シンガポール進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

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有給休暇と無給休暇について

2018年06月25日 | シンガポールの労務

休暇付与の義務は主に雇用法(Employment Act)、児童育成共同救済法(Child Development Co-Savings Act)、養子縁組法(Adoption of Children Act)などで規定されます。

 

このうち、雇用法第4部(Part IV)により規定される年次有給休暇(Annual Leave)については肉体労働者(Workmen)で月給4,500 SGD以下、それ以外(Non-Workmen)で月給2,500 SGD以下の場合のみ適用、付与の義務が発生するものとなりますが、他の従業員に対しても付与する会社が一般的です。

 

また、いずれの法律による規定も、試用期間を終了しているか否かを問わず、3か月以上勤務している従業員に適用される点が特徴的です。

 

少子高齢化の進むシンガポールには、当然のように法律で自国民を保護する制度があり、それが休暇制度にも如実に表れています。

 

以下、最低付与日数を確認しつつ、有給休暇と無給休暇のそれぞれを見ていきましょう。

 

有給休暇

1.年次有給休暇(Annual Leave):7日~

最初の一年目が7日間、その後毎年1日ずつ、7年目の14日まで日数が増加

2.病気休暇(Sick Leave):~14日/60日

認定医師が必要と認める日数、

給与の支払い義務は入院が必要な場合年間60日、通院のみの場合は年間14日

ただし勤続日数が3か月以上6か月未満の場合はそれぞれ日数が減少

3.出産休暇(Maternity Leave):16週/12週

シンガポール国籍の子供の母親に16週、外国国籍の子供の母親に12週

※16週のうち8週間は政府からの補助金が得られる(3人目からは16週間分)

外国国籍の子供の場合の12週間のうち4週間は無給休暇(3人目からは12週すべて無給)

※外国国籍の子供の場合、政府からの補助金はない

4.父親出産休暇(Paternity Leave):2週

シンガポール国籍の子供の父親のみ
出産から16週以内に2週間取得可能

※2週間分の給与に対し、政府からの補助金が得られる

5.シェア出産休暇(Shared Parental Leave):~4週間

シンガポール国籍の子供の父親のみ

上記3.出産休暇16週のうち4週間を代わりに取得可能

※4週間分の父親の給与に対し、政府からの補助金が得られる

6.養子縁組休暇(Adoption Leave):12週

シンガポール国籍の子供、又はシンガポール国籍取得予定の子供を引き取る母親のみ

養子縁組の届け出(Formal intent to adopt)から12週取得可能

※12週のうち8週間は政府からの補助金が得られる(3人目からは12週間分)

7.育児休暇(Childcare Leave):~6日/2日

シンガポール国籍の子供の父親及び母親のみ

7歳未満の子供がいる場合6日まで、12歳以下の子供しかいない場合は2日まで取得可能

※6日までの場合の後半の3日、2日の場合の両日は政府からの補助金が得られる

 

無給休暇

1.ナショナルサービス休暇(National Service Leave):~40日

シンガポール国籍の男性で予備軍隊員(Reservist)である場合、毎年徴兵日数分休暇となる

※従業員が防衛省(Ministry of Defence)に徴兵日数分の給与を請求する

2.無給育児休暇(Unpaid Infant Care Leave):~6日

2歳未満のシンガポール国籍の子供の父親及び母親のみ

子供の数によらず6日までだが、有給休暇の育児休暇とは別に取得可能

 

以上の休暇については、あくまで最低条件として法律で定められているものであり、日付を増やしたり、別に慶弔休暇や試験休暇、会社創立記念日などを設けるところも多くあります。

 

どのように運営していくか考えていくうえでも、就業規則(Employment Handbook)などに盛り込んでおくことが強く推奨されます。

 

就業規則、その他労務に関するお問い合わせも、常時承ります。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

http://www.kuno-cpa.co.jp/form/

 


※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

 


シンガポール SingPassとCorpPassの取り扱いについて

2018年06月18日 | シンガポールの税務

2018年第三クオーター(Q3)が間もなく7月1日より始まります。

Q3から導入される大きな税制度の変更はありませんが、実務上少し取り扱いが変わるのが、政府機関との電子取引の際に求められるログインID、SingPassとCorpPassです。

 

それぞれの基本的な内容を確認しておきましょう。

 

1.取得方法

 

SingPassの取得は、シンガポール人、PR(永住権保持者)、各種パス保持者、ワークパーミット保持者のそれぞれに与えられた権限です。

これは、NRIC(身分証)まはたFIN(外国人登録証)が付与されていることを意味しますが、このほかにSMSが受け取れる電話番号、及び書類が受け取れる住所を持っていることが必要になります。

必要情報を入力して登録を終えると、5営業日ほどで登録住所にパスワードが記載された書簡が郵送されます。そのパスワードでログインし、新しいパスワードを再設定すれば、登録完了となります。ログインパスワードを忘れると、都度郵送を受けるために5営業日ほど時間がかかるため、注意が必要です。

 

