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外国籍生徒、今春の高校進学率82% 就職厳しく帰国も増加

2009-07-01 09:41:17 | 多文化共生
(以下、中日新聞【三重】から転載)
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外国籍生徒、今春の高校進学率82% 就職厳しく帰国も増加

2009年6月29日

神戸高校定時制で学びながら板金会社で働く日系ペルー人の中村ルイス君(右)。通訳も務めるなど母国語と日本語の両方を生かし活躍している=鈴鹿市で
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 ことし春、県内の公立中学校を卒業した外国籍の生徒の高校進学率は82%で、前年より4ポイント上昇したことが本紙のまとめで分かった。親の仕事の都合で来日した外国籍の子は、日本語習得の遅れなどがハンディとなることが多いが、年々進学希望が高まっている様子が浮かんだ。一方で、不況を反映して就職は厳しく、親の失業など家庭の事情で帰国する生徒も急増した。

 昨年に続き、県内29市町の教育委員会が外国籍生徒の卒業後の進路を調べた結果を、本紙が聞き取り集計した。一部の市町は「日本語指導が必要な外国人生徒」を対象に調査。外国人学校へ通う子や、不就学の子は含まれていない。

 卒業した126人のうち、高校へ進学したのは103人。内訳は全日制63人、定時制38人、通信制1人、米国の高校1人だった。

 就職、未定などは15人。その大半は家事手伝いやアルバイトで、雇用情勢の悪化により正規の職に就けない様子がうかがわれる。「アルバイトで家計を助けたい」と進学を断念した生徒もいた。
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 帰国(予定を含む)や転出は8人。ただし津市や鈴鹿市は調査に帰国者を含めていない。「卒業前に帰国した生徒がいた」という市町もあり、実際にはもっと多くの生徒が帰国したとみられる。

 県教委によると、日本人、外国籍を合わせた県全体の今春の高校進学率(暫定値)は96%。進学者の9割以上は全日制に進学している。定時制の中には、学科試験を課さず作文や面接だけで受験できる枠を設ける学校もあり、外国籍の生徒が多く入学している。

 昨年は、卒業した125人のうち、高校へ進んだのが97人(全日制52人、定時制44人、通信制1人)で、進学率は78%だった。

 (木下大資)

 ■三重大人文学部の藤本久司准教授(多文化教育)の話…三重は全国的にも比較的早くから学校や民間で外国籍の子どもの教育に熱心に取り組んできており、その成果が進学率を上げているのは間違いない。日本で生まれ育った子も増え、高校進学への意欲は高まっている。今回の不況を経験したことで、安定した就職をするためにきちんと学力をつけて進学してほしいと望む親の意識がさらに強まるのではないか。

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