東京コンサルティンググループ・メキシコブログ

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メキシコへの進出をコンサルティングしている駐在員が、メキシコの旬な情報をお届けします。

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メキシコでの現地法人以外でのIMMEX登録について

2018年08月27日 | メキシコの法務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの渡辺 寛です。

今週はメキシコにて現地法人以外のIMMEX登録をご紹介します。

 

 

質問)

来年あたりにメキシコに進出することを検討しておりますが、その中で進出形態をどうするか決めかねている段階になります。

改めて確認したいのですが、もしも支店でメキシコに進出した場合、IMMEXの恩恵を受ける事は可能でしょうか。

一つの判断材料とするため、ご教示頂ければと思います。

 

回答)

結論から申し上げますと支店では、IMMEXの登録を行う事が出来ず、その恩恵を受けることが出来ません。

 

www.2006-2012.economia.gob.mx/comunidad-negocios/industria-y-comercio/instrumentos-de-comercio-exterior/immex

 

経済省では、IMMEXの恩恵を受けることが出来る者をメキシコ居住者と表現しております。連邦税務基本法9条2項では、メキシコ居住者扱いとなる者を下記の様に記しております。

 

 

II. Las personas morales que hayan establecido en México la administración principal del negocio o su sede de dirección efectiva.

 

II. 業務の主たる経営拠点または執行本部をメキシコに置く法人。

 

上記に記される業務の主たる経営拠店と言うのは、あくまで本社を指しており、支店はここに該当しておりません。

 

そのためメキシコでは、支店はIMMEXの登録が出来ないという事になります。

 

また例え法人であったとしても、IMMEX対象企業の登録要件があるため、念のため下記に記載いたします。

 

・所得税(ISR)を納税するメキシコ居住の法人である

・年間50万USD相当以上か、または年間総売上の10%以上を輸出する

・メキシコ国税庁(SAT)の電子署名(FIEL)証明書を有する

・現行の連邦納税登録者である

・税務上及びIMMEX操業を行う住所において納税者番号(RFC)を取得しており、同一である

・貿易オペレーションに関する年次報告を行う

・国立統計地理情報院(INEGI)に対する月次報告を行う

・経済省貿易局の要求水準を満たした輸入品の在庫管理を行う

 

IMMEXは、登録できたとしてもそれを維持するための月次報告や年次報告が上手くいかず、IMMEXの恩恵を受けることが出来ないケースが多々あります。

そういったリスクも考慮した上での検討が必要かと思います。

 

渡辺 寛

 

 

 



税務上における固定資産の減価償却の方法について

2018年08月27日 | メキシコの税務

こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの田村彩紀です。

今週は、税務上における固定資産の減価償却の方法に関して記載をいたします。

 

 

質問)

 減価償却の処理方法について、メキシコでは会計上と税務上で異なるということを聞きました。具体的にどのような違いがあるのか、教えていただけますでしょうか。

 

回答)

ご認識の通り、メキシコでは、減価償却の処理方法に関して、会計上と税務上でことなります。

<会計上>

取得原価 × 法定償却率

<税務上>

取得原価 × 法定償却率 × インフレ調整係数

という違いがございます。

 

今回は、税務上の減価償却の処理方法の詳細を見ていきたいと思います。詳細は、所得税法(LEY DEL IMPUESTO SOBRE LA RENTA)の第31-35条に記載されております。なお、所得税法上、減価償却の処理は、固定資産の使用を開始した年度あるいは翌年度から処理を施すことができるとされております。

まずはじめに、『取得原価』の部分について、ご説明をいたします。

取得原価には、資産そのもの価格のだけでなく、その資産を取得するため、または、輸入の際に払った税(付加価値税を除く)や手数料、郵送費、保険、通関業者への支払いなども含まれます。また、メキシコでは、残存価格による規定がないため、残存価格は0となります。ただし、所得税法第31条より、減価償却を経て、価値が0となってしまった場合、損金不算入の1ペソを帳簿上に残す必要があるとされています。

 

次に、『法定償却率』の部分についてとなりますが、所得税法の34、35条に記載があり、

固定資産の種類や利用用途によって法定償却率がことなります。

下記、主要な資産の法定償却率のみ記載をいたします。

 

