九月の夜想曲 ~ブルームーン<九十九の涙に彩られた刻の雫>~

行間に綴られた言葉を、共に知る方へのメッセージ

『それぞれの街角』 第十七夜

2020年06月29日 | 日記

 

 「それじゃ、またね。」

 

 小瓶から少し拝借したウイスキーが、夕暮れのエアポートで輝いている。

 

 

☆☆☆

 

 「Afore ye go」

 

 Bell’s(鐘)を蒸溜所に置き忘れてきた・・・わけじゃない。

 

 Bell’sに代わる『ハイニッカ』で、新たな旅路へと向かう。

 

 『小雨降る空港に降り立って』から、僅か三日間の旅。

 

 時間軸では短くとも、時の間には、無限の刻がある。

 

 人は何故、旅をするのだろう?

 

 

 「旅行と旅は違うの?」

 

 どこからか、さっちゃんの声が聴こえる。

 

 「そうね、旅に行くのが旅行。旅は・・・どこにも行かないものよ。」

 

 さっちゃんの顔に、たくさんの?が浮かぶ。

 

 「わかんない!あのおじさんと、おんなじくらい、わかりにくい!」

 

 「ごめんなさい。もう少ししたら、その意味がわかるわ。」

 

 そう、もう少ししたら・・・

 

 

 席を立ち、遠ざかる後ろで、グラスの氷が小さなメロディを奏でる。

 

 

                   Written by Z

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