エアコンのリモコン

「主任、ちょっと電話換わってもらっていいですか？」
「うん？誰？お客様？」
「入居者なんですけどエラく怒ってるんです。」

「はい、お電話換わりました。」
「どうなってんのよ、何もしてないのにエアコンつかなくなったじゃない！この寒いのにどうしてくれんのよ！！！！○▲＊？◇！！」
「（やれやれ、怒りすぎて文字化けしてるよ）先ず、お客様のお名前と、お住まいのマンション名、号室を教えてください。」
「そんなことより今すぐきて頂戴！！寒くて風邪ひいたらあなた責任とってくれるの！！！」
「ですから、マンション名と号室を教えていただかないとお伺いもできませんから。」
「まるまるマンション234号室よ、はやくエアコン取り替えて頂戴！！」
「奥様、今日突然使えなくなってしまったのですか？これまで何か挙動がおかしかったりしましたか？」
「リモコンの電池を交換したら使えなくなったのよ、早くきてちょうだい！」
「（何もしてなくないじゃん）かしこまりました、すぐ伺います。」

「サカモト君、いい機会だからちょっといってきてごらん。」
「ムリですよ、リモコンなんて直せないです。」
「大丈夫、電池を一回全部取り出して何も入っていない状況で電源ボタンを２，３回押す。気持ち時間を置いたら再装着して完了だから。」
「ホントですか？」
「ホントだよ、それで直らなかったら交換だな。ダメだったら型番控えてきて。」
「わかりました、行ってきます。」

5分で帰ってきたサカモト君、「戻りました、ホントに直りました。」
「お疲れ様、奥様は何か言ってた？」
「新品に換えてもらえなくてがっかりしてました。」


よくあるクレームのひとつなのですが、どんな内容のクレームでもほとんどのお客様は「何もしてないのに・・・・・」というフレーズがついてきます。
何もしなかったら何もならないんだけど・・・と思いつつ笑顔で応対です。


＊エアコンのリモコンの電池を抜いて電源ボタンを押すというのは、空打ちといってリモコン内に残っている電気を放出させる為だそうです。