東京コンサルティンググループ・フィリピンブログ

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東京コンサルティンググループ・フィリピン駐在員より、現地から生の情報、声をお届けします。

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失敗談

2012年06月25日 10時56分41秒 | フィリピンの投資環境・経済
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

今日は法律などの難しい話ではなく、私の失敗談をお伝えします。一時帰国をしたときに、日本でマニラ行きの飛行機に乗れなかったという話です。
通常、フィリピンで働く場合9(g)ビザを取得します。このビザを取得する前段階として、AEP(Alien Employee Permit)を取得するのですが、恥ずかしながら私はこのAEP(日本の保険証のサイズ)でもうビザを取得した気分になっていました。通常、9(a)ビザ(観光ビザ)なら、日本の空港からフィリピンに出国する際には、リターンチケット(フィリピンから日本へのもどりのチケット)をちゃんと持っているかを確認されます。これがなければ、日本を出国できません。

私は、上記のようにすでにビザを取得したと誤った理解をしており、一時帰国の際にマニラ発日本着のチケットと日本発マニラ着のチケットを持っていました。日本についてつかの間の休日を過ごしたまでは良かったのですが、問題はこの後です。というのは、日本からマニラにもどるときに、持っているチケットは片道のみです。リターンチケットは当然持っていません。チケットを買えば問題は解決するのですが、システムの問題や手持ち現金を銀行に入れていたことなどからチケットを手配できませんでした。結局、もどりのチケットを購入、加えてリターンチケットを購入して2日遅れでフィリピンへもどったのでした。

教訓をまとめると次のようになります。
・AEP取得後、9(g)ビザ発給。それまでは、観光ビザと同じなので、日本出国の際はリターンチケットが必要。(ちなみに、ダミーチケットを購入する場合は、クラーク発マカオ着が一番安いようです)

恥ずかしいお話ですが、何かの役にたてばと思い、お伝えしました。

以上
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OFW報道での違和感

2012年06月18日 09時46分36秒 | フィリピンの投資環境・経済
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

「比較」する機会に恵まれることは、駐在員生活の1つの魅力です。日本で報道され、そこから知り、感じることができる「主観」と、実際に現地で目にし、感じることができる「主観」とを比較し、気づいた「違和感」を伝えることができるように文書化する作業は大変難しいのですが、それもまた2つ以上の異なる国や文化圏を往来できる者の役目だと考えています。「違和感」はアイデアの芽であるからです。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、6月上旬に数日、日本へ一時帰国しました。次に紹介する番組にも登場した、Cebu Pacificのフィリピンへ戻る機体で、この原稿を書いています。私の日本帰国する直前にテレビ東京の「未来世紀ジパング」という番組でフィリピンのOFWについての放送がありましたので、録画を妻に依頼し、この機会に見ました。
OFWがフィリピンの国家戦略であり、優秀で勤勉な若者が訓練され、海外を目指しているという論調でした。番組の最後には、「日本がこのような移民を受け入れれば、働き手が増えることで国内GDPも増えるし、フィリピンのOFWの方にも喜ばしいことである。そして、フィリピンへの海外送金が増え、Win-Winを生み出せる」という明るい未来をある新聞社の方の見解が結論として述べられました。

違和感を覚えました。

違和感の原因は、「フィリピンの方にとってベスト」とは思えず、ひどく日本へのWinを強調した意見なのではないだろうかと「感じた」からでした。

OFWになるフィリピンの方は自国や家族と離れて、出稼ぎにいくことに心理的なハードルがあるはずではないだろうか。自国で出稼ぎと同程度の所得があれば、何も家族と離れる選択肢をわざわざ選択するだろうか。
言い換えるのであれば、今は経済的便益(海外での所得獲得)と、心理的な安定(家族との生活)はトレードオフの関係であり、OFW各人が自らの価値観に応じて選択している。ただし、経済的便益の差がなくなったフィリピンであるならば、家族との関係を重要とする彼らの価値観としては、家族との生活を尊重するのではないだろうか。相手(フィリピンの方)の本当のWinは、経済的側面だけではなく、他の面からも考えなければならないのではなかろうか。そして、経済的便益の差をなくすことは、OFWの増大に寄与することだけではなく、むしろ出来ることであれば、フィリピン国内自体に雇用を生むことが経済的な側面と、心理的な側面、両方を満たす好ましい解決策ではないだろうか。もちろん、文化や歴史、他国の慣習を学びたいなど他のインセンティブがある場合は考えないという条件ではありますが。

「日本人」である私達にできることは、もちろん「自国の移民制度がひどく規制されている」ことに異を唱えるという方法もあります。しかし、この方法だけに固執することは「労働する方に来ていただく方法」であり、「私達日本人が物理的に動く」ことを前提として放棄しています。故に、私は日本のWinを強調していると感じたのです。極端に言うのであれば、フィリピンには、海外へ出ることしか選択肢を残さないままで、日本には海外へ出る選択肢と、残る選択肢の両方が準備されているシナリオが、私にそう感じさせたのです。

