FIAがスーパーライセンス発給料を大幅値上げしました。

2008-02-26 23:25:52 | Formula One
国際自動車連盟(FIA)は、レーシングドライバーがF1グランプリ参加の際に必要なスーパーライセンスの発給料を大幅に値上げしました。

昨シーズンまでのライセンス料は1,690ユーロ(約25万9,000円)で、それに当該選手が直近の選手権でポイントを獲得した場合、1点あたり447ユーロ(約68,000円)が加算されるだけでした。
例えば2005年と2006年にワールドチャンピオンとなったフェルナンド・アロンソの場合、62,000ユーロ(約951万円)を支払って2007年のスーパーライセンスを取得していたことになります。

イギリスのオートスポーツ誌によると、世界モータースポーツ評議会(WMSC)で金額の上げを決めたようだと報じました。
今シーズンからスーパーライセンス発給料を10,000ユーロ(約153万円)にし、ポイントごとの加算金を2,000ユーロ(約30万円)とすることを承認したそうです。
そうなると、作シーズン110ポイントを獲得したワールドチャンピオンのキミ・ライコネンは、2008年ライセンスに230,000ユーロ(約3,529万円)を支払わなければなりません。高すぎ!! F1ドライバーにスーパーライセンスは不可欠ですよ!

そもそもスーパーライセンスとは何ぞや?と言う方にご説明します。
国際自動車連盟(FIA)が発給する物です。
モータースポーツ・ライセンスのトップに位置するライセンスです。オイラたちが直ぐに(簡単に)取得できるのはJAFから発行される国内B級や国内A級ライセンスです。
スーパーライセンス取得までには、国内B級→国内A級→国際C級→国際B級→国際A級の順にステップアップしていきます。
フォーミュラ1(F1)に参戦するためには、このスーパーライセンスを所持していることが必須条件なのです。どんなに実力があってもライセンスが下りなければレースに出場できません。
スーパーライセンスには・コンストラクター・ドライバー・オフィシャルの3種類が存在します。一般的に耳にするのはドライバーライセンスですね。

発給を受けるための条件は、「FIA International Sporting Code Appendix L」の中で規定され、現在は以下の4条件を満たすことが必要とされています。
1条:F1に参戦するいずれかのチームと1st、2ndもしくはリザーブドライバーとして契約することに合意している。
2条:FIAの発給するグレードA(国際A級)ライセンスを保持している。
3条:以下のいずれかに該当すること。
  1.前年度のF1のシリーズ戦で決勝出場5戦以上の経験者。
  2.過去2年以内にGP2シリーズ(旧:国際F3000)でシリーズランキング4位以内に入賞した者、または3位以内入賞5戦以上、若しくは6位以内入賞10戦以上の経験者。
  3.過去2年以内にフォーミュラ・ニッポンのシリーズランキング3位以内に入賞した者。
  4.過去2年以内にインディカー・シリーズ(IRL)かチャンプカー(旧・CART)でシリーズランキング6位以内に入賞した者。
  5.ユーロ3000選手権、フォーミュラ・ルノー3.5(FIAの記述上は「the World Series F/Renault V6」)、国際F3000マスターズ、もしくはイギリス・ユーロ・イタリア・日本のF3のシリーズチャンピオン(当該シリーズの最終戦から12ヶ月以内に限り有効)。
  6.以上のいずれにも該当しないが、テストドライブを行う国の自動車連盟(ASN)の許可を得た上で2日間以内に最低300km以上レーシングスピードでF1マシンによるテスト走行を行ったドライバーであり、そのテスト結果や過去の参戦実績を基にF1委員会の審査で特にライセンス発給が認められた者。
4条:FIAにスーパーライセンスの年会費を支払っている。
なおライセンスは12ヶ月有効であり、一度スーパーライセンスを得た者でも更新時に上記の条件を満たしていない場合は更新にあたりF1委員会の審査が必要になる。

このライセンスについて近年聞いた話題では、井出有治が「危険な運転」を理由にスーパーライセンス剥奪処分を受けましたね。シーズン途中にスーパーライセンスの剥奪処分を受けたのは井出が史上初でした。嫌な記録を作ってしまいましたね。

それと90年代半ばに昭和シェルのCMで、ミカ・ハッキネンがマクラーレンGTRで登場し「パスポート♪パスポート♪」と言うメロディが流れる中、僕はシェルのカードとスーパーライセンスを持っています的なCMが流れていたのを思い出しました。