東京コンサルティンググループ・フィリピンブログ

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PPP官民連携戦略パートナーシップについて2

2012年04月24日 14時27分01秒 | フィリピンの投資環境・経済

こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

さて、ここ最近は投資環境について概観しています。今回も引き続き、投資環境についてお伝えいたします。今回は優遇の概要です。
フィリピンでは、BOI(投資委員会)の登録を行えば、あらゆる優遇を受けることができます。これまでにお伝えしたように、毎年政府が出しているIPP(投資優先政策)に該当すれば優遇を得ることができます。
優遇の内容をお伝えします。

【BOI登録企業となれば】

1. 一定期間の所得税免除(最低4年です)
2. 人件費に対する追加控除
3. 輸入資本財及び付属スペア部品に対する課税免除
4. 国産資本財に対する税額控除
5. 通関手続きの簡素化
6. 委託設備の無制限使用
7. 外国人の雇用
8. 繁殖用家畜と遺伝学用材料の免税輸入
9. 国産の繁殖用家畜と遺伝学用材料に対する税額控除
10. 輸出製品の原材料に対する税額控除
11. 保税工場/保税倉庫へのアクセス
12. 輸入スペア部品に対する課税免除(生産品の70%以上が輸出される場合)
13. 埠頭税、輸出税、関税、賦課金及び手数料の免除

また、設立場所によってBOI登録企業に与えられる上記の優遇措置に加えて、さらに以下の恩典があります。

1. 100%外資が認められ、資本譲渡規制もない
2. 国税・地方税が免除され、課税は5%の特別税のみ
3. 教育訓練費(労務費および管理費)の追加控除
4. 外国人投資家とその家族に対する永住権の付与
(あくまで一例です。場所によって異なります。)

人材という部分で、懸念されている企業様、投資家の皆様が多いということですが、次の情報が少しその不安を解除できるかもしれません。

●BOI登録企業であれば、フィリピン人による充当が困難な場合、外国人の雇用が認められる。期間は登録時から5年までですが、BOIの同意があれば限られた期間延長できます。
認められるポスト:経営者、技術者、顧問等
●外資50%以上の企業の場合は、社長、経理部長、総務部長あるいは同等の地位に外国人を充てることができる。期間も前述の制限を受けない。

このように、さっと見ただけでも多くの優遇があります。
通常、フィリピンでは法人税30%が課税されますが(ASEAN諸国では高め)、これがなくなる、5%の優遇税制になる、というメリットはかなり大きいのではないでしょうか。

以上

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PPP官民連携戦略パートナーシップについて

2012年04月16日 10時07分09秒 | フィリピンの投資環境・経済
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

さて、前回ご紹介したIPPの中でも特徴的だったものが12番目に挙げられているPPP事業です。今回は、このPPPについて概観したいと思います。

PPPは、Public Private Partnershipの略語で、官民パートナーシップ(官民提携事業)などと翻訳されます。途上国と呼ばれる国々は通常、インフラに問題を抱えつつ、同時に財政難という状況でもあります。そのような状況の中で、外資へ誘致も政府にとって関心の高いものとなっています。フィリピン政府は、インフラプロジェクトにかかる費用を民間から調達する必要があるため、ここに力を入れています。民間が競争入札する方法で、政府がプロジェクトを選定していきます。2011年では目に見える形で経済効果があったとは言いがたい状況ですが、今後に期待したいと思います。

さて、話は変わりますが、日本との決定的な目に見える違いということで一つ挙げると、貧富格差だと感じています。フィリピンの中間層は15%程度といわれており、日本のそれとは大きく異なります。街を歩いていても、ストリートチルドレンはじめ近くで現状を感じることができます。
私事ではありますが、アフリカに行った際に「必要なのは、援助ではなく、企業誘致だ」とおっしゃっていた専門学校の先生のことを思い出します。私たち日本人もともに成長できる道があるはずだと信じ、形にしたいものです。

参考URL;http://nna.jp/free/news/20100901php002A.html

以上
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IPP投資優先計画について

2012年04月09日 10時48分58秒 | フィリピンの投資環境・経済
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

