東京コンサルティンググループ・フィリピンブログ

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東京コンサルティンググループ・フィリピン駐在員より、現地から生の情報、声をお届けします。

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監査について

2012年11月27日 11時54分19秒 | フィリピンの会計
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

年の瀬が迫り、クリスマスのイルミネーションも日毎に華やかさを増すマニラです。先日、たまたま乗り合わせたタクシーの運転手さんにクリスマスの予定を聞いたところ、「1週間休んで家族とゆっくり過ごすよ」ということでした。経済的には決して裕福ではないであろうタクシーの運転手さんでさえ、1週間休んでお祝いをするフィリピンのクリスマス。電気代がアジアでは日本に次いで2番目に高いにもかかわらず、これでもかというくらい華やかな街のイルミネーションに、フィリピン人の持つ情熱と陽気さ、そして敬虔さを深く感じずにはいられません。この情熱が将来的に良い方向に向かうよう、今後もフィリピン人の方と協力してビジネスを続けて参ります。

今回のブログは「年の瀬が迫れば監査」ということで、フィリピンの監査制度についてお話させて頂きます。

■監査対象企業
フィリピンにおいては、5万ペソ(約10万円)以上の資産を持つ企業は、外部監査人の監査を受けた決算書を証券取引委員会(SEC)に提出しなければなりません。つまり、ほとんどすべての企業が監査の対象になります。

■監査人の要件
会計監査は、独立の公認会計士を選任して行われなければなりません。フィリピンにおいて公認会計士となるためには、公認会計士試験に合格すること、最低3年間の会計事務所等での実務経験が求められます。

■監査内容
監査対象企業では原則として年一回、監査人による監査報告書の作成が必要となります。
また、監査基準の内容はほぼ国際的な監査基準と同等のものです。外部監査人による意見には、①無限定適正意見、②限定付適正意見、③不適正意見、④意見差控の4種類があり、継続企業の前提について疑義がある場合には、監査人は当該リスクについて言及することが義務付けられています。
なお、フィリピンの監査の内容は、フィリピン監査基準(PSA:Philippines Standard on Auditing)により定められています。

■報告期限
非上場会社は、会計年度終了日から105日以内に監査済財務諸表をBIRに提出しなければなりません。また、監査済財務諸表のSECへの提出については、基本的には会計年度終了日から105日以内が報告期限となっておりますが、正確な期限はSEC登録番号の末尾の番号によって若干異なっております。詳しくはSEC登録書の裏面をご参照下さいませ。

まだ来年の監査人をお決めになっていない企業様は、是非とも弊社にお声掛け下さいませ。
今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上
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新刊『フィリピンの投資・M&A・会社法・会計税務・労務』が完成しました

2012年11月22日 14時05分42秒 | お知らせ
新刊『フィリピンの投資・M&A・会社法・会計税務・労務』が完成しました。



タイの洪水によるサプライチェーンの寸断、中国やASEAN諸国の最低賃金上昇など様々なリスクにさらされる中、フィリピンはリスクの分散先として注目を集めています。

また、フィリピンは発展の著しいASEAN諸国の中で、未だ低い労働コストを維持し、また国民の多くが高い英語力を有しており、グローバルに活躍する企業にとって非常に魅力的な国だといえます。

しかしフィリピンについて体系的にまとめた書籍は日本にはまだありません。本書は、フィリピンでのビジネスに必要な情報を網羅した、関係者必携の1冊です。

巷ではこの海外直接投資シリーズを「海外投資の赤本という愛称でご愛読いただいているようです。もうすぐ『ブラジルの投資・M&A・会計税務・労務』を予定しており、そのあとも続々と本の出版を予定しています。今後も出版を通じて日系企業への貢献を続けてまいります。

弊社ホームページにて先行販売を開始しています。詳しくは下のバナーをクリックしてください。

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工業団地情報

2012年11月19日 13時27分41秒 | フィリピンの投資環境・経済
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

先日、日本のお客様よりフィリピンの工業団地に関するお問い合わせを頂きました。その関係で進出をご検討されている工業団地様と電話で連絡を取らせて頂きましたが、非常に親切で丁寧な対応をして頂きました。ご担当者様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

