東京コンサルティンググループ・フィリピンブログ

毎週木曜日更新
東京コンサルティンググループ・フィリピン駐在員より、現地から生の情報、声をお届けします。

Wiki-Investment

BOI、PEZAの報告書について

2012年12月26日 11時36分36秒 | フィリピンの税務
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

今週はBOI及びPEZAの報告書についてお話させて頂きます。

フィリピンの優遇税制にはBOIやPEZAの優遇税制があります。これらについて登録し、優遇税制を受ける場合、BOI登録企業はBOIへ、PEZA登録企業はPEZAへそれぞれ以下の報告書を提出しなければなりません。

1. BOI登録企業
四半期報告書→各四半期末日より60日以内
半期報告書→各半期末日より60日以内
年次報告書→5月15日まで

2. PEZA登録企業
月次報告書(輸出型企業のみ)→翌月5営業日以内
四半期報告書→各四半期末日より45日以内
年次報告書→会計年度の末日から90日以内

報告書の提出が遅れると以下のような罰金が発生します。
1. BOI登録企業
 報告遅延
1回目
報告遅延
2回目
報告遅延
3回目以上
罰金額25PHP50PHP100PHP
1日当たりの
加算額
5PHP/day10PHP/day20PHP/day

2. PEZA登録企業
 報告遅延
1回目
報告遅延
2回目
報告遅延
3回目以上
罰金額500PHP1,000PHP2,000PHP
1日当たりの
加算額
50PHP/day150PHP/day200PHP/day

なお、余談ですがPEZA報告書の遅延に関する罰金については額も大きいため、遅延の理由によっては罰金額の減額についてPEZAと交渉が可能ということです。

今週もどうぞ宜しくお願い致します。
以上
コメント

病院の設立について

2012年12月17日 10時42分16秒 | フィリピンの法務
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

先週、フィリピンに日本資本100%で病院を作りたいというお客様がいらっしゃいました。医療の面では日本と比べて遅れているフィリピンですので、現地に住む者としては非常に嬉しい話でございます。今週はフィリピンに病院を作る場合についてお話させて頂きます。

2012年度投資優先計画により病院・医療サービスが新たに追加されました。ですので、BOIへ投資申請をし、認められれば100%日本資本でフィリピンに病院を作ることができます。また、BOI登録企業として4年間の法人税の免除など優遇税制を受けることができます。

しかし、ここで気を付けなくてはならないのは医者はネガティブリストの「専門職」にあたるため、日本人を含めた外国人はフィリピンで医者として働くことはできないということです。つまり、日本の医者は経営者や管理者、技術指導者としてフィリピンで働くことはできるものの、医者として実際に診療や手術などのオペレーションをすることはできません。

また、外国籍の企業は土地を取得することができないため、病院を作る際の土地はレンタルする必要があります。

弊社は会社設立サポートも扱っておりますので、進出前のご相談事などございましたらお気軽にご来社下さいませ。東京・横浜・名古屋・大阪、もちろんフィリピン現地でもお待ちしております。くわしくはこちらからお問い合わせください。

今週もどうぞ宜しくお願い致します。

以上
コメント

会計基準について

2012年12月10日 11時35分12秒 | フィリピンの会計
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

今週はフィリピンの会計基準についてお話させて頂きます。

■会計基準の変遷
フィリピンでは元々、独自の会計基準を持っておらず、米国会計基準を採用してきました。1983年にフィリピン会計基準委員会により公布されたフィリピン財務会計基準(State of Financial Accounting Standards)がフィリピンにおける最初の会計基準になっています。

その後、IFRS適用の流れが世界中に広まり、フィリピンでも2005年に国際会計基準に基づいたフィリピン会計基準(PAS:Philippines Accounting Standard)が制定されました。その後もコンバージェンスが進められ、2012年1月1日以降は、一部の移行措置を除いて、国際会計基準と同様の会計基準となりました。

現在、フィリピンで事業を行うすべての法人はフィリピン会計基準に従わなければならないとされています。ただし、中小企業に該当する企業に関しては、中小企業向けフィリピン会計基準の適用が認められています。

■会計関連機関
フィリピンにおける会計基準の運営について、中心となっているのは会計基準委員会(ASC:Accounting Standards Council)です。また、財務報告基準委員会(FRSC:The Financial Reporting Standards Council)においては会計基準の整備がなされています。さらに、フィリピン会計審議会及び証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)が規制当局となっています。

