが経営母体となっている。

 地方公営企業の寮をビジネスホテルとして運営していた事業者から施設を買収し、昨年6月からビジネスホテルとして運営していた。同11月に井上さんが女将として経営に参画したのを機に、障害者が運営する1泊2食付きのホテルとして営業準備を進め、この3月1日にリニューアルオープンした。客室は22室。最大88人が宿泊できる。

 総支配人のほか、従業員は25人。県内の知的・精神・身体の三つの障害者施設と相談し、採用している。勤務形態は1日6時間以上の勤務で週休2日制としている。

 井上さんの要請を受け、総支配人を務めている井口純二さん(62)は「従業員個々に障害の程度が異なる。相互に理解し合い、協力し合って取り組む体制づくりに時間がかかった。成功すれば障害者の雇用機会の拡大につながる事業でやりがいを感じている」と期待を寄せている。

 ロビーやベランダをたくさんの花で飾ったり、ひな人形を飾ったりするなど宿泊客に楽しんでもらおうと従業員が積極的に企画を出し、実践しているという。

 井上さんは「みんなで工夫し、汗をかきながらやっていきたい。従業員を家族の一員と思って接し、宿泊客も含め家族的な雰囲気の中で運営していければ」と抱負を語る。

 井上さんは和歌山市出身。父親が警察官だったため県内各地で住んだ経験があるという。小学生のころは田辺市内にも住んでいたといい、「何らかの形で地域に貢献できれば」と願っている。

 施設の清掃や館内設備の管理を任されている合川貢さん(48)=田辺市=は「それぞれにハンディキャップがあるので、助け合って一つの仕事をやり遂げたいという気持ちでいる」と張り切っている。



【障害者が運営を支えているホテル「フリーゲート」(和歌山県白浜町山上通りで)(上)、井口純二総支配人(右端)とスタッフ 】

(2012年03月27日更新)

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