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解雇時に認められる正当事由について

2018年09月03日 | メキシコの労務

こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、解雇時に認められる正当事由について記載致します。

 

質問)

 

企業側から従業員へ解雇通知を出す場合、正当な理由がなければ相当な額の解雇補償金を支払わなければならないと聞きましたが、正当な解雇理由とは具体的にどのような場合でしょうか。

 

回答)

 

ご認識の通り、企業側の判断で従業員を解雇する場合は、未払給与とアギナルド等の福利厚生に加えて、解雇補償金というものを支払う必要がございます。

この解雇保証金は、3ヶ月分の給与+日給20日分×勤続年数分となり、勤続年数が長ければ長い程高額なものとなります。

 

ですが、メキシコ連邦労働法( Ley Federal del Trabajo)第46、47条には、企業側がこの補償金を支払う義務を負わない、つまり正当な解雇事由と認められるものとして下記のケースが挙げられております。

 

Ⅰ雇用時に経歴やスキルに関する虚偽の書類を提出した場合

(ただし従業員が勤務を開始してから30日以内にのみこの事由は適応となる。

Ⅱ他従業員やその家族、または顧客に対する暴力、脅迫、侮辱や虐待行為を行った場合

ⅢⅡで言及された行為によって職場の規律が乱された場合

ⅣⅡで言及された行為によって雇用関係の持続が困難となった場合

Ⅴ業務に使用する機械や作業場、商材等を故意に損傷させ場合

ⅥⅤの行為が故意で無かったとしても、機械や作業場、商材の損傷の原因が、該当する従業員の行為のみであると判断された場合

該当する従業員の不注意や不誠実な態度により他従業員の安全を脅かされた場合

Ⅷ他従業員に対し不道徳又は性的な行為や嫌がらせを行った場合

Ⅸ企業秘密の漏洩った場合

Ⅹ許可を得ず、または正当な理由も無く30日以内に3回以上欠席をした場合

ⅩⅠ正当な理由も無く、業務命令に従わなかった場合

ⅩⅡ安全上必要な手続きに従わなかった場合

ⅩⅢ医師に処方されていない麻酔薬や他の薬物を使用した状態で勤務を行った場合

ⅩⅣ懲役刑が課されている場合

 

ただし、このような正当な事由が仮にあったとしても、必ずしも企業側が責任を負うことなく解雇ができると決まっているわけではありません。

解雇通知を受けた従業員は、受領後2カ月以内に調停仲裁委員会JCAla Junta de Conciliación y Arbitrajeへ不当解雇を主張する権利が認められており、その際企業側はそれが正当な事由であることを立証する義務がございます。

しかし、一概に侮辱や嫌がらせ行為と言ってもどの程度のものが正当事由となり得るのか、この条文だけでは判断が分かれやすいことや、該当行為を行ったか(あるいは行わなかったか)を証明する書類や物的証拠が用意しにくいケースを考えると正当事由であることを立証する」という手続非常に困難なるといえます。よって、書類の用意等に多くの時間や費用を費やした挙句、立証が認められず結果的に解雇補償金を支払うことになるケースも少なくありません。

 

可能な限り従業員とのトラブルを避ける為にも、採用面接や試用期間の段階でしっかりと人材を見極める必要がございます。

 

弊社では優秀な人材のご紹介や、上記のような従業員との労働争議の際に重要書類となる就業規則・雇用契約書の作成等、人事労務関連のサポートを行っておりますので、ご関心やご不明な点がございましたらお気兼ねなくお問合せ下さい。

 

*引用元「Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)」

https://www.juridicas.unam.mx/legislacion/ordenamiento/ley-federal-del-trabajo#31734

 

 

清水皐

 

 

 

 

 


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