今週はそんなフィリピンの工業団地情報をお届け致します。

■地域の特徴
国内には、PEZA(フィリピン経済区庁)というフィリピンの政府機関が運営母体となった輸出加工区、民間運営の団地を含め、主要な工業団地が多く存在し、既に50件以上の工業団地があり、建設中の工業団地を含めると100件以上あります。いずれの工業団地も空港、港湾からのアクセスが容易であり、また、近年では日本以外のアジア圏との貿易も年々拡大しており、今後工業団地は益々増加すると考えられています。
フィリピンのエコノミックゾーン(経済区)と呼ばれている工業団地に進出している外国企業の約6割が日系企業であり、現在約630社の日系企業が経済区内で活動しています。とりわけカラバルゾン(マニラ南部のカビテ州、ラグナ州、バタンガス州、リサール州、ケソン州)地区への進出が目立っています。

【工業団地のマッピング】



出所:日本アセアンセンター

【主な工業団地と進出済日系企業】

地域工業団地進出済日系企業、業種等
地域1Pangasinan Industrial Park I
Pangasinan Industrial Park II
Poro Point Special Economic & Freeport Zone
地域2Angeles Industrial Park
Cagayan Special Economic Zone & FreeportTAIYO:まぐろはえ網漁業
地域3Angeles Livelihood Complex
Bataan Economic Zoneミクニ:中古車の修理
ミツミ電機:電気製品部品製造
その他、婦人物バッグ、手袋、ファイバーガラス等の生産製造会社等
Berthaphil Industrial Park
Bulacan Metro Warehouse Center
Central Technopark住友電装、三洋電機
Clark Special Economic Zone(CSEZ)横浜タイヤ
First Bulacan Industrial City
Floridablanca Productivity Center
Furniture City & Livelihood Plaza
Hermosa Productivity Center
Intercity Industrial Estate
Luisita Industrial Park Iワイヤー、ケーブル製造会社
Mexico Productivity Center
Meycauayan Industrial Subd.
Petrochem Park
Philexcel Industrial Park
Philippine Cyber City
Porac Productivity Center
Southcoast Industrial Park
Sterling Industrial Park
Subic Bay Freeport (SBF)
Subic Industrial Park I & II
Subic Special Economic Zone
Subic Technoparkオムロン、日本インター、三協精機製作所、三洋電気
Subic-Hermosa Cyber City
Subic Shipyard Special Economic Zone Firms造船業
地域4Anabu Hills Industrial Park
Batangas Union Industrial Park川崎製鉄、三井物産
Bestworld Industrial Park
Calamba Premiere International ParkSamsung Electro Mechanics
Carmelray Industrial Park I富士電機、富士通、ジェコー、日本電装、
Carmelray Industrial Park IIアダメイ・インターナショナル、九州松下電器、伊藤製作所、東京鋲兼
Carmelray International Business Park三菱自動車工業、富士電機
Canlubang Industrial Estate
Cavite Economic Zoneコンピューター部品、自動車部品、衣類等の製造、90社以上
Cavite Light Industrial Park
Cavite Productivity and Economic Zone
Cocochem Agro-Industrial Parkグリセリン製造
Daiichi Industrial Park省エネ用設備の製造
Dasmarinas Technopark
Dolores Industrial Park
Filinvest Technology Park (Calamba、 Laguna)
First Cavite Industrial Estate不二サッシ、他電子部品、自動車部品の製造等30社以上
First Philippine Industrial Park大友製作所、富士通、日東電工
キヤノン(2013.4操業開始)
ブラザー(2013.4操業開始)
村田製作所(2013.1操業開始)
Gateway Business Park電機製品、電子製品の製造
GMA Industrial Estate
GMI Industial Estate
Golden Mile Business Park
Greenfield Automotive Park
Guoco Industrial Estate
Laguna International Industrial Park自動車部品、コンピュータ部品製造
Laguna Technopark富士通テン、日立製作所、本田技研工業、東芝等50社以上
Light Indutry & Science Park I製造業等20社以上
Light Industry & Science Park II製造業等10社以上
Light Industry & Science Park III
Lima Technology Center大宝㈱、日立電線㈱、セイコーエプソン㈱、東洋ゴム化学㈱等10社以上
Meridian Industrial Complex
Mountview Industrial Complex I & II
New Cavite Industrial City
People's Technology Complex家具、自動車部品等製造業
Philtown Industrial Estate I & II三菱自動車工業
Rancho Montana Ecozone
RLC Special Economic Zone
Silangan Industrial Park
Southwoods Ecocentrum Tourism Estate
Sterling Technopark
Tabangao SEZ
Toyota Sta. Rosa (Laguna) SEZ製造業
地域5Bicol Industrial Park
地域6New Coast Boracay Ecozone
地域7Cebu Light Industrial Park
CCTC Information Technology ParkNTTテレコムソフトウェア
Mactan Economic Zoneヘルスケア製品、プラスティック工業製品、精密レンズ等製造60社以上
Mactan Economic Zone II製造業等15社以上
Mandaue North Central
New Cebu Township One
West Cebu Industrial Park製造、重工業等
地域8Leyte Industrial Dev. Estate銀、銅の製造
Tacloban SEZ
地域9Zamboanga City SEZ & Freeport
地域10Phividec Industrial Estate花王、川崎製鉄
地域11First Oriental Business & Industrial Park
Ilaieco Special Economic Zone
Samal Casino Resort
CARAGABaguio City Economic Zoneプラスチックトレー製造
Philnico Industrial Estate SEZ
Tubay-Agri Processing Center
Jasaan Misamis Oriental Special Economic ZonePilipinas Kao Inc

