シンガポール進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

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駐在員に対する雇用法の適用①

2018年05月21日 | マレーシアの労務

東京コンサルティングファーム、シンガポール駐在員の岩城です。

 

そもそも駐在員に対してシンガポールの雇用法は適用されるのか?ということを考えたことがありますか。

駐在員は出向元における駐在員規定に従うから、現地の雇用法や就業規則に従う必要はないと考えている人は多いのではないでしょうか。

 

駐在員の方は駐在員規定を熟読されたケースは少ないかと思いますが、それには全ての雇用条件を規定しているわけではなく、給与や福利厚生についての重要な条件のみが記載されており、その他については現地の法規制等に従うとされていることがほとんどです。

 

これまでにもよくお伝えしていますが、現在のシンガポール雇用法の対象者は限定されています。免除されている人は以下のように規定されています。

 

you are not covered if you are employed as a:

  • Manager or executive with monthly basic salary of more than $4,500.
  • Seafarer.
  • Domestic worker.
  • Statutory board employee or civil servant.

 

 

赤字にしている箇所が論点になりやすい箇所です。

つまり、月給S$4,500を超えてるマネージャーや経営層については、雇用法の対象外となっています。

 

「今、シンガポールで大きな動きが起ころうとしています。」

 

雇用法の対象者を制限せず、全社員に適用しようという動きが出ています。まだ内容は発表されていませんが、推測するに、全社員ではなく、S$4,500のキャップを外すのみで、引き続きManager and executiveについては対象外にするのではないでしょうか。ただし、全ての駐在員がManager and executiveの肩書で駐在しているとは限りません。トレーニーの場合には、今後雇用法の対象になりうることがあります。

 

PartⅣについては、現在のS$2,500(ホワイトカラー)のキャップがS$2,600に上がるとされています。

 

基本的に、日本人駐在員については、PartⅣ以外の項目で検討していくことが必要です。

 

次回より、各項目について検討していきましょう。

 

 

 

【問い合わせ先】

Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,

岩城 徳朗(iwaki noriaki)

iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com

+65-6632-3589

 

 

 


 


MOMのQ&A集15

2018年01月22日 | マレーシアの労務

皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。MOMが発表しているよくある質問の例を見ていきましょう

 

Q. 雇用契約の条項が法律(Employment Act, CPF Act)などで定めている従業員の権利を違反する場合、雇用契約は有効ですか?あるいは法的効力を無くしますか?

 

 

A. 雇用契約に述べている条項がEmployment ActやCPF Actにて定めている類似法律に満たない場合には雇用契約自体が違法であり、価値を無くし、無効と見なされます。上記の法案2つで定める法条はすべての雇用契約の条項より先行条件であります。

 

Q. 雇用主が従業員に対しAWSを支払う (i.e 13th Month)のは義務付けられていますか?

 

A. AWS(13月の給与といわれる)の支給義務はEmployment Actにて定められておりません。しかし、雇用主は従業員との雇用契約あるいは就業規則にて、その支給を定めている場合、支払い義務が発生します。社内の定めが無い場合にはAWSはあくまでも雇用主と従業員間の交渉により、または暗黙の同意の上で支給額を決める事になります。雇用契約にて定めていない場合はすべて雇用主と従業員の両者間の交渉内容によって変更する事が出来ます。

 

Q. 全社員に対する、年次の基本給/時間給 /補償の賃上げは義務となりますか?

 

A. 基本給/時間給/その他補償の賃上げはEmployment Actにて定められておりません。この全ては雇用主と従業員の両者間の交渉や暗黙的な同意で変動する事があります。

 

 

 

 

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EP申請前の簡易確認ツール

2017年05月15日 | マレーシアの労務

 皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。今回はシンガポールの就労ビザであるEmployment Pass(EP)の申請前に利用できる簡易確認ツールを紹介いたします。

 

EPにMOM(人材開発省)が管理しており、申請内容をオフィサーが確認したうえでEP発行の認可を行うことになります。どこまで正確な情報かはわかりませんが、オフィサー次第で結果が変わるとも言われております。

 

そういう不確定要素の多いEPの申請ですが、申請前にEPの認可が下りるかどうかを測定するツールがあります。簡易的なツールとなるため、その結果が必ず本申請時の結果となるわけではありませんが、このツールにおいて申請が通らないという結果が出ている場合には、本申請の際もほぼ間違いなく同じ結果になります。

 

このツールはSAT(SELF ASSESSMENT TOOL)と呼ばれるものです。MOMが公開しているものですので、信頼性は高いと思います。

 

https://services.mom.gov.sg/sat/satservlet

 

ビザ申請のサポートを行う際、弊社でもこのツールを使用しています。給与設計する際にも、若手社員の場合には、手当を検討するのに利便性が高いものとなっております。

 

SATは基本的に職歴・学歴・給与によって判定されるものとなります。職歴と学歴は当然変更することはできませんが、給与についてはEP取得が可能となる水準まで変更してみてください。この給与については50ドル単位で判定結果がことなります。

 

 

 

 

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Maternity Leave(正社員とパートタイム)

2017年04月10日 | マレーシアの労務

 皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。前回はパートタイムのSick Leaveについて確認しましたが、今回はその他の休暇についてです。

 

Employment Act Part IV/Employment (Part-Time Employees) Regulationsの項目について>

 

Employment Act Part IV

Employment Regulations

・Rest Day

・Items to be specified in contract service

・Work on rest day

・Payment for work on rest day

・Hours of work

・Overtime Pay

・Task work

・Holidays

・Shift workers, etc.