資産

法定償却率

建物

5%

事務所備品

10%

通信機器

10%

自動車、トラック、トレーラー

25%

パソコン、プリンター

30%

 

 

最後に『インフレ調整係数』についてご説明をいたします。所得税法第 31 条により、税務上の減価償却において、インフレ調整を年度末に行う必要があるとされております。

インフレ調整係数は、以下のように計算をいたします。

なお、他の事項で取り扱うインフレ調整係数とは異なるため、税務上の減価償却の計算におけるインフレ調整係数と考えていただければと存じます。

 

インフレ係数 =

☆の記載基づいた月の全国消費者物価指数 / 固定資産取得月の全国消費者物価指数

☆固定資産を取得した月から損金処理を行う年度で固定資産が使用された期間の前半の最終月。当該年度において固定資産の使用期間の月数が奇数である場合、その期間の中間に当たる月の直前の月を同期間の前半の最終月といたします。☆

 

下記に具体例を記載いたします。

例1)7月に取得した場合(当該年度は1月-12月とする。)

7月、8月、9月、10月、11月、12月

前半(7月、8月、9月)の最終月は9月となるため、

インフレ係数 = 9月の全国消費者物価指数 / 7月の全国消費者物価指数

 

例 2)6月に取得した場合(当該年度は1月-12月とする。)

6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月

固定資産の試用期間の月数が奇数であり中間にあたる9月の直前の月は8月となるため、

インフレ係数 = 8月の全国消費者物価指数 / 6月の全国消費者物価指数

以上、税務上の固定資産の減価償却方法となります。

 

 

田村彩紀

 

 

 

 



妊娠または育児中の女性労働者の法的権利について

2018年08月27日 | メキシコの労務

こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、妊娠または育児中である女性労働者の法的権利について記載致します。

 

質問)

 

出産を控えている女性従業員がいるのですが、産休制度やその間の給与について教えて下さい。

またその他企業側で注意しなければならない点等ありましたらご教示願います。

 

回答)

 

妊産婦の従業員についての留意点は、

Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)第170条に明記されております。

 

ここでは出産中から出産後にかけて、企業側がとるべき措置を順に記載致します。

 

【出産以前】

妊娠期間中の従業員に対しては、本来の業務内容に関わらず、企業側から当該従業員の健康状態を害するような仕事は与えてはなりません。こちらは法律を参照するまでもなく、妊産婦に対しては当たり前の対応と思いますが、重い荷物を持たせたり、長時間の立ち仕事を任せてしまうと違法となってしまいますので、できる限りの配慮をしましょう。

 

【出産休暇中】

メキシコでの産休制度は、出産予定日の前後にそれぞれ最低6週間、計12週間の有給休暇を与えることが定められております。ただし、出産後の休暇に関しては、新生児に何らかの病気や障害があったり等病院でのケアが必要な場合、診断書を提示した上で有給休暇を8週間まで伸ばすことが可能となります。この間の給与は全額支払う必要がありますが、雇用主が自社従業員を加入させることが法的に義務付けられている[SS1] IMSS(社会保険庁:Instituto Mexicano del Seguro Social)にて必要な手続を行うと、IMSS側で負担をしてくれます。

また、この休暇は上限が決まっているということはなく、妊娠や出産の影響で労働が困難であると本人が判断した場合は必要な限り延長することも可能となります。そのため、事前に本人と相談した上で、休暇中の人員確保や、その後本人が職場復帰できる環境を整えておく必要がございます。

 

【出産休暇後】

当該従業員が職場に復帰した後ですが、育児期間中(最大6カ月間)は、授乳の為の休憩時間を、もともとある休憩時間とは別に、1日1時間(30分×2回)設けなければなりません。しかし、これは当該従業員の家や保育所が職場の近所にあり、すぐに子どもの元へ帰ることができる場合に限られるものと存じます。そういった場合には、事前に合意を得た上で1日の労働時間を1時間減らすという対処が可能となります。

 

 

*引用元「Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)」

https://www.juridicas.unam.mx/legislacion/ordenamiento/ley-federal-del-trabajo#31734


 [SS1]「従業員をIMSSへ加入させることが法律で雇用主に義務付けられている」と認識しておりますので、法定福利という言葉を使いました。「何によって」「誰が」「誰に対して」等について言葉足らずでありましたので、説明を変えております。

