多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

世界中が祈りはじめた日

2011-06-15 09:51:46 | 多文化共生
(以下、日本海新聞から転載)
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世界中が祈りはじめた日(3) 「本にして残したい」
2011年06月14日
■半信半疑
避難所でリーダーを務める高橋信行さん(右)は、本を手渡すと笑顔で手を差し出した。高橋さんは子どもたちの心のケアを率先して行っている=石巻市の石巻高校


 3月13日、出版社から書籍化を促すメールが届いていた。他社からも何通か続いた。「ウェブは個人で制作して発信できるが、本は経済活動の上で成り立っている。本にすることは正しいことなのか」。批判も脳裏をよぎった。鶴田浩之は悩んだ。

 2週間が過ぎたころ、「類似本が出る」とのうわさが耳に入った。被災地から書籍化を望む声が上がっていたことも気になっていた。誘いは10社を超えていたが、一番にメールをくれた出版社に決める。編集者の熱意もあった。校了日が決まり急ピッチで作業が進められたが、鶴田はまだ半信半疑だった。
■活字の重み

 しかし、本が形になるにつれ気持ちが変わっていく。ゲラが上がり、帰りの電車で目を通した時のことだった。「涙が止まらなかった」。込み上げる思いを抑えきれない自分がいた。活字が染みた。パソコンの画面では経験したことのない感覚だった。

 「本として残したい」。吹っ切れた。出すからには妥協したくないと、編集会議では臆することなく自らの意見をぶつけた。タイトルや表紙には「震災」「津波」など負のエネルギーになり得る表現は避けた。常に被災者のことを思い、言葉を選んだ。校了日には出版社で16時間、印刷所で8時間作業していた。

 本には社会的メッセージを込めた。主要メディアからはあまり伝わってこなかった一人一人の感情が、サイトからは伝わっていた。「いま自分たちがしていることは、人が動く原点となる『感情』に働き掛けていくプロジェクト。少しずつでも、いずれ大きな力になる。日本を変えるくらいの気持ちでやろう」。使命感に変わっていた。

 「10年後、20年後も親から子に、先生から生徒に語り継がれる本であってほしい」。本には英訳も付けた。被災地にいる10万人の在日外国人のため、またメッセージをくれた約200カ国の人々に応えるという意味でもあった。

 『PRAY FOR JAPAN―3・11 世界が祈りはじめた日』。サイトの反響もあり、4月25日の発売から1カ月で6万5千部を超えた。
■余韻

 5月10日、初めて被災地に入った。本を手に宮城県石巻市や女川町の避難所、小学校、自衛隊などを訪れ、代表者らに思いを伝えた。東北4県の全高校を含めて計1100冊を寄贈。印税は全額、復興に役立てる。

 「本だからこそ伝わるぬくもりがある」。作業を通じて強く感じた鶴田は一つのフレーズを「余韻」として後書きより後ろに載せた。シンプルながら、秘めた力強さを感じさせる言葉。「この本を象徴するフレーズ」はサイトには載せていない。

 6月、鶴田は本の電子化の打ち合わせをしていた。4月には震災前から準備を進めていた会社を立ち上げていた。休む間もなく走り続けた3カ月だったが、鶴田に「休む」という概念はない。(文中・敬称略)

「耳が不自由でも語学はできる」日本を感動させた韓国女性

2011-06-15 09:51:25 | 多文化共生
(以下、中央日報から転載)
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「耳が不自由でも語学はできる」日本を感動させた韓国女性(2)
2011年06月14日11時54分

――母親は娘の聴覚障害を認めなかったというが。

「母は私が人と違うことを認めなかった。病院で聴覚障害者登録を薦められたがそれも拒否した。母の期待に合わせるのは不可能なことで大きなストレスだった。ヘレン・ケラーは“目が見えなければ事物で遠ざかるが、耳が聞こえなければ人が遠ざかる”と言った。情報が制限され人と遠ざかり、気がつけば周囲には誰もいなかった」

――そのような現実から脱出することになった契機は。

「母から独立しなければこんな生活が一生続くと思った。突然考えたのが英語を学ぼうということだった。母を説得して2年間英国に語学研修に行った。英語を習う過程は想像を超える苦労だった。単語をひとつずつ発音記号を見て発音を研究した。最後には私の発音を第三者が確認する過程を経て単語をひとつずつ習った」