CorpPassの取得権限はシンガポールIRASにて登記を行った各企業に与えられます。

それぞれの企業から2名まで管理者(CorpPass Administrator)を立て、その個人情報(NRIC/FIN、氏名、メールアドレス、SingPassIDなど)と登記上の代表者(Registered Officer、管理者が代表者であってもいい)の情報(NRIC/FIN、氏名、メールアドレスなど)を入力すれば取得が可能です。

SingPassと違い、CorpPassのIDは自ら指定することができますが、一度設定したものは二度と変更できないため、注意が必要です。

代表者のメールアドレスに承認用メールを送らせて承認するか、承認フォームをダウンロードして署名したものをアップロードしてCorpPassの承認が得られれば、管理者登録が完了します。

管理者の下にはさらに下位管理者(Sub-administrator)を設けることができ、それぞれどのサービスにアクセスする権限を与えるか、選択することができます。

 

2.用途

 

SingPassは主に個人に属する以下のようなサービスを利用する際に必要となります。

・  個人所得税の申告

・  CPF残高の確認

・  物件(Flat)購入などの申請

 

CorpPassは企業に属する以下のようなサービスの利用に必要となります。

・  ビジネスライセンスの取得申請

・  企業補助金(Business Grant)の申請

・  法人所得税の申告

 

いずれも、登録携帯電話番号に送られるSMS(または専用トークン)に表示のワンタイムパスワードによる認証が必要になります。

 

3.変更点

 

これまで、企業に属する以下のサービスには、SingPassとCorpPassのどちらからでもアクセスすることができました。

・  MOM(労働省)のEPOL(ビザの申請、管理)

・  CPFの申告、閲覧

・  MINDEF(防衛省)のNS Portal(徴兵時給付金申請)

 

2018年Q3から、少なくとも以下のサービスに関してはCorpPassでのログインが必要となります。

・  MOM(労働省)のEPOL(ビザの申請、管理)

・  IRAS(内国歳入省)のe-Service(電子申告)

 

法人所得税などの電子申告、従業員のEP等申請などはCorpPassでログインが必要になる点には注意が必要です。

 

面倒に思えてなかなか手がつけられない登録事項、ビザや税務申告に関するお問い合わせも、常時承ります。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

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※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

 


シンガポールにおける休眠会社について

2018年06月11日 | シンガポールの法務

シンガポールに進出した会社において、一時的に商業活動を停止させることは珍しいことではありません。そんな時便利なのが、休眠会社(Dormant Company)という制度です。

 

会社法(Companies Act 201A.-(1))によれば、設立時、または前賦課年度末から、会計上の取引が発生しない場合、休眠会社として扱われます。

 

ただし、ここで言う「会計上の取引」は以下二つの当局により若干定義が異なるため注意が必要です。

 

1.IRAS(税務局)

一賦課年度中一切の収益、収入

 

2.ACRA(登記官庁)

一賦課年度中、以下の費用支払いを除く一切の収支

・会社秘書役(company secretary)の選任

・会計監査人(auditor)の選任

・登記住所(registered office)の維持

・登記書類(registers)及び会計帳簿(books)の保持

・ACRAへの登記手数料(fees to the Registrar)、罰金(fine and default penalty)の支払い

・会社定款(memorandum)の規程に従った株式引き受け(taking of shares)の実行

 

休眠会社に該当する場合、所得税申告(Form C-S/Cの提出)が免除されるためには、更に以下の4つの条件を満たしている必要があります。

1. 休眠会社となるまでの財務諸表提出、所得税申告が行われている。

2. 投資資産(株式、不動産、定期預金等)を保有していない。

3. GST登録を行っていない、又は解除している。

4. 2年以内に事業を再開する見通しがない。

 

すべての条件に該当する場合、所得税申告放棄申請書(Waiver of Income Tax Return Submission)を提出すれば、IRASに対する所得税申告が免除されます。提出方法は下記二つです。

 

1.電子申請(e-Application)

EASY(電子サービス権限付与システム)において、アクセス権限保持者(Approver)を登録し、オンライン申請する。

2.書面申請(Hardcopy Application)

下記ホームページからダウンロード、1ページ目必要事項記入の上、IRASに所得税申告放棄申請書(Application for Waiver of Income Tax Return (Form C-S/ C) Submission by a Dormant Company)を提出する。

リンク:

https://www.iras.gov.sg/irashome/uploadedFiles/IRASHome/Businesses/Waiver%20Application%20Form%20for%20Dormant%20Companies.pdf

 

なお、申請が受理された後2か月以内に書面で承認か否かの結果が通知されます。

 

休眠会社として上記手続きを完了すれば、IRASへの所得税申告の他、会計監査実施、及び監査報告書の提出が免除されます。

 

一方、ACRAが管轄する以下二つの義務は免除されません。

1.年次総会の開催

2.年次報告書の提出

 

また、休眠していても登記住所、書類、会社秘書役の維持のために、毎年一定の費用がかかることには注意が必要です。

 

なお、事業再開においては、収益発生から1か月以内に下記ホームページからダウンロードできるフォームを記入、提出することで、休眠状態を解除することができます。

リンク:

https://www.iras.gov.sg/irashome/uploadedFiles/IRASHome/Quick_Links/Forms/Businesses/Corporate_Tax_forms/Request%20for%20Income%20Tax%20Return%20and%20Notification%20of%20New%20Financial%20Year%20End.pdf