この「違和感」を取り除く案は、上述のように、フィリピン国内自体に雇用を生むことだと思うのですが、では、ただ雇用創出のために、事業展開をすればいいかといえばそれもまた、エゴイスティックだと思うのです。この点はまたの機会に述べることとします。

フィリピンで生活し、フィリピンの方と時間をともにする中で、単純化しすぎだと思いますが、「人はみな本質的には同じである」と感じます。そして、「不平等だ」とも感じます。

日本の駐在員の方が日本の家族と離れる気持ちと、フィリピンのOFWの方が家族と離れる気持ちに、差はないと思うのです。そして、平等な選択肢が生まれるようにすることが、原理原則であり、求められることであり、長期的なモデルになるのではないだろうかと感じたのです。

当社にお問合せいただく方や、このブログをご覧いただいている方は、「海外進出」=「コスト低減」を形にしようとされている方が多いと思います。そのような方に、コスト低減の視点だけではなく、別の視点もご紹介したかったので、この記事を投稿しました。つまり、双方のあらゆる側面からのWinを考え、どちらかに偏ることなく、双方のWinを実現に向けて動くことが、原理原則ではないだろうか、という問題提起をしたかったのです。

今回の投稿は私個人の「主観」によるところが大きいと思います。数ある情報の1つとして、このようは意見や見方もあるのだという、「違和感」「差異」をお伝えしました。

以上
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駐在員のビザについて

2012年06月11日 10時03分32秒 | フィリピンの労務
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

フィリピンで駐在員を派遣する、また、短期(21日以上で)フィリピンに滞在するのだけれども、どうしたらよいかという質問を受けます。この場合、一般的には、商用ビザ(9(d))、労働ビザ(9(g))の取得をお勧めしています。違いは、現地で報酬を受けるか、受けないかです。報酬をうける労働ビザが一般的なので、こちら(9g)の実務上の注意点を説明します。

実務上の注意点として、労働ビザ取得までには、まず、外国人労働登録証明書を取得した上で、入国管理局(BI:Bureau of Immigration)への書類提出という2段階の手続きとなります。したがって、時間がかかってしまうことと、労働契約書が2通必要になってくることが注意点として挙げられます。

正式な書類となるため、すべてA4ではなく、求められる書類によっては、8.5×14インチ(通称リーガルサイズ)と呼ばれるサイズで準備する必要があります。これは、日本では馴染みがなく、アメリカ文化の影響を受けている点です。A4でも対応できる場合もありますが、万全を期すには、やはり相手国の慣習に合わせることをお勧めいたします。これに加え、日本側での公証、フィリピン側での公証もあります。

これらの手続すべてを日本側で行うことはできませんので、入国した上で早めの行動を行うことはもちろんですが、不慣れな方が行うのではなく、現地弁護士事務所や代行業者などに依頼することをお勧めいたします。

以上
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第一四半期のGDP

2012年06月04日 15時34分05秒 | フィリピンの投資環境・経済
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。
前回は少し投資関連から離れ歴史認識についてご紹介しましたが、また今週から投資、経済の話にもどりたいと思います。

2012年6月1日に国家経済開発統計調整員会(NSCB)より、2012年度第一四半期(1月~3月)の国内総生産(GDP)の実質成長率が6.4%との報告がなされました。主に、インフラ整備事業への政府支出増やサービス産業の伸びが要因として挙げられています。前年同期比1.5%増で、通年の政府目標(5~6%)を実質上回った形といえます。

http://www.nscb.gov.ph/sna/2012/1st2012/2012qpr1.asp

中央銀行は、6月の金融政策理事会で主要政策金利を据え置く見通しです。以前、国内の旺盛な消費も健在だということです。
アジア諸国は、どこも堅調なファンダメンタルだといえます。フィリピンもその1つでしょう。

しかしながら、やはり次に考えなければならないのは、やはり規制のことです。よく途上国においては法律と現実は乖離しているという話を耳にします。しかしながら、フィリピンでは厳格に法律が守られており、その意味ではフェアだといえます。しかしながら、外国人投資家(経営者)から見ると、やはり既存の産業についてはフィリピン国内の投資家に有利になっています。俗に6:4がよく知られていますが、多くの既存ビジネスは輸出志向でない限り、日本側の出資比率は40%までに制限されてしまいます。また、フィリピンでは1つの法案を通すのに、2~3年必要だといわれており、大統領任期6年で一期制です。これを抜本的に変えるというのは、なかなか難しいといえます。

ただ、これを逆に読むのであれば、新規産業で、輸出志向のビジネスは割りと高めの法人税30%を回避しつつ、安い人件費とランニングコストでのビジネスを享受できます。したがって、国、周囲の状況やうわさで進出国を選ぶ、というのではなく、ビジネスモデルが言わずもがな重要であるといえます。

以上
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