近年のトレンドとしては、「チャイナ+1」「ネクスト11」「サプライチェーンマネジメントの再構築」というように、ASEANへの投資は増加傾向です。フィリピンはASEAN諸国で日本から最も近い国でもあります。今週からは、少しずつフィリピン進出を検討する場合にプラスとなるような、優遇や規制について取り上げたいと思います。
今回は、フィリピンのIPP(Investments Priorities Plan)投資優先計画についてお伝えします。

毎年、投資委員会(BOI)が草案を提出し、大統領が承認します。現アキノ大統領は、2011年7月5日に2011年度投資優先計画(IPP)を承認しています。覚書通達(MO)として発布され、同年7月27日に発効しています。

2011年度IPPでは、次の13分野を優先投資分野として指定しています。
(参考:http://www.boi.gov.ph/pdf/IPP2011.pdf PDFの10ページ目から)
1. 農業及び、農業ビジネスや漁業
2. クリエイティブ産業・知的サービス業
3. 造船業
4. 大規模住宅建設業
5. エネルギー産業
6. インフラ業
7. 研究開発事業
8. グリーン(環境)事業
9. 自動車産業(電気自動車や二輪車を含む)
10. 観光業
11. 戦略的プロジェクト(フィリピン国内、フィリピン社会に大きく寄与すると考えられる事業)
12. PPP事業(官民パートナーシップ:次週お伝えいたします)
13. 災害予防、緩和や修復事業


IPPにより法人税や関税が免除となる業種が特定されます。この13分野の中でも、特に強調されたのは、「12. PPP事業」です。こちらは、次回お伝えしたいと思います。

さて、今週フィリピンは5日から9日まで祝日もあり5連休です。マニラもすっかり人が見当たらず、日ごろの活気が嘘のようです。しかしながら、私とともに働く会計事務所のスタッフは、5日と9日は働きます。4月15日が確定申告があるためですが、この献身さ、忠誠心、ホスピタリティ、という気質も英語に加えて、フィリピンの魅力の1つかもしれません。

以上
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法定有給休暇その2

2012年04月02日 10時53分21秒 | フィリピンの労務
こんにちは、フィリピン駐在員の井本です。

さて、前回に引き続き、フィリピンの労働者の法定有給休暇についてお伝えします。

(1)勤務奨励休暇
(2)出産休暇
(3)父親育児休暇
(4)シングルペアレンツ休暇
(5)女性および子供への暴力被害者に対する休暇
(6)女性に対する特別休暇

このうち、今回は(3)~(6)について詳細を確認したいと思います。

(3)父親育児休暇(Paternity Leave)
既婚男性に対して配偶者が出産した場合、出産から60日以内に7日有給休暇が与えられます。こちらも、前回紹介した出産休暇(Maternity Leave)と同じく回数制限があり、限度は4回までです。雇用主は未消化分買取の義務はありません。

(4)シングルペアレンツ休暇(Parental Leave for solo parent)
1年以上勤務したシングルペアレンツの従業員に対して、年7日の有給育児休暇が与えられます。こちらも、父親育児休暇と同様に、雇用主は未消化分買取の義務はありません。

(5)女性および子どもへの暴力の被害者に対する休暇(Leave for victims of violence against woman and their children)
共和国法第9262号で定められた暴力の被害にあった女性従業員には、10日間の有給休暇が付与されます。こちらも、雇用主に未消化分買取の義務はありません。

(6)女性に対する特別休暇(Special leave benefits for women)
12ヶ月以内に6ヶ月以上勤務した女性従業員は、最低2ヶ月間の婦人科疾患手術(※1)に伴う有給休暇が与えられます。
※1:子宮内膜掻爬術、膣や頸部、子宮、卵管、卵巣、胸部、子宮付属器、骨盤に関わる手術、子宮摘出、乳房切除などを指します。

フィリピンの出生率は2009年世界銀行の報告によると、3.19と非常に高い数字を示しています。また、敬虔なキリスト教徒も多い国です。アジア諸国は、今後10年、20年という中期的な視点で見ると、少子高齢化をたどることが危惧されています。しかし、フィリピンでは慢性的に子どもや若い方が多いです。
このような女性に対する保護や出生率の高さは、成長の原動力となる一方で、課題でもあります。

以上
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