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ビジネス要求定義書を作成する

2005年11月01日 | Xupper開発手法

ビジネス要求定義書は、ビジネスフロー図の補完的な役割を果たし、システム運用をより詳細にモデル(具現)化するための手段となります。

ビジネス要求定義書には、ビジネスフロー図に表現された業務の流れを前提に、各工程の役割を規定します。手作業工程であるかコンピュータ処理を行う工程であるかによって、記述方法を変える必要はなく、工程本来の目的と実施要領を記述してください。

すべての工程は、入力情報と出力情報を持ちます。入力情報とは、電話による注文のように、物質的でない情報を受け取ることも含めた広義の意味での入力を示し、出力情報とは、作成済の資料にチェックを入れるだけということも含みます。

手作業工程の中で何かを見るだけ、聞くだけという工程はビジネスフロー図上には表現しません。

入力情報を受けて、何か(考える、判断する、決定するということを含みます。)を行い、何らかの出力を行う場合にビジネスフロー図上に定義します。

この場合、実際には口頭で指示するだけという出力情報が想定されますが、運用上指示書を記入してメモを残すようにするか、または指示書をコンピュタに入力する工程として、その工程の実施有無または実施結果が明確になるようにガイドすることが必要です。

コンピュータを利用する工程は、人間が事前に意思決定した情報を画面(装置)を媒体として入力することや、すでに蓄積されているデータから特定の帳票や照会画面を出すことを要求し、必要に応じて処理されることを意味します。

厳密には、人間の手作業(意思決定と指示入力)部分とコンピュータ処理部分が混在しています。コンピュータ導入以前はすべてを手作業で行っていたわけですから、ある意味では当然です。もし、この手作業部分の記述をないがしろにし、コンピュータ処理部分のみ記述しても、無機質なプログラム仕様が残るのみ、という結果を招きます。

ビジネスフロー図に表現される『コンピュータを利用する工程』には、プログラム仕様を記述するべきではありません。

ビジネス要求定義書には、手作業工程と同じように、コンピュータを利用して行う業務工程そののもを記述するように心がけてください。また、適用業務の運用手順が正しく理解できていないと、概要に記述されている内容は意味のあるものにはなりません。

ビジネスを理解できていないSEが作成すると、ビジネス要求定義書の概要欄には『受注入力画面から受注情報を入力し、受注データの変更および更新を行う』などという絵を見ればだれでもわかりそうなことを恥ずかしげもなく記述することになるのです。

ビジネス要求定義書の作成過程では、ビジネスフロー図を作成するときに打ち合わせた諸情報がメモ代わりに記録され、最終的に情報を整理することで完成されます。特にビジネスフロー図上では表現できない実施のタイミングや、データ量、作業時間などが記録されることが重要です。また、業務自身の存在目的と実施要領なども、冗長にならない程度で記述してください。

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