シンガポール進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

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ローカルスタッフ採用

2016年03月28日 | シンガポールの労務

 皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。

 今回からローカルスタッフ採用時の留意点についてシリーズで情報提供していこうと思います。今回は基礎知識編として、シンガポール進出企業の各種書類の整備状況について私の実感を交えてお伝えします。

 シンガポールでは、就業規則の作成義務もなければ、雇用契約書の作成義務もありません。解雇時のnoticeについても、letterを発行することをよしとしていますが、義務とはなっておらず、雇用法を守れば問題のないものとなっています。

 Job hoppingの風習が定着しているシンガポールにおいて、これらをきちんと整備している企業や整備していても見直しを行っている企業が多いとは言い難いのが実状ではないでしょうか。

 もちろん、義務化されていないので作成する必要はありません。しかし、本当にそれで良いのでしょうか。仮にこれら書類の作成が義務化されていれば作らなければならないのは当然ですが、義務だから作るというものではありません。本来の作成する意味を考えて頂ければと思います。

 就業規則にしろ、雇用契約書にしろ、これらは従業員が安心して働ける環境を保障する企業の指針にもなっています。Job Hoppingが定着しているからローカルスタッフは辞めてしまうというのは、ある種日本企業の言い訳にも近いものだと考えていただければと思います。シンガポールの中には定着率の高い企業もあります。そういった会社の就業規則や雇用契約書を拝見すると、やはり内容の濃いものになっており、福利厚生については毎年見直しされ、長期就業できる土壌が整備されているものと感じます。

 日本企業にありがちなのは、20年前に設立し、当時弁護士に依頼して各種規則を作ったきり見直しをしていないということです。「とりあえずあります。」という回答をよく聞きますが、おそらく当時の責任者と今の責任者は変わっており、今の責任者はそれを一度も確認した事がないというケースもあるのではないでしょうか。それでは、当然従業員の定着が高まることはないでしょう。

 各種規則は、会社が従業員に対する1つのアピールの場であるということを考える必要があるのではないでしょうか。

 

【問い合わせ先】
Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,
岩城 徳朗(iwaki noriaki)
iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com
+65-8363-9858
 


 


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Work Pass Exempt について

2016年03月21日 | シンガポールの労務

 皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。

 今回はシンガポールのWork Pass Exempt Activityについて述べさせていただきます。

 シンガポールで就業する外国人は、基本的にEPの取得が必要となりますが、下記にあげる活動については、例外的にEPの取得なく、シンガポールでの就労が可能となります。期間は最大60日です。


・ Performances(公共施設で催される音楽やダンスなどのパフォーマンス関連)
・ Journalism Activities(政府や公共機関が後援しているジャーナリズム関連)
・ Sports(政府や公共機関が後援しているスポーツ競技イベント、トレーニング関連)
・ Location Filming & Fashion Shows(展示会開催関連、撮影やファッションショー開催関連)
・ Seminars & Conferences(セミナーや会議開催関連)
・ Provision of Specialised Skills(専門知識・特殊専門技術の提供)
・ Arbitration or Mediation Services(仲裁・調停)
・ Exhibitions(視察)
・ Junket Activities, Tour Facilitation(旅行ツアー補助関連)

 当該証明の申請は、申請者がシンガポール入国後にインターネット上でMOMへ申請し、即完了されるものです。

 短期での就労目的の際にも、面談のみならず、工事現場等でサービスを提供する際には、EPもしくは当該証明書が必要になるケースがありますので、シンガポール渡航前に確認する必要があります。


【問い合わせ先】
Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,
岩城 徳朗(iwaki noriaki)
iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com
65-8553-1607
 


 


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部分免税制度

2016年03月14日 | シンガポールの税務

 皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。

 今回はシンガポールの部分免税制度について述べさせていただきます。

 シンガポールは外資誘致を目的として、幾多の優遇税制を設けており、シンガポールを経由したビジネススキームを活用しようと、多くの日本企業がシンガポールへと進出しています。