2年の語学研修を終えて日本に戻ったキムさんは、短大を卒業して王子製紙で4年間働いた。しかしボーイフレンドと別れた後にうつ病となり、会社を辞めて10カ月引きこもった。再起を誓ったキムさんは4年間に貯めた金で3年余りの世界旅行に出発した。

――どうやって世界的な金融会社に入ることができたか。

「就職博覧会に行ってみたら閑散としているブースがあった。外国人男性と日本人女性が相談窓口に座っていたが、ゴールドマンサックスの人事担当者だった。▽耳が聞こえないが人と対話できる能力▽4カ国語駆使▽3年間の世界旅行談をした。数日後に思いもよらず合格の連絡がきた。最初は事務補助をし、入社3年目に株式・債券マネジメント業務が与えられた。2年前にいまの会社に移った」

――会社生活では困難も多いだろう。

「私の机には電話がない。役に立たないから片づけてくれといった。会議にはついていけない。そんな時は同僚が私のそばでメモをして助けてくれる。社会生活をしながら感じたのは、障害者はいくらがんばっても必ず他人の助けを受けなければならないということだ。こういう現実に挫折もするが、結局は障害を認めてこそ自身も社会も楽になる。私もできる範囲で彼らに報いたい」

――人生の目標は。

「新しい目標に絶えず挑戦すること、笑いが絶えない幸せな家庭を作ることだ」

キムさんはインターネットを通じ出版社社員の夫と会い結婚した。2歳になる娘がいる。

4カ国語の防災DVD 大震災受けて制作 福岡市の外郭団体

2011-06-15 09:51:01 | 多文化共生
(以下、西日本新聞から転載)
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4カ国語の防災DVD 大震災受けて制作 福岡市の外郭団体
2011年6月15日 01:08

福岡国際交流協会が制作した多言語防災DVD

 東日本大震災を受け、福岡市の外郭団体・財団法人福岡国際交流協会は、外国人に地震や水害から身を守る方法と備えを知ってもらう防災DVDを制作した。日英中韓4カ国語の音声、字幕に切り替えられる。400枚を福岡都市圏の大学や日本語学校などに無料で配るほか、同協会のホームページでも閲覧できる。大震災を機に新たに作られた多言語防災DVDは、全国で初めてという。

 同市の2010年末時点の外国人登録者数は約2万4400人で、1989年末と比べ約2・6倍に増加。地震になじみの薄い国から来て、大震災で不安を感じている人も多いことから、4月に急きょ、同DVDづくりに着手した。制作費は約120万円。

 映像は9分間。地震▽水害▽日常-の備えで構成し、市在住の外国人たちが出演。地震では「テーブルや机の下に身を隠す」「火災を防ぐためガス器具やストーブを消す」、水害では「建物の2階以上に避難する」などと紹介している。日ごろから小学校や公民館の避難場所を確認しておいたり、市民防災センター(早良区)での講習を受けたりすることも勧めている。

 DVDには、外国人学生に日本、福岡市での日常生活のルールやマナーを示した16分間の「暮らしのヒント」編も収録されている。

=2011/06/15付 西日本新聞朝刊=

日本人駐在員二重払い懸念 中国、外国人の社会保険加入義務付け

2011-06-15 09:50:22 | 多文化共生
(以下、SankieBizから転載)
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日本人駐在員二重払い懸念 中国、外国人の社会保険加入義務付け

2011.6.15 05:00
中国政府が、7月1日から施行する社会保険法で、外国人就労者に対して社会保険への加入を義務付けることに伴い、日本企業で「二重払い」の負担への懸念が強まっている。日本人駐在員が支払う年間の社会保険料は総額約500億円に上るとの試算もあり、経団連や日本貿易会などは14日、日本政府に二重払い解消の対応を求める意見書をまとめた。

 意見書は、中国政府の社会保険法施行の適用を猶予する経過措置や、日本政府に対し、二重払いを解消する二国間協定を早急に結ぶよう求める内容で、近く政府に提出する。

 中国で働く日本人駐在員は約7万人という。日本貿易会の試算によると、社会保険法が適用されると駐在員1人当たりの新たな企業負担の平均は年間70万円にも上り、7月1日以降は現地の日系企業の経営に大きな重荷となる。

