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ブラジル人子女育ての母 守谷のマルシアさん  労働者受け入れつつ 学校設立教育に力

2009-12-09 14:56:53 | 多文化共生
(以下、読売新聞【茨城】から転載)
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ブラジル人子女育ての母 守谷のマルシアさん 
労働者受け入れつつ 学校設立教育に力
「卒業生が立派な大人に育つのが楽しみ」と話すギマラエス・マルシア社長(常総市水海道宝町で)

 ブラジル人労働者を受け入れながら、その子女の教育に力を注ぐ日系ブラジル人女性が守谷市にいる。「太陽コーポレーション」(本社・東京都港区)社長のギマラエス・マルシアさん(39)。常総市に支店を構え、約400人の社員がいる食品製造請負会社をかじ取りする一方、市内に学校を設立し、ブラジル人の子供たちの教育に力を入れる。

 常総市豊岡町乙にある「エスコーラ・タイヨー(太陽学校)」。2001年にマルシアさんがつくった学校には現在、乳幼児から10歳までの約40人が通い、ポルトガル語の国語や算数、地理歴史はもちろん、外国語として日本語も学ぶ。働いている両親が自宅に戻る夜まで食事や生活を共にする。

 最年長のエミリー・マユミ・カタヤマさん(10)は、常総市生まれの日系ブラジル人。ブラジルには6歳の時、一度しか行ったことがないという。仲間がポルトガル語を話すため、普段の会話はポルトガル語が主体。「日本人と遊びたいけど、会話がまだまだ。平仮名や片仮名は読めるけど」とさみしそうに笑う。

 マルシアさんによると、言葉の教育が行き届かないせいで「日本のことを知らない」子女は多い。長い目で見れば、日本の学校に通った方がいいが、言葉の壁があり、適応できる子女は少ない。他方、日本で生まれ、ポルトガル語があやふやなまま帰国すると、今度は母国になじめない問題が出てくる。

 マルシアさんは「大人は仕事で来日していると割り切れても、幼い子女たちは自分がどこに属しているのか分からなくなる。言葉の壁で中ぶらりんになり、不良グループに仲間入りする心配もある」と指摘し、「教育をしっかりやれば、どちらかに軸足を置けるから、中ぶらりんの子女が少なくなる」と学校をつくった理由を話す。

 日本人だった母親の影響で日本に興味を持ち、1990年に来日し、2年間、日本で留学生活を送った。その後帰国し、96年、物価の変動が少ない日本に商機があるとみて、東京に会社を設立。4年後には工場の立地が多い常総市に支店を構え、工場の生産ラインの一部をあずかり、食品製造の仕事を請け負うようになった。今や地元にもすっかりなじみ、一昨年からは常総署の協議会で外部有識者として「ご意見番」も務める。

 「住居さえ満足に探せず、子供をどの学校に通わせればいいか戸惑うブラジル人家族の多さを目の当たりにしていた」。だからこそ、人一倍、母国から来た社員の生活支援には気を遣う。太陽学校はブラジル政府から正式な学校と認められており、ブラジルの学校を卒業したのと同じ資格が得られる。

 「日本の育ての母」として、子女らから敬愛の念を込めて「Tia Marcia(親愛なるマルシアさん)」と呼ばれるマルシアさん。来年以降は日本の中学校の年齢に達する子女も出てくるため、「中学の課程もつくり、多くのブラジル人子女を受け入れたい。日本の学校とも、もっと交流したい」と意欲を燃やす。
(2009年12月9日 読売新聞)

外国籍の子に文房具を 塩尻の国際交流員が協力呼び掛け

2009-12-09 14:56:29 | 多文化共生
(以下、信州ライブオンから転載)
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外国籍の子に文房具を 塩尻の国際交流員が協力呼び掛け

(2009年12月8日)
文房具の寄付を募るコーナーを作り、協力を呼び掛けるチェンさん

 塩尻市国際交流員のイーノン・チェンさん(26)が、クリスマスに県内の外国籍児童に文房具を贈る「塩尻クリスマス・プロジェクト」への協力を呼び掛けている。文房具集めは3年目の取り組み。同市塩尻総合文化センターの入り口にある募集コーナーの壁には、児童たちへのメッセージを張り出せるようになっている。文房具とメッセージはブラジル人などが通う母国語教室に贈る予定だ。

 集めている文房具はシャープペンシルとその替え芯、消しゴム。この3点の新品をセットにしてコーナー備え付けの袋に入れる。ほかの品は入れない。合計で300円程度を目安としている。期間は24日まで。昨年の200セットを上回る数を目指している。

 昨年までは児童福祉施設に寄贈した。今年は不況で母国へ戻る外国人労働者も増え、運営が危機に直面している母国語教室を支援することにした。

 チェンさんはカナダ・バンクーバー出身。故郷のクリスマスでは、日常雑貨を買って箱に詰め、発展途上国の子どもたちに贈る活動があったという。「日本ではクリスマスが単なるお祭りになっているけれど、困っている人に手を差し伸べる日にもしてほしい」とチェンさん。「例えば女の子向けにかわいい文房具をそろえるなど、贈り物を自分で考えて選べば、支援が必要な人たちを具体的に想像する機会にもなる」と話す。

 また、児童へのメッセージは、手のひらの形の紙に記入するようになっており、掲示場所には「クリスマス・て(手)リー」と名付けた木の絵を張ってある。

(提供:信濃毎日新聞)