オルガン同好会員のネタ帳

オルガンなのにあえて近現代志向

Was??

2015年01月06日 | 雑記
先月、現代音楽鑑賞講座なるセミナーに行ってきた。
その時に題材として挙げられたのがフォルケ・ラーベの「Was??」という曲。

https://www.youtube.com/watch?v=0JFs5-XgrC0

不勉強ながら、現代音楽界では有名らしいこの電子音楽を知らなかった。
24分間で6つの音の推移があるだけ、とも言える作品だが、ゆったりとした音色の変化に身を委ねていると、なんとも言えない陶酔感が満ちてくるようだ。

何年も前に、「新しい楽器の音色を作る」という、ちょっと変わった仕事をしたことがある。実に得難い経験だった。
その際、音に「可変な振動周期」という要素を加えた。振動周期を可変にしたのは、「音高」「強さ」に対応するものの他に、もう1つの入力変数があったため。周期の異なるビブラートが重なりあうことで、面白い効果が生まれるのではないか、と、期待したものだった。
だが、今になって思えば、倍音構成も入力変数によって変わるようにすればよかったと思う。それによって楽器は固有の音色を失う。奏者の個性によって音色が変わる。その中から音色を見つけていく。そういう風に、楽器が奏者に語りかけていくようなデザインをすればよかったのではないか、と思うのだ。