工業団地には、①経済区庁により開発・運営される輸出加工区、②国家住宅公団により開発・運営される工業団地、③民間により開発・運営される工業団地などがあり、政府は、貿易工業省主導で輸出加工区を中心とした工業団地整備に力を入れています。

■日系企業が進出している主な工業団地
[ファーストフィリピン工業団地]
バタンガス州サントトマス市及びタナウナン市に股がる地域に位置し、総開発面積が349haです。入居企業数が約60社(うち日系企業が34社)です。
ASEAN各国で工業団地を展開する住友商事海外工業団地がフィリピンの有力財閥ロペスグループと共同で開発し、マニラ中心部から52km、高速道路で約50分のところにあります。各種インフラは勿論、貸工場、和食レストラン、屋内スポーツ施設、物流センターなどの施設も充実し、さらに日本人2名が常駐し、管理をしています。
また、初期投資を抑え、すぐに操業可能な貸工場、事務所などの提供も行っています。
富士通、住友ベークライト、本田技研工業、などが入居しており、主要な自動車・二輪メーカーや電機メーカーが60分圏内に集積しています。また、世界最大のたばこメーカー、フィリップ・モリスが進出し、世界最大規模ともいわれる煙草生産拠点を作ることで話題になっています。
2013年には、村田製作所、キヤノン、ブラザー工業の大手3社が操業を開始します。

[ラグナテクノパーク]
首都マニラ中心地から南へ45kmに位置し、高速道路で約1時間の所に立地しています。
フィリピンの大手財閥アヤラ・グループ、三菱商事などの合弁で開発し、マニラ中心部から44kmです。120社を超える企業の製造工場が隣接し、周辺にはショッピングセンターや高級住宅地が立ち並んでいます。日立製作所、東芝、NECなどのコンピューター会社が多数進出しています。また、本田技研、いすゞ自動車などが入居しています。

[クラーク経済特別区]
マニラの北約80kmに位置し、高速道路で約1時間、フィリピンのルソン島パンパンガ州にあるアンヘレスに隣接するクラークは、1991年に米軍クラーク空軍基地が返還された後、フィリピン政府が引き継ぎ、1993年に政府直轄の経済特別区と指定され軽工業、リゾート、カジノ、国際会議場などがあります。
クラークの約半分のエリアが国際空港であり、韓国などから直行の定期便が飛んでいます。プールやゴルフコースまで歩いて行けるなど、住環境も整っており、クラーク開発公社の管理のもとで、治安もよいことで有名です。さらに、数々のレストランやホテルがあり、免税店では日用品の購入も可能です。
日系の大手では横浜タイヤの工場が有名であり、他にも中小企業が複数進出しています。