 すでにドイツと韓国は、中国政府との間で、社会保険料の二重払いを回避する二国間協定を締結済み。現在交渉中の国もあることから、日本政府の対応遅れに経団連などは危機感を強めている。

 日本企業はアジア戦略の強化のため、インドなど中国以外でも駐在員を増やしており、貿易会は他の地域でも同協定の交渉を求めている。

第2次ベビーブーム世代の結婚

2011-06-15 09:49:48 | 多文化共生
(以下、朝鮮日報から転載)
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【萬物相】第2次ベビーブーム世代の結婚

 アマゾンの熱帯雨林で暮らすヤマノミ族は、20世紀に入って初めて外部の人に発見された。約1万人が50‐400人ずつ集落をつくり、それぞれ暮らしてきた。人類学者たちが観察したところ、男性はよくほかの村に行き、血を流して女性の略奪戦を行っていた。この部族は食糧が足りなくなると、幼い女児から先に殺すという風習を続けていた。そのため結婚相手の女性が常に足りず、同族間の争いを招いていた。

 生まれる女児100人当たりの男児の数を「出生性比」という。男児が5人多く生まれる出生性比105が最も理想的だ。しかし、文明社会でも男女の均衡が乱れる現象が繰り返されていた。13世紀の十字軍戦争と第1次世界大戦直前の欧州では、男性が女性に比べかなり多かったという。戦争が終わると、男児の出生率が高まった。遺伝学者たちは、母性が本能的に種族の保存を目指し、妊娠と胎児の性別に影響を与えたと解釈した。

 息子を好む考えが強い中国では、性比が120を超えた。10年後には男性の5分の1が結婚できないとみられている。韓国社会も1990年代まで、胎児の鑑別と女子中絶が頻繁に行われていた。91年の調査を見ても「息子が絶対に必要だ」という回答が41%に上った。出生性比は90年にピークを記録した後、2010年には106.7まで低下した。それでも韓国は、中国、アルメニア、アゼルバイジャン、グルジアに次いで5番目に男児を多く出産する国だ。

 55‐63年に生まれたベビーブーム世代の一斉退職が始まり、老後の不安が深刻な社会問題として浮上した。この世代がもう一つ抱えている心配の種が、子どもの結婚だ。統計庁が結婚年齢層(男性28‐32歳、女性25‐29歳)を調査したところ、女性100人当たりの男性が119人という数字が出た。結婚適齢期の男性が女性に比べ36万人も多い。このほとんどがベビーブーム世代の子どもたちだ。

 ベビーブーム世代の28‐32歳の娘たちは、すでに結婚難に陥っている。結婚相手となる30‐36歳の男性より15万人も多いためだ。しかし、それよりもさらに若い女性たちは、年下の男性を配偶者とする選択の幅が増え、再婚に対するハードルも低くなるだろう。外国人の新婦もまた増えるだろう。差し迫って大変なのはベビーブーム世代だ。親を扶養し、子どもの教育をするために貯金もなく、子どもに扶養してもらうことは夢見ることすらままならない「板挟みの世代」が、子どもの結婚にまで頭を悩ませている。

朴海鉉(パク・ヘヒョン)論説委員

5言語で生活ガイド 兵庫県の朝来市連合国際交流協会

2011-06-15 09:49:12 | 多文化共生
(以下、朝日新聞【兵庫】から転載)
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5言語で生活ガイド 兵庫県の朝来市連合国際交流協会

2011年6月14日

5カ国語で作製された生活ガイド・緊急時対応マニュアル=朝来市役所


 兵庫県の朝来市連合国際交流協会は、市内に住む外国人のための「生活ガイド・緊急時対応マニュアル」を作製した。英語、中国語、ポルトガル語、タガログ語、インドネシア語の5種類。複数の外国語ガイドは但馬では初めてという。

 同市には、中国やブラジル、フィリピンなどから企業研修生や労働者の外国人が多く、昨年末現在で201人が暮らしている。市の窓口で戸惑うことも多く、外国語のガイドが必要とされていた。雨の少ない地域から来た人に豪雨災害に備えてもらうため、雨の強さと災害の危険性などをイラストを交えて説明したページも盛り込んだ。

 約100万円をかけて各語1千部ずつ作製。交流協会の窓口や外国人を雇用している企業などに配布する。問い合わせは市連合国際交流協会(079・672・6116)へ。(新井正之)