 

会社の休眠、各種手続きに関するお問い合わせも、お待ちしております。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

http://www.kuno-cpa.co.jp/form/

 


※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

 


シンガポールにおいて減給は可能か

2018年06月11日 | シンガポールの労務

東京コンサルティングファーム、シンガポール駐在員の岩城です。

 

よく頂く質問の一つに、従業員の給与を減らしたいのだけれども、必要な手続きを教えてもらえないでしょうか、また、そもそも減給はシンガポールにおいて認められているのでしょうか。

 

シンガポール雇用法において、基本給を減額することについて定めていません。つまり、減給をすることに対して法的な制約を受けていないものとなります。

 

では、実際減給処分がされているかというと、私の4年半におけるシンガポール駐在期間の中で、ほとんど聞いたことがありません。さらに言えば、年に一度の給与見直しの機会において、昇給を行わないということは、ある意味戦力外通告、解雇と同義であると従業員に捉えられてしまうことがほとんどとなります。

 

減給を考えるとき、大きく2つの理由があるかと思います。

 

まず一つ目が、組織再編によりこれまで行っていた職務内容が大きく変わるため、それに伴い適当な給与水準に調整する場合。

二つ目が、パフォーマンスの悪い従業員に対し、減給処分を行う場合。

 

一つ目においては、新たな職務内容における雇用契約書を作成し、従業員との間で署名をもって書類を用意しておくことが望ましいと思います。

 

二つ目においては、いきなりの減給処分ではなく、ワーニングレター等を出し、会社が従業員のパフォーマンスに満足していないこと、改善を要求するものを通知することなります。それでもパフォーマンスが改善されない場合、減給処分とすることが望ましいものとなります。

 

特に減給については法的に定められているわけではありませんが、将来の問題を防ぐため、会社の対応を記録しておくことが望ましいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

【問い合わせ先】

Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,

岩城 徳朗(iwaki noriaki)

iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

 

 

 



GST規則の変更について

2018年06月04日 | シンガポールの税務

日本の消費税に当たるシンガポールのGST(Goods and Services Tax: 商品・サービス税)は、一般には7%の税率で徴収されます。

 

日本の税率より1%安いという点以外にも、以下のような違いがある点、まず押さえておきましょう。

 

1.GST登録

シンガポールのGSTは登録制であり、登録企業のみ徴収権限と納税義務が生じます。

GST登録が必要なのは年間の課税売上高が1,000,000 SGDを超える企業で、それ以外の企業の登録は任意とされています。

裏を返せば、全く同じ付加価値を付けて物を販売する場合、上記のよう売上高1,000,000 SGD以下の企業については、GSTを課税しないだけ、安い値段で物が売れるということになります。

ただし、GST登録をしない企業も自分が商品・サービスを購入する場合にはGSTが課税された金額を支払うことになる場合があり、その場合GST登録企業なら納税証明を付して還付を受けることができますが、未登録企業は還付が受けられないことになります。

 

2.GST申告

シンガポールのGST申告は、3か月に1回、年4回行います。一部例外を除き、7月、10月、1月、4月にそれぞれ月末までに申告が必要です。

また、申告時に必要な書類として、タックス・インボイス(適用税率、税額等を記載した請求書)を用いて請求していることが必要とする、インボイス方式が用いられています。

日本の場合、仕入れ取引が記帳されていれば、その金額から割り出した消費税額を割り出して控除・還付を受けることができますが、シンガポールではインボイスがなければ控除・還付が受けられないということになります。

 

さて、このGST、日本の消費税が来年10%に引き上げられるのと同様に、シンガポールでも9%へ引き上げられることが今年2018年の予算案で決まりました。

ただし、期間は2021年から2025年の間とされており、少なくともまだ数年猶予があることがわかっています。

 

そしてもう一点、2018年予算案で決定したのが、主に国外からのメディア電子配信を対象とした、リバースチャージ方式のGST課税です。

日本の消費税にも2015年10月に導入されたリバースチャージ方式ですが、シンガポールでも同種の交易に対する問題意識から、導入されるに至りました。

すなわち、国外からの配信メディアが、配信側で課税されないことで国内配信メディアよりも割安となり、国内企業の競争力をそいでしまう問題への対策が取られたのです。

 

原則としてBtoB、企業間取引において、国外から提供されるコンサルティング、マーケティングなどのサービスを含め、サービスの受け手側がGSTを申告・納付する義務を負います。

一方BtoC、国外企業からシンガポール国内消費者へのサービス提供に関しては、年間総売上高が1,000,000 SGDを超え、かつそのうちシンガポールにおける売上高が100,000 SGDを超える企業に限って、シンガポールにおけるGST登録、申告・納付が義務付けられます。

 

なお、このリバースチャージ方式GSTの導入は2020年1月からとされています。

 

弊社では、皆様の作業負担の一助に、GST登録、申告代行も承っております。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

http://www.kuno-cpa.co.jp/form/

 



※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。