■会計基準の対象企業
従来、SECはすべての企業において国際会計基準を基礎としたフィリピン会計基準を適用すると定め、一定の規模以下の企業(総資産2億5,000万ペソ以下、又は総負債1億5,000万ペソ以下の企業)にはPAS101号により基準の一部の適用を行わなくてもよいとしてきました。

しかし、中小企業からの申請により、2009年には中小企業に対して適用内容の緩和された別基準が公表され、中小規模の会社に適した体系や内容の基準を適用することが認められるようになりました。これは国際会計基準の中小企業向け基準(International Financial Reporting Standards for Small and Medium Entities)をそのままフィリピンの中小企業向け会計基準として導入したものであり、2009年10年1月以降に始まる会計年度から適用を認めることになりました。

フィリピンにおいて、この中小企業向け会計基準の適用対象となる企業は、総資産が300万~3億5,000万ペソもしくは総負債が300万~2億5,000万ペソの企業となっており、これまでのPAS101号適用対象企業と若干異なる点に注意が必要です。

なお、日本からの進出企業のような外資企業に対しても、フィリピン国内企業と同様の体系により会計基準が適用されることになります。

【適用される会計基準のまとめ】
会社規模適用される会計基準
総資産及び総負債が300万ペソ未満旧フィリピン会計基準(2004年)、又は中小企業向けIFRSに準拠した中小企業向けフィリピン会計基準の選択適用
総資産300万~3億5,000万ペソもしくは総負債300万~2億5,000万ペソ中小企業向けIFRSに準拠した中小企業向けフィリピン会計基準
総資産3億5,000万ペソ超もしくは総負債2億5,000万ペソ超、又は上場会社IFRSに準拠したフィリピン会計基準
出所:SRC RULE68, AS AMENDED-PARTI-2

■フィリピン会計基準の体系
国際会計基準に基づいて作成されたフィリピン会計基準では、基準番号まで国際会計基準と対応するものになっています。

【フィリピン財務報告基準】
番号基準名
PFRS 1フィリピン財務報告基準の初年度適用
PFRS 2株式報酬
PFRS 3企業結合
PFRS 4保険契約
PFRS 5売却目的保有資産及び廃止事業
PFRS 6鉱物資源の評価のための調査及び研究
PFRS 7金融商品:開示
PFRS 8事業セグメント
PFRS 9金融商品
PFRS 10連結財務諸表
PFRS 11ジョイントアレンジメント
PFRS 12他の関連会社に対する持分の開示
PFRS 13公正価値測定
出所:Asian Development Bank ホームページ(Diagnostic Study of Accounting and Auditing Practices in the philippines)

【フィリピン会計基準】
番号基準名
PAS 1財務諸表の表示
PAS 2棚卸資産
PAS 7キャッシュフロー計算書
PAS 8会計方針、会計上の見積りの変更及び誤謬
PAS 10後発事象
PAS 11工事契約
PAS 12法人所得税
PAS 14セグメント報告[PFRS 8で改訂]
PAS 16有形固定資産
PAS 17リース
PAS 18収益
PAS 19福利厚生
PAS 20政府補助金と政府援助の開示に関する会計基準
PAS 21外貨換算
PAS 23借入に伴う利息
PAS 24関連当事者の開示
PAS 26退職給付会計
PAS 27連結及び個別財務諸表
PAS 28関連会社に対する投資
PAS 29超インフレ経済下における財務報告
PAS 30金融機関の財務諸表における開示
PAS 31ジョイントベンチャーに対する持分
PAS 32金融商品
PAS 33一株当たり利益
PAS 34中間財務報告
PAS 36減損会計
PAS 37引当金、偶発債務及び偶発資産
PAS 38無形固定資産
PAS 39金融商品の認識及び測定
PAS 40投資プロパティ
PAS 41農業会計
出所:Asian Development Bank ホームページ(Diagnostic Study of Accounting and Auditing Practices in the philippines)

■フィリピン会計基準と国際財務報告基準との相違
フィリピンの会計基準は、国際財務報告基準を採用しているため、基本的な理解をすることは難しくありません。

施行当時は、特定の基準における経過措置(例えば、PAS第19号及びPFRS第7号)もしくは適用日(例えば、IFRS第15号はフィリピンでは2012年より発効)について注意が必要な項目がありましたが、2012年にはそれらの差異も解消されます。

ただし、IFRSの改正があった場合には、PFRSにその改正が採用されるまでの経過措置等がとられる可能性は今後とも否定できませんのでフィリピン公認会計士協会(PICPA:Philippines Institute of Certified Public Accountant)のホームページで、財務報告基準審議会(Financial Reporting Standard Council)からの「News」の項目を確認することが有効となります。