・Annual Leave

・Annual Leave

・Sick Leave

・Payment of retrenchment benefit

・Maternity benefits

・Priority of retirement benefits, etc.

・Application of Act

・Retirement benefit

 

・Payment of annual wage supplement or other variable payment

 

※関係のある項目のみ抜粋

 

前回のおさらいですが、両者に同様の項目がある場合、Employment Regulationsでパートタイム向けに特別規定されていると理解してください。

 

今回は、Maternity Benefitについて確認してみましょう。

 

Employment RegulationsにはMaternity Benefitがあります。これらはMaternity Leave、Paternity Leave、Shared Parental Leave、Childcare Leaveが含まれます。

 

・Maternity Leaveについて

 

簡単に説明しますと、シンガポール国籍の子供を出産する女性従業員に対して、計16週間のPaid Leave(有給休暇)が付与されます。16週の内、8週分は会社が給与を負担し、もう8週分については国が給与を負担します。外国籍の子供を出産する女性従業員には、計12週間の休暇が付与されますが、8週間は会社が給与を負担し、残りの4週分については、無給となります。子供の人数により内容が変更となることに注意が必要です。

 

それでは、パートタイムにMaternity Leaveが付与されるかというと、答えは正社員と同様に付与されるものとなります。

 

ただし、Maternity Leaveは週単位での休暇を認めているため、営業日での換算はしません。週3日勤務の契約であるパートタイムに対しては、週3日勤務を前提として16ないしは12週の休暇が与えられることとなります。

 

その他、Paternity Leave及びShared parental Leaveについても、正社員と同様に付与されます。

 

Childcare Leaveについても、その他休暇と同様に付与されるものとなりますが、計算式について以下確認します。

 

(①1週間におけるパートタイムの平均就業時間/②正社員の1週間における平均就業時間)

×

③正社員に付与されるChildcare Leaveの日数

×

④当該正社員の1日の就業時間

 

具体例でみていきます。

<条件>

1. パートタイムが週5日、1日につき4時間就労する

2. 同様の正社員は週5日、1日につき8時間就労する

3. 正社員の休暇日数は2日とする

 

<Childcare Leave>

①4時間×5日=20時間

②8時間×5日=40時間

③2日

④8時間

 

この場合、パートタイムに付与されるChildcare Leaveは8時間となります。

 

 

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岩城 徳朗(iwaki noriaki)

iwaki.noriaki@tokyoconsultinggroup.com

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マレーシアにおける解雇について

2014年04月28日 | マレーシアの労務

皆さん、こんにちは。シンガポール駐在員の岩城です。

 

 さて、今回はマレーシアの雇用契約について述べさせていただきます。

 

 どの企業においても、ローカルスタッフを採用する際には、そのスタッフの能力等を判断するため、使用期間を設けることが一般的ですが、マレーシアは使用期間について法律上規定されておりません。

 

 一般的には、雇用契約書状において3ヶ月で延長可という使用期間を設けるのが一般的ですが、使用期間中に解雇して、不当解雇であると訴えられた場合、法律上効力を及ぼさない可能性があります。

 

 以前、勤務懈怠等により使用期間中(勤務1ヶ月)に解雇されたマレーシア人が不当解雇と労使関係局に申し出たところ、使用期間3ヶ月分の給与を支払うよう会社は命じられました。

 その理由が子供が2人おり、さらに3人目もまもなく産まれるのだからという、日本では考えられないものでした。

 

 マレーシア雇用法において、解雇を正当化する行為の程度を明文化していることはなく、解雇の正当性を判断するのは最終的に労使関係裁判所にゆだねられることになります。そのため、解雇をする際には、十分に注意を払う必要があるでしょう。

 

 

 

 マレーシアに対する注目は日に日に高まっており、シンガポールにおいてもそれは十分に感じ取れます。現在、マレーシアについては、シンガポールより兼務という形でサービスを提供しておりますので、ご質問等ございましたらお気軽に小職までご連絡ください。

 

 最後に、先日弊社より『シンガポール・香港 地域統括会社の設立と活用』が出版されました。シンガポール紀伊国屋等でも販売されておりますが、現地価格となっておりますので、シンガポールで購入を希望される際には、下記連絡先までお問い合わせ頂ければと思います。

 

  地域統括会社としての機能を持たせるスキームや、上記労務に関する詳細、会計税務についても網羅的に記載しております。

 

 

Tokyo Consulting Firm Co. Pte. Ltd.,

岩城 徳朗(iwaki noriaki)

 

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