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夜間中学、1年間の思いつづる…千葉

2010-06-01 09:06:02 | 多文化共生
(以下、読売新聞から転載)
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夜間中学、1年間の思いつづる…千葉
柏受講生ら寄稿、記念誌に

 義務教育を十分に受けられなかった人が読み書きを学べる「柏自主夜間中学」が開講1周年を迎えた。

 生徒と教師たちが、1年間学んできたそれぞれの思いをつづり、1冊の記念誌にまとめた。

 同中学は「松戸市に夜間中学校をつくる市民の会」のメンバーが中心となり、千葉県柏市周辺の市民のために昨年4月に開講した。元教師や教師志望の大学生などがボランティアで毎週木曜の夜、同市内の地域生活支援センター「あいネット」と市教育福祉会館で国語、数学、英語などを教えている。

 受講生は、戦争で満足な教育を受けられなかった人や、日本語を身につけたい外国人、不登校を経験した若者ら、10歳代から80歳代までの十数人。27日、同市中央公民館で開かれた活動報告会には、受講生と教師などのスタッフが参加。1年間の記録をまとめた記念誌「とびら」が紹介された。

 文章を寄せた受講生の高齢女性は5歳の孫が英語を習い始めたことを紹介し、「自分もたくさんの単語を覚えて、読み・書きができて、人と話せるようになりたい」と書いた。

 30歳代の中国人女性は「みなさんのいっしょうけんめい勉強する姿を見て感動しました。国籍もなく、差別もなく、ただ日本人の熱心さと親切が見えます」と、夜間中学の活動に感謝した。

 高校入試に失敗し、就職もできなかったという10歳代の男性は「新しい夢ができました。それは警察官になってみんなの生活を守ること。だから僕には勉強をすること、知識を増やすことが必要です」と、学習への意欲を語った。

 一方、中学時代に不登校だった男性を教えている男性スタッフは、次第にコミュニケーションを広げていく様子を目の当たりにし、「彼の成長をこの目で見られたことが本当にうれしい」と、教える側の喜びを素直に明かす。

 教員志望の大学生の男性も「私自身が学べたことの方が多い」と、夜間中学の経験を糧に成長することを誓った。

 同中学の世話人の古賀芳夫さん(58)は「夜間中学のメンバーはそれぞれ特別な思いを抱いて参加している。記念誌は、みんなの思いの結晶です」と話している。参加希望者の問い合わせは古賀さん(090・5305・4100)へ。
(2010年5月31日 読売新聞)