シンガポール進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

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休日・祝日について

2018年05月28日 | シンガポールの労務

雇用条件の規制を見れば、雇用者側に有利な条件が多いと言われるシンガポールですが、雇用法(Employment Act)には詳細なルールが定められています。

 

休日・祝日に関することで、従業員から思わぬ請求をされるケースは後を絶ちません。

残業代のルールと併せて、休日・祝日の規定を確認しておきましょう。

 

まず、大原則として、シンガポール雇用法の適用範囲を確認しましょう。

1.雇用契約を締結する従業員はシンガポール人、外国人を問わず原則全員適用

2.月収4,500 SGD超の管理職等、船員、家事労働者、公務員は適用除外

※注1:月収4,500 SGD超の管理職等については、個別の雇用契約に条件を明示します。

※注2:時期法改正(2019年4月までに施行)では、管理職等も全員適用となる予定です。

 

次に、労働時間、残業、休日などの条件を規定する、第4部(Part 4)の適用範囲を見ていきましょう。

1.月収4,500 SGD以下の肉体労働者(workmen)

2.月収2,500 SGD以下の非肉体労働者(non-workmen)

※注1:非肉体労働者の月収については、次期法改正により2,600 SGD以下へ変更される予定です。

 

雇用法第4部が適用となる従業員に対しては、以下の条件が設けられています。

  • 7日以上の年休を与える(annual leave)
  • 病欠に際しては14日の有給休暇を与える(paid sick leave)
  • 入院に際しては60日の有給休暇を与える(paid hospitalisation leave)
  • 産休を与える(maternity leave and childcare leave、休暇中の給与は国が負担)
  • 年間11日の祝日を確保する(public holidays)

 

上記の中、「年間11日の祝日」をどのように「確保」するべきなのか、詳細を見ていきます。

 

しかしその前に、日本では馴染みのない、休息日(rest day)と非勤務日(non-working day)の概念を理解しましょう。

  • 休息日:従業員規則や雇用契約で個別に規定が可能な、週1日の無給の休日(多くは日曜)
  • 非勤務日:週休二日制等の場合、無給の休日の中、休息日でない日(多くは土曜)

 

まず、シンガポールの祝日は、有給休暇として扱い、各種手当を含まない基本給を日割りで計算した金額(gross rate of pay)を支払う必要があります。

その上で、もともと休日である日の場合の規定があります。

1.祝日が休息日に当たる場合、翌日は有給休暇とする(gross rate of pay)

2.祝日が非勤務日に当たる場合、月給から控除しない形で任意の一日を休日とするか、一日分の給与を払う(gross rate of pay)かを選択する

 

更に、上記1.の祝日の翌日を有給休暇とする場合を含め、本来有給休暇である祝日に勤務する場合には、さらに翌日を有給休暇とするか、通常の給与に加えてgross rate of pay分の給与を支払うか、どちらかの対応をする必要があります。

 

シンガポールは色々に異なる人種、宗教、風習を持った移民社会で、公平を保つために複雑化した休日体系と言えます。

注意をしていきましょう。

 

その他の労務に関するお問い合わせも、お待ちしております。

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポール支社

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

http://www.kuno-cpa.co.jp/form/

 


 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても、情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負いません。ご了承ください。

 


車両にかかる費用の取り扱いについて

2018年05月28日 | シンガポールの税務

東京コンサルティングファーム、シンガポール駐在員の岩城です。

 

最近のシンガポールでは社用車を使うことがだいぶ限られてきており、これはシンガポールにおける車両保有のためのコストがかなり高いということが挙げられます。

どういった企業が保有しているかというと、大企業のエグゼクティブのためであったり、マレーシアへ営業に行く営業スタッフ用のためであるケースがほとんどです。

 

そんな現状ではありますが、シンガポールにおいて車両取得や車両に紐づく費用は損金計上できるのか、という質問をいただくことがあります。

 

例えば、車両の修繕費、維持費、駐車場代、ガソリン代などは損金算入が認められている一方、社用車に紐づくコストは一切損金の計上が認められておりません。

 

 

【問い合わせ先】

Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,

岩城 徳朗(iwaki noriaki)

iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

 

 

 

 


販売会社の進出について

2018年05月21日 | シンガポールの投資環境・経済

自社技術により日本で確たる地位を築いてきた

日本のマーケットに将来はないと、見切りをつけた

そんな企業が海外進出を始める場合、最初に拠点を設ける一番の人気国が、シンガポールです。

 

インドネシア

マレーシア

ベトナム

インド

タイ

といった国々へのアクセスや販売ビジネスのための法整備の面で、

シンガポールは理想的な地域拠点となります。

 

最初は日系企業に向けた販売で足場を固め、

徐々にローカル企業への営業を強化していって、

最終的にはマーケットも自社スタッフもローカライズしていく、

これが安定した利益を上げる、オーソドックスな展開方法と言えるでしょう。

 

成功のカギは、企業の意思の明確化と、人材育成・確保の二点に尽きます。

 

どのマーケットにどのくらい自社の商品を販売するか、

そのための人材をどのように育て、保持していくか、

この海外進出における二大側面は、進出先の制度や商習慣を学ぶだけではなく、

計画をプロセスに分けて管理する、目標達成技術が最も必要とされるところです。

 

目標を達成できる企業の特徴を見ていきましょう。

 

