AKB48 チームBのファンより

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『ギンガムチェック』の仮想世界に漂う寂しさにときめく。(ときめき研究家)

2012-09-20 07:05:20 | ときめき研究家
ぼやぼやしているうちに、次のシングル曲が発表されたようだ。
もはや時期遅れだが『ギンガムチェック』について記しておきたい。
最近はこの曲を何度も繰り返し聴いている。AKBグループのシングル曲で、久しぶりに素直に好きになった曲だ。

AKBグループの楽曲の中には、「片想い王国」という仮想世界がある。告白などしなくても、好きな相手を思うだけで満たされている片想いの幸福を歌う。『脳内パラダイス』『ポニーテールとシュシュ』『Everyday、カチューシャ』などの世界がそうだ。
一方で、告白しなければ何も始まらない、思い切って心を告げようという『会いたかった』『大声ダイアモンド』『バズーカ砲発射』といった楽曲の世界もある。
これらは正反対のことを歌っているようで、実は紙一重、表裏一体、パラレルワールドのような関係だ。告白したいができない、それでも満足だけど、あわよくば告白して相手の気持ちを確かめたい、そういう複雑に入り混じった気持ちを、2つの仮想世界の狭間で、格子柄のシャツに見立てて歌ったのが『ギンガムチェック』だ。どっちなのかハッキリしろと言いたいが、そもそもハッキリしないのがAKBグループの真骨頂なのだ。

そうは言っても、この曲の軸足は「片想い王国」の方にある。
『ポニーテールとシュシュ』が高校1年の夏、『High school days』が高校2年の夏、『Everyday、カチューシャ』が高校3年の夏で、少しずつ距離が近づいてはいるが、未だに告白できていない二人の連続した物語だと思っているが、『ギンガムチェック』は更に1年経過した大学1年の夏の物語だ。彼女は地元の短大に進学し、アルバイトを始め、彼は都会の大学から夏休みで帰省して来ている。そんな状況の歌だと解釈した。

イントロの、アコースティックギターによるセンチメンタルなメロディーには聞き覚えがある。松本典子の『たったひとりの恋人』(1990年)のサビのメロディーと全く同じだ。それが悪いと言っているのではない。過去の名曲から、イントロにちょっとだけ「引用」する遊び心だろう。

自転車を押して二人で歩いているのは『抱きしめちゃいけない』と同じ状況だ。AKBグループの楽曲世界では、自転車とバスは2大神聖な乗物であるが、とりわけ自転車は青春そのものの象徴として歌われることが多い。

「この道をどこまでも歩ける訳じゃないけど」
テレビでは歌われない2番の歌詞だが、この部分がこの曲のハイライトで、トリプルミーニングになっている。
1.今二人で歩いている現実の海岸通りは、やがてバイト先の店に着いてしまう
2.彼女との曖昧で幸福な関係も、そういつまでも続かないだろう
3.AKB48のこのメンバーも、いつかは離れ離れになってしまう
夏の終わりという歌の舞台、東京ドームコンサートと前田の卒業という節目を迎えたAKBという状況から、どうしてもセンチメンタルな気配が色濃く漂っている。アップテンポで軽快な曲調ではあるのだが。

それから、外国人監督によるミュージックビデオについても触れておくべきだろう。
外国人が思い描く、日本的ポップカルチャー3つの物語(ミニスカポリス、学園ホラー、特撮怪獣もの)とダンスシーンを目まぐるしく切り替える編集は、確かに目を釘付けにする。『真夏のSound good』や『フライングゲット』などのミュージックビデオと比較しても、完成度は遥かに高い。楽曲の世界とは全く関連がないが、1つの映像作品として鑑賞に堪えるものだと思う。
難を言うなら、今回のメンバーは総選挙で選ばれたメンバーなのだから、下位のメンバーもちゃんと大きく写るシーンが、1カ所ずつでもほしかった。全員がじっくり識別できる『抱きしめちゃいけない』のような作品が理想だ。

カップリング曲については、今回特に書きたいことはない。
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