 

清水皐

 

 

 

 



個人オーナーに対する家賃の支払いについて

2018年08月27日 | メキシコの税務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコでの個人オーナーに対する家賃の支払いについて記載します。

 

 

質問)

個人のオーナーから事務所を借りたのですが、実際にFACTURAを受け取った際の家賃の金額が、先方から聞いていた金額と異なっていました。

オーナーに抗議をしたのですが、「実際に約束した金額が支払金額になっているので間違っていない」としか言いません。確かにFACTURAの内容を確認したところ、所得税などが源泉徴収された後の金額は約束通りの金額となっていますが、源泉徴収される前の金額は約束の金額よりも多くなってしまいます。そもそもなぜ、源泉徴収されているのでそうか。また、メキシコでの家賃額とは税金等を控除した後のことを言うのでしょうか。

 

 

回答)

 まず、今回の質問でポイントとなるのは、以下の2点です。

 

①  貸主(オーナー)が個人であり、借主が法人である。

②  オーナーの言う家賃額が、Gross(源泉前)額なのかNet(源泉後)額なのか。

 

 

①  貸主(オーナー)が個人であり、借主が法人である

今回のように、個人からの役務(サービス)提供に対する支払を実施する場合、

メキシコではサービスを受けた側(今回であれば借主)がISR(所得税)やIVA(付加価値税)を源泉して相手に対して支払いをし、その源泉したISRやIVAをSAT(メキシコ国税庁)へ申告納付する義務があります。

一方で、FACTURAの発行元としても、源泉を記載したFACTURAを発行しなければなりません。

 

 

②  オーナーの言う家賃額が、総額(源泉前)なのか純額(源泉後)なのか

今回のケースで最もポイントになるところは、

「オーナーの言う家賃額(70,900MXN)とはどれをさすのか」という点かと思われます。

 

私たちの考える家賃額とは、一般的に総額であり、会計処理上も源泉前の総額を家賃額として認識します。

 

しかし、オーナーが自分に直接支払われる金額を家賃と言っていた場合、上記①で説明しているように、それは源泉後の金額であるため、会計上の家賃額は「支払額 + 源泉分(源泉ISR+源泉IVA)- IVA」の金額となります。

 

 

この考え方は、給与額を総額(税金等を控除する前)で見るのか。それとも、純額(税金等を控除した後)で見るのかと同じです。

 

こちらとしては「税金等控除前」の総額を考えていたが、本人は「税引等控除後」の純額を話していたというケースが良くあります。そのため、事前に総額なのか、純額なのかを確認しておく必要があります。

 

黒岩洋一

 

 

 



日本駐在員の給与支給方法について

2018年08月27日 | メキシコの労務

皆さん、こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの藤田大です。

 

今週は日本駐在員の給与支給方法について記載します。

 

 

質問)

 

日本駐在員の給与の支払い方法について、教えてください。

色々な日系企業に聞いていますが、全額をメキシコペソでもらっている方、

半分は日本円でもらっている方、様々に分かれているようです。

 

理由は、メキシコペソでの受け取りを減らしたい(本帰国時に日本円への両替が大変)

といった意見や、日本に家族がいるので半額を日本円で、というものが多くありました。

 

この場合、日本円で全額受け取る事も可能なのでしょうか。

何かリスクとなる事があれば、教えてください。

 

 

回答)

 

メキシコ日系企業における実例として、

日本駐在員の給与を、半分は日本本社から円での支払い、残りの半分をメキシコでメキシコペソで支払い。という方法を取っているというものがあります。

 

しかしながら、望ましいと考えられる方法は、全額をメキシコペソで支給する事であり、

仮にメキシコペソでの支給額が国税局(SAT)によって低すぎると判断された場合には、何かしらの指摘を受けるリスクがあります。

 

当社の専門家の意見によれば、

CFDI(電子税務証憑)の導入によりSATが詳細確認をする事が容易となった為、

不自然な支払い方法は避けるべきであるとの事です。

 

仮に、全額を日本円での支給としている場合、

給与支給体制の見直しを検討した方が良いと言えるでしょう。

 

藤田大 

 

 

 


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