[リマ工業団地]
フィリピン政府が重点工業地域と指定しているカラバルゾンエリアのマニラ首都圏バタンガス州に位置し、マニラ中心部から約65km、高速道路で約70分。丸紅株式会社と現地アルカンタラグループの中核企業であるアルソンズランド社の合弁企業であるリマランド社により開発され、工業用水、電気の安定供給、セキュリティー面での管理も行われています。
リマシティホテルが操業中であり、現在戸建住宅を開発中であり、商業地域の開発計画もあります。セイコーエプソン、日立電線、ヤマハ発動機などが進出済みです。

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上
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13カ月手当の計算方法について

2012年11月12日 10時22分35秒 | フィリピンの労務
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

先週、ついにマカティ市内の道路脇やショッピングモール内のクリスマスイルミネーションに灯りがともりました。クリスマスまで残り1ヶ月半、日に日にクリスマスムードの高まっていくフィリピンでございます。

フィリピン現地の方にとって、そんなクリスマスの準備に欠かせないのが13カ月手当(The 13th-Month Pay)ですが、今週はその一般的な支給日と計算方法についてお話させて頂きます。

●一般的な支給日
13カ月手当法(The 13th-Month Pay Law)によると13カ月手当は「12/24までに支払われるべきもの」とされています。クリスマスプレゼントやクリスマスパーティーの準備費用にあてられるよう、12月第1週での支給が多くなっています。

●一般的な計算方法
「基本給×12月までの勤務月数÷12=13カ月手当の支給額」が一般的な支給額となっています。
(例)
基本給10,000PHP/月、1/1入社の人→10,000×12(ヶ月)÷12=10,000PHP
基本給15,000PHP/月、7/1入社の人→15,000×6(ヶ月)÷12=7,500PHP

つまり途中入社の方は、一般的に満額の1ヶ月分はもらえないということになっております。

今週もどうぞ宜しくお願い致します。

以上
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13カ月手当法について

2012年11月05日 11時04分50秒 | フィリピンの労務
こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

フィリピンでは日本と比べてクリスマスシーズンがとても長く、月の名前に「ber」がつき始めるとクリスマスの準備を始めます。SeptemberからDecemberを通り越し、1月中旬までクリスマスムードは続くとのことです。にぎやかなフィリピンらしく、非常に個性的で面白い文化だと思います。

さて、今週のブログはフィリピン人にとって、そんなクリスマスシーズンには欠かせない13カ月手当についてお話をさせて頂きます。

●13カ月手当法について
周辺のアジア諸国の主たる宗教が仏教やイスラム教、ヒンドゥー教であるのに対し、フィリピンはアジアの中で唯一のキリスト教国です。この背景にはスペインが植民地支配を進めるための政策としてキリスト教を用いたということがあります。

国民の90%以上がキリスト教徒であるフィリピンでは、クリスマスと新年を祝うために、13カ月手当法(The 13th-MonthPay Law)という法律が定められています。雇用者は12月24日以前に、労働者がその年に受取った基本給の1カ月分を13カ月手当として支払わなければなりません。なお、13カ月手当は2回に分けて支給することも可能です。

フィリピンでは賞与の支払は義務付けられていないため、フィリピンの現地企業では賞与の支払は一般的ではありません。一方日系企業では、2010年には70%の企業で賞与が支払われています。また、13カ月手当法が施行される以前は、クリスマスボーナスという形で賞与を支払っていた企業もありました。

キリスト教徒ではない日系企業にとって13カ月手当の支払はかなりの負担に感じられることと思いますが、所定の日までに支給しない場合は罰則があり、労働者の不満を買うことにもなるため細心の注意が必要です。

13カ月手当については、最高3万ペソまで給与所得者の所得税が免除されます。所得税免除額の上限を超える部分については、雇用者が源泉徴収することになります。13カ月手当に対して所得税が一部免除されるという点からも、国家としてこの手当を重要視していることが伺えます。日系企業には、現地の風習を考慮した対応が必要かと思われます。

今週もどうぞ宜しくお願い致します。

以上
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