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上
コメント

会計制度について

2012年12月03日 11時07分45秒 | フィリピンの会計
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

今週はフィリピンの会計制度について述べてみようと思います。

■フィリピン会計制度の概要
フィリピンの企業会計制度は、会社法、証券法、フィリピン会計基準により規定されています。両法は、証券取引委員会(SEC)により管理、実施されています。
会社法では、最低限の財務状況報告義務を、同法に基づいて登記された会社に対して課しています。すべての会社は会計帳簿を作成し、独立監査人の監査証明を付した財務諸表を株主総会及びSECに報告する義務を負います。

一方、証券法は、証券取引所に上場している会社のように大衆向けに証券を発行する会社を対象とした法律であり、多数存在する利害関係者を保護するため、より詳細な企業情報の開示を要請するものです。
会計基準については、他の法律同様に米国の影響を強く受けてきました。しかし、近年のIFRS適用の拡大はフィリピンも例外ではなく、徐々にコンバージェンス(自国の会計基準をIFRSに近づけること)が進められ、2012年度よりIFRSの全面適用が開始されることになりました。

【フィリピン会計制度のまとめ】
項目内容留意点
関連法会社法、証券法、PFRS(フィリピン会計基準)
担当行政機関証券取引委員会、歳入庁など
会計通貨ペソ
記帳言語英語フィリピン公用語である英語による会計帳簿の作成が求められる
帳簿保存期間7年
会計期間原則、暦年による12カ月暦年以外の、任意の12カ月で構成される会計年度の採用も認められる
フィリピン会計基準の遵守原則、PFRSをすべての事業体に適用中小企業には中小企業向け会計基準の適用が認められる

■会計関連の法規
会計に関連する法規として、フィリピンには会社設立や会社運営ルールを規定した会社法(The Corporation Code)、証券市場の規律である改正証券法(The Revised Securities Act)、租税規定である内国歳入法(The National Internal Revenue Code)、主に公認会計士制度を規定した改正会計法(The Revised Accountancy Law)の4つがあります。

■会計期間
会計期間は、1月1日から12月31日までの暦年の会計年度を採用するケースが一般的ですが、その他の12カ月で構成される会計年度を採用することも可能であり、企業の付属定款に定めることにより任意で設定できます。また、国税庁(BIR)の事前承認があれば課税年度を変更することもできるため、日本の親会社と決算日を一致させることができます。

[会計期間の変更]
IFRSでは、原則として連結子会社の会計期間を親会社と一致させることが要求されます。日本の会計基準では、会計期間のズレが容認されていたため、IFRS適用にあたり、子会社の会計期間を変更する必要が出てくる会社もあります。

会計期間は付属定款への記載事項であるため、付属定款の変更に関して証券取引委員会(SEC)、及び内国歳入庁(BIR)への変更手続が必要となります。

[SECへの申請手続] 定款を変更する場合、株主総会において3分の2以上の賛成による特別決議が必要となります。また、付属定款の変更は証券取引委員会の認可があって、初めて有効となります。加えて、会計期間を変更する場合には、定時株主総会の日付の変更が必要になる点に、留意しなければなりません。

[BIRへの申請手続] SECへの申請を行った後に、BIRへ変更申請を行います。必要書類を作成し、新しい会計期間開始の60日前までに、所轄の地方事務所(RDO:Revenue District Office)に提出しなければなりません。

地方税務署の法務部門での審査が終了すれば、許可証が発行されることになります。この許可証の発行は、申請から30日以内に行われるものとされています。

■会計帳簿
会社法の規定により、フィリピンで事業を行うすべての企業は、会計帳簿を作成し、保存する義務があります。
また、作成された会計帳簿は会計年度末から3年間、会計処理の根拠となる請求書や納品書、領収書といった証票書類と併せて保存する必要があります。会計帳簿とは、仕訳帳、総勘定元帳等で構成され、帳簿は英語で記帳しなければなりません(会社法74条、内国歳入法6条)。

これらの規定違反があった場合、会社法の下では、裁判所の決定に基づき1,000~10,000ペソの罰金、又は30日以上5年未満の懲役、若しくはその両方の罰則を受ける可能性があります。また会社として違反がなされた場合には、証券取引委員会により解散手続がとられることもあります(144条)。

さて、師走に入り、会計帳簿の更新の季節になりました。会計帳簿の更新は12/31までにBIRに対して行うことになっておりますので、師走の忙しさなどから帳簿の更新をし忘れないよう、どちら様もお気を付け下さいませ。

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上
コメント