 
【シンガポール法人税の概要】

 シンガポールの法人税率は17%が適用され、アジアの中でも最も低い税率の国の一つとなっています。
 また、シンガポールには、課税範囲についてもインセンティブがあります。他国においては、国内源泉所得と国外源泉所得の両方が課税対象となる全世界所得課税が一般的ですが、シンガポールにおいて、国外源泉所得のうち、シンガポールに送金された部分のみが課税対象となり、それ以外の所得については、課税対象とはされません。

【Partial Tax Exemptionの概要】
 シンガポールの法人税率は17%が適用されていますが、以前よりPartial Tax Exemption(部分免税)が採用されており、課税所得のうち、最初の10,000SGDまでは75%が免税とされ、次の29,000SGDについては50%が免税とされていました。
 2013年度の予算案より、上記部分免税に加えて、法人所得税額のうち30%分を減税することが発表されました。ただし、減税額の上限は30,000SGDまでとなっています。これは、シンガポールの物価上昇を理由とした制度であり、シンガポールへの投資をさらに促進するためのものであると考えられます。

【計算例】
 課税所得を500,000SGDと仮定した場合、以下のように法人所得税額を計算することになります。


〜2012年度まで〜

項目

計算式

課税所得

 

500,000SGD

部分免税

①10,000SGD×75%=7,500SGD

 

②290,000SG×50%=145,000SGD

①+② 152,500SGD

部分免税後課税所得

 

347,500SGD

法人所得税額

347,500×17%=59,075SGD

59,075SGD

 〜2013年度から〜
※上記法人所得税額から、さらに30%減税されます。

項目

計算式

法人所得税額

59,075SGD×(1-30%)

41,353SGD

 

 課税所得を500,000SGDと仮定した場合、2012年度までは実効税率が約11.8%だったのに対し、2013年度より約8.3%になっており、さらに低い税率となっています。

【シンガポールビジネスにおけるリスク】
 上述の通り、シンガポールではその税率の低さを利用し、税務上の恩恵を受けようと、多くの企業が進出しています。ただし、シンガポール法人に事業実体を持たせず、利益の還流のみを目的とした場合、タックス・ヘイブン対策税制のリスクが発生します。
 近年、シンガポールのように税率の低い国にある子会社に対し、当該税制の適用を受け、日本で子会社の所得についても合算課税されるケースが増えています。シンガポールに拠点を構える際には、当該税制の適用除外要件を満たし、有用なビジネスが進む配慮も必要となります。

【問い合わせ先】
Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,
岩城 徳朗(iwaki noriaki)
iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com
65-8553-1607


 


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シンガポールQ&A 休日出勤の手当てについて

2016年03月07日 | シンガポールの労務

皆さんこんにちは。東京コンサルティングファーム・シンガポールの岩城です。

<Q>
社員を会社都合で土曜日に出勤を命じました。この場合、手当てはどのように計算する必要があるのでしょうか。残業と同様、時給の1.5倍でしょうか。

<A>
シンガポールでは、残業代と休日出勤の手当て計算の方法は異なります。
ここでいう残業代とは、就業規則上出勤日(基本月~金)における時間外労働で発生するものです。休日出勤の手当ては出勤日以外の土日、祝日、会社で定める休日における労働で発生するものです。

まず、残業代は当該労働者の時給を算出し、その時給に対して1.5倍の残業代を支払うものとなります。休日出勤については、下記の通りです。

前提:平日の勤務時間が8時間の場合

ケース1.3時間の休日勤務を命じた場合
⇒1日分の給与を支払う

ケース2. 7時間の休日勤務を命じた場合
⇒2日分の給与を支払う。

ケース3.9時間の休日勤務を命じた場合
⇒2日分の給与と1時間の残業手当を支払う

 

以上


 


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