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セクシュアルマイノリティー:多様性社会での“フツー”とは?

2012-11-28 09:36:24 | ダイバーシティ
(以下、毎日新聞から転載)
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セクシュアルマイノリティー:多様性社会での“フツー”とは? 和泉・伯太高で向き合う授業 /大阪

毎日新聞 2012年11月27日 地方版
 ◇30人に1人は性に違和感

 “フツー(普通)”に疑問を投げかける授業が、和泉市伯太町2の府立伯太高校で開かれた。心と身体の性別が異なるなどのセクシュアルマイノリティー(性的少数派)に関する授業で、多様性のある社会の一員として他者とどうかかわるか考えてもらう狙い。若手教諭の試みに、生徒からは「そんな友人がいてもいい」「恋人にそうだと言われたらどうしよう」などの意見が出た。【平川哲也】

 スクリーンの写真が切り替わると、教室の空気が一変した。画面の米国人はうっすらとひげが伸びるが、その腹は不釣り合いなほどに膨らんでいる。「妊娠してるやん」。女子生徒のつぶやきに、南善治教諭(28)が応えた。「体と心の性が一致せずに男性となった人ですが、病気の奥さんに代わって、人工授精で妊娠した方です」

 キャリア教育や人権を柱とした「グローバルスタディーズ(総合学習)」で、同校は一昨年からセクシュアルマイノリティーに取り組む。30人に1人は自分の性に何らかの違和感があるとされ、性別への価値観を再構築することで“フツー”とされてきた人物評や民族観を見つめ直してもらう狙い。若手教諭らが授業計画を練った。

 16日にあった2年6組の授業は、他校の教諭らにも公開。一つの回答には誘導せず「もやもやと考えてもらう」手法で、生徒たち36人の意見に耳を傾けた。

 授業では、画像で示したセクシュアルマイノリティーの当事者を含む芸能人らの第一印象を記述することから始まった。女子生徒が「妊娠」を指摘した米国人は、最初に横顔だけを披露した。生徒からは「男やなあ」「優しそう」との意見が出た。その後、上半身裸の写真を見せると、教室は静まり返った。南教諭が尋ねる。「男女の違いって何やろ?」

 もやもやとする問いかけが続く。「あなたには好きな人がいますか?」「その人があなたの思う性とは違う性でも好きですか?」。頭をかいて記述用紙に向かう生徒の姿。「分からん!」との声も出て、南教諭は右に向かって徐々に色が濃くなる一枚の絵を見せた。

 「このグラデーションのように、性別ってはっきり分けられないんじゃないかなあ?」

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