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妊娠または育児中の女性労働者の法的権利について

2018年08月27日 | メキシコの労務

こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、妊娠または育児中である女性労働者の法的権利について記載致します。

 

質問)

 

出産を控えている女性従業員がいるのですが、産休制度やその間の給与について教えて下さい。

またその他企業側で注意しなければならない点等ありましたらご教示願います。

 

回答)

 

妊産婦の従業員についての留意点は、

Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)第170条に明記されております。

 

ここでは出産中から出産後にかけて、企業側がとるべき措置を順に記載致します。

 

【出産以前】

妊娠期間中の従業員に対しては、本来の業務内容に関わらず、企業側から当該従業員の健康状態を害するような仕事は与えてはなりません。こちらは法律を参照するまでもなく、妊産婦に対しては当たり前の対応と思いますが、重い荷物を持たせたり、長時間の立ち仕事を任せてしまうと違法となってしまいますので、できる限りの配慮をしましょう。

 

【出産休暇中】

メキシコでの産休制度は、出産予定日の前後にそれぞれ最低6週間、計12週間の有給休暇を与えることが定められております。ただし、出産後の休暇に関しては、新生児に何らかの病気や障害があったり等病院でのケアが必要な場合、診断書を提示した上で有給休暇を8週間まで伸ばすことが可能となります。この間の給与は全額支払う必要がありますが、雇用主が自社従業員を加入させることが法的に義務付けられている[SS1] IMSS(社会保険庁:Instituto Mexicano del Seguro Social)にて必要な手続を行うと、IMSS側で負担をしてくれます。

また、この休暇は上限が決まっているということはなく、妊娠や出産の影響で労働が困難であると本人が判断した場合は必要な限り延長することも可能となります。そのため、事前に本人と相談した上で、休暇中の人員確保や、その後本人が職場復帰できる環境を整えておく必要がございます。

 

【出産休暇後】

当該従業員が職場に復帰した後ですが、育児期間中(最大6カ月間)は、授乳の為の休憩時間を、もともとある休憩時間とは別に、1日1時間(30分×2回)設けなければなりません。しかし、これは当該従業員の家や保育所が職場の近所にあり、すぐに子どもの元へ帰ることができる場合に限られるものと存じます。そういった場合には、事前に合意を得た上で1日の労働時間を1時間減らすという対処が可能となります。

 

 

*引用元「Ley Federal del Trabajo(メキシコ連邦労働法)」

https://www.juridicas.unam.mx/legislacion/ordenamiento/ley-federal-del-trabajo#31734


 [SS1]「従業員をIMSSへ加入させることが法律で雇用主に義務付けられている」と認識しておりますので、法定福利という言葉を使いました。「何によって」「誰が」「誰に対して」等について言葉足らずでありましたので、説明を変えております。

 

清水皐

 

 

 

 


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