Motor Sports Sound

車とスポーツと音楽と

遅すぎた敗戦

2005-05-29 13:19:55 | Sports:football(A代表)
 麒麟カップの2連敗.これは日本代表にとって最悪の状況だ.ようやくほころびが表に出てきて良かった,とは思うが,その時期があまりにも悪すぎた.今連敗してしまうと,その建て直しも何もかも,全くする時間が無いからだ.

 前も書いたが,本当ならば日本でのバーレーン戦で日本は引き分け,最悪負けるべきだった.そうすればそこからの3ヶ月,この麒麟カップを含め新たな監督とともに新たな方向へ進みだすことが出来たはずだった.最低でも今より良い方向で.そうすれば,アウエーでのバーレーン,朝鮮に連勝し,余裕を持ってW杯出場を決められたはずだ.
 多分,今の日本代表は朝鮮より弱い.でもグループリーグ3位でプレーオフでジーコの超強運によりW杯には出場できるだろう.そしてW杯では3戦惨敗で敗退,という道筋は既に出来上がっている.なぜなら,今のチームで「W杯出場が目標」なのだから.


 さて,UAE戦.既にW杯出場権を逃しており,しかもFIFAランキングでもえらく下にいる弱いチーム.そう思っていいだろう.しかし試合開始10分で思ったのは「今日は負けか引き分け」だった.日テレの馬鹿アナウンサーは「小野が入って良くなった」とか「大黒の動きも加わり日本ペース」などとあほなことを言っていたが.
 確かに小野は他と比べると動きは良かった.しかし小野にしてみればあれは不調だ.ボールの扱いが雑でパスミス,トラップミスの回数が明らかに多かった.大黒は今までのFWに比べれば明らかに動きは良い.ただし,競馬で言う「かかりぎみ」であった.その上,チームとして相手を完全に崩せていないので,どうしても厳しい局面でのシュートが多かった.また外国人DFへの慣れも少ないためか,思った以上に足が伸びてきてボールを奪われる場面が多かった.

 こんな風に人が変わって動きは変わったが,UAEクラスのチームを圧倒できず,苦戦は目に見えていた.しかも,ジーコが「安全に行く」といっていたのに安全に行っていたのはただ引いて守るDFのみであり,何度も小野が出て行ったスペースを使われ,日本よりも決定的なチャンスを作っていた.シュートの精度の低さ,つまりレベルの低いチームだから救われていただけだった.
 点を取られた場面は,スーパーサッカーで水沼さんも言っていたが,あれはカウンターではない.単にDFが崩されただけだ.この2試合,坪井は正直試合感と周りとの連携に苦しんでいたようにみえる.そして,中盤でのプレッシングはより曖昧になり,全く機能していなかった,といってもいいだろう.それによりできた中盤のスペースから飛び出してくる選手へのディフェンスは全く機能していなかった.

 今「カウンター対策」といわれるが,必要なのはカウンター対策ではない.もっと根本的な守備戦術の浸透が必要なのだ.


 チームディフェンスはチーム戦術の浸透度との関わりが大きいが,攻撃は個々の能力との関わりも入ってくるので中々評価しにくい.それでも書いてみると,まず,チームとして攻撃の緩急がつけれていない.これを崩しているのは,いつものことながら三都主だ.明らかな速攻の場面で時間をかけ,チームとしての流れを壊しつづけている.逆に相手を崩せかけたときに,わけのわからないフェイントで相手にぶつかっていってファールを貰ったり,コーナーになったり.セットプレイは確かに必要だが,崩れかけた相手にわざわざ時間を与える必要は無い.とにかく,ここで攻撃の流れが全てせき止められているのは間違いない.
 そして鈴木.ポストプレーや汚れ役はすばらしい.しかし,ポストプレーしかしないFWは,相手にとってなんの脅威でもない.サイドに流れても精度の低いクロスしか出せないのならば,味方も得点のにおいを感じれない.
 活躍できないのに契約で下げられない讀賣のキャプラーのような存在だ.チームにも悪影響だ.ジーコが一番信頼して使っているのがこの二人,という時点で,ジーコを解任すべきなのだが.

 チームとしては相手に点を取られるまで,小野,大黒以外前を向くことが相変わらずできず,数の多いDFがマークしているFW(正確には大黒)を使うしかなかった.大黒に連動して前へ来る圧力(ペルー戦の稲本のような)が無く,相手DFは単にラインを下げるだけで何の問題も無く対応できた.ミドルシュートの精度も悪く,狙おうとする本数も少ないので,何ら相手には脅威になっていなかった.
 この原因は小笠原にある.1.5列目であるのに小野に追い抜かれてばかりで,横向きのパスも多く,結局ボールも経由しない.小野が前にでたときにモチベーション低そうにディフェンスする姿はあまりに露骨だった.

 そして中央から攻撃できないために,サイドからの攻撃も効果が落ちた.というのも,DFが下がり中盤も下がり,多くの相手選手がDFライン付近におり,相当精度の高いボールでないとゴールにつながりそうにない状況だったからだ.それであるのにクロス,いやセンタリングを上げるのが三都主と加地だ.まぁ無理だろう.

 チームはこの辺りの修正が必要で,それをすればかなり良くはなるが,ジーコである限り不可能だ.というのも三都主を使うことは決まっているからだ.
 ジーコの選手としての凄さは認めている.だからはやく辞めて欲しいのだが・・・

 ちなみにバーレーン戦は2-0もしくは3-0で敗退するだろう.奇跡でもない限り.いつものように勝手に採点.

FW
大黒(4.5)決めれるシュートもあった.まぁ厳しい局面だったのでやさしめの採点.
鈴木(3.0)シュート0というFWは必要ない.というより,殆ど存在感が無かった.
玉田(4.0)シュートは打ってたけど.入る予感は無かった.
本山(-.-)評価しないことにした.

MF
小笠原(4.0)少なくとも司令塔ではなかった.
三都主(2.5)四球ばかり出してリズムの悪いピッチャーのよう.見るのも嫌.ワンパターンでタイミングも同じで通じるわけが無い?
加地(3.5)スピードもパス精度も一つレベルが下.
小野(5.5)ぎりぎり.周りが自分の想像どおり動いていない,という場面が何度かあった.
福西(3.5)ボールを遠くから眺める場面が多かった.ボランチらしくなく.ラッキーシュートもそんなに続かない.
稲本(5.0)温情採点.ペルー戦見たらお前が先発やねんけど.

DF
宮本(4.0)よくなっている,というコメントで-0.5.同じような失敗をしておいてそれは無い.
坪井(3.5)一旦代表はずれた方が良くないか?
田中(4.5)無難な動き.
茶野(-.-)目立たなかったってことは良かったのだろう.

GK
川口(4.5)点取られたからこれ.あれは止めれんけど.

監督
ジーコ(1.0)何の工夫も見えなかった.精神論で勝てるほど甘くない.