まず、やりたいことを具体的な姿として描き出し、やるべきことを数値化しています。

次に、定期的に、短いスパンでデータを集め、印象ではなく事実に基づいた分析をします。

更に、成功した要因をプロセスに分けて細かく割り出し、恒常的に成功するための情報を集めます。

 

つまり、PDCAサイクルを回していくための、組織作りができているのです。

 

日本の企業は一般的に、互いに目を配り、全体のことを考えて行動することを各人に求めます。

そのため、職務内容(Job Description)もとかく抽象的になりやすく、

外国人の社員からは、何をすればいいのか分からない、という声が上がります。

 

目標達成、特にローカライズによる成功を収める企業は、この日本体質を克服し、

社員全員でPDCAサイクルを回す仕組みづくりをしています。

各人が自分の目標に対して責任をもって工夫をすることで、

ぐんぐん成長する組織が出来上がります。

 

東京コンサルティングファームでも、PDCAサイクルを回すため、

KPIを活用した組織作りを全面的にサポートしています。

少しでも、思ったように売り上げが上がらないと感じたら、

以下のリンクから、お気軽にご相談ください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

kondo.takamasa@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

http://www.kuno-cpa.co.jp/form/

 


 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

 


駐在員に対する雇用法の適用①

2018年05月21日 | マレーシアの労務

東京コンサルティングファーム、シンガポール駐在員の岩城です。

 

そもそも駐在員に対してシンガポールの雇用法は適用されるのか?ということを考えたことがありますか。

駐在員は出向元における駐在員規定に従うから、現地の雇用法や就業規則に従う必要はないと考えている人は多いのではないでしょうか。

 

駐在員の方は駐在員規定を熟読されたケースは少ないかと思いますが、それには全ての雇用条件を規定しているわけではなく、給与や福利厚生についての重要な条件のみが記載されており、その他については現地の法規制等に従うとされていることがほとんどです。

 

これまでにもよくお伝えしていますが、現在のシンガポール雇用法の対象者は限定されています。免除されている人は以下のように規定されています。

 

you are not covered if you are employed as a:

  • Manager or executive with monthly basic salary of more than $4,500.
  • Seafarer.
  • Domestic worker.
  • Statutory board employee or civil servant.

 

 

赤字にしている箇所が論点になりやすい箇所です。

つまり、月給S$4,500を超えてるマネージャーや経営層については、雇用法の対象外となっています。

 

「今、シンガポールで大きな動きが起ころうとしています。」

 

雇用法の対象者を制限せず、全社員に適用しようという動きが出ています。まだ内容は発表されていませんが、推測するに、全社員ではなく、S$4,500のキャップを外すのみで、引き続きManager and executiveについては対象外にするのではないでしょうか。ただし、全ての駐在員がManager and executiveの肩書で駐在しているとは限りません。トレーニーの場合には、今後雇用法の対象になりうることがあります。

 

PartⅣについては、現在のS$2,500(ホワイトカラー)のキャップがS$2,600に上がるとされています。

 

基本的に、日本人駐在員については、PartⅣ以外の項目で検討していくことが必要です。

 

次回より、各項目について検討していきましょう。

 

 

 

【問い合わせ先】

Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,

岩城 徳朗(iwaki noriaki)

iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

 

 

 


 


輸入サービスへのGST課税について

2018年05月14日 | シンガポールの税務

法人税率が低いことで名高いシンガポールですが、日本の消費税に当たるGST(Goods and Services Tax、財貨及びサービス税)については7%と、日本に近い税率が適用されています。

(2025年までに9%まで引き上げられる予定)

 

今年2月に公表された2018年の予算案では、このGSTが輸入サービスにも課税されるという点が大きな特徴です。

 

従前、サービス提供者、販売者側の企業が国内の場合に限って課税されていたGSTですが、音楽、書籍など電子販売が流行する昨今の市場では、同じコンテンツに対して課税された国内の企業が販売するより、非課税の外国にある企業が販売した方が価格は低く抑えられるという、ねじれた現象がみられるようになりました。

 

これを解消するために導入されるのが、リバースチャージ方式という課税方法です。

 

お金の流れで簡単に図示すると、以下のようになります。

 

輸入取引

消費者C>(107%)>    国内企業B      >(100%)>外国企業A

                                        >(  7%)>政府G

 

非輸入取引

消費者C>(107%)>    国内企業B      >(107%)>国内企業D>(  7%)>政府G

 

輸入取引において、サービスの受け手である国内企業Bから政府GがGSTを受け取ることにより、消費者Cに向けて販売する国内企業Bの仕入れ価格を、非輸入取引の場合に国内企業Dから買い取る場合の仕入れ価格と同じに調整できるという仕組みです。

 

この税制は2020年1月1日より導入予定で、すべての課税対象輸入者に申告義務が課せられます。

一方、シンガポール国内の消費者に直接サービス提供する外国企業に対しては、年間100,000 SGD以上のサービスを提供する外国企業に限って、GST課税業者としての登録が義務付けられることになります。

 

電子販売の企業にとっては影響の大きい変更になりますが、企業を誘致して国内を活性化させるというシンガポールの政策が強く表に出た税制と言えるでしょう。

 

本税制がビジネスに与える影響について、またその他各種税制に関しても、以下の宛先までお気軽にお問合せください。

 

【問い合わせ先】

東京コンサルティングファーム

シンガポールブランチ

近藤貴政

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※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Pte. Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。