東京コンサルティンググループ・メキシコブログ

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税制改正とその影響

2014年03月11日 | メキシコの税務

 

東京コンサルティングファーム

メキシコダイレクター

片瀬 陽平

 

こんにちは。メキシコ駐在員の片瀬でございます。

今回は、2014年1月にありましたメキシコの税制改正についてまとめました。今回の税制改正の大きな変更ポイントは、以下の4つとなります。

【変更のポイント】

①IETUの廃止

②配当に係る源泉税の新設

③損金不算入項目の増加

④マキラドーラ、IMMEXのメリット減少

それでは、具体的な項目を見ていきましょう。

 

【ISR(所得税)について】

①IETUのISRへの一本化

 以前よりIETUはISRのミニマムタックスとして制定され、納税者はISRとIETUの計算を重複して行わなければならない状況が続いていましたが、2014年の税制改正により、このIETUがISRに一本化され租税体系が簡素化されました。

※IDE(現金預金税)についても今回の税制改正において廃止となっています。

 

②損金算入について

 所得税法の損金計算上、下記のものについては損金計算について認められなくなりました。

・関係会社へ支払われる技術支援料等について、受領者の存在する国において課税等をされない場合(課税等をされる一定の場合を含む)におけるその技術支援料等の金額。

・その支払われる費用について、対応する収益が同事業年度又は翌事業年度に計上されない場合におけるその費用の額。

・タックスヘイブン国の法人への支払いについて、移転価格ドキュメントを作成していない場合におけるその支払額。

 

また以下の各項目については、その損金算入限度額が減額されるなどして、実質的な増税となっています。

・乗用車の購入額175,000Pesosから130,000Pesosへの減額(原価償却により損金算入)

・レンタカーのレンタル額250Pesosから200Pesosへ減額(1日あたりの金額)

・レストラン等における交際費の額12.5%から8.5%へ減額(合計金額の8.5%まで損金算入が可能)

・非課税福利厚生費については47%又は53%の損金算入制限が設けられた(合計金額の47%又は53%につき損金算入が可能)

・後入先出法での原価算定については不可となる。

・陸上輸送等について、輸送に関わる労働者の給与源泉税率を7.5%とすることが可能となる。

・生産インフラについて、2014年12月31日までに長期契約されたものについては推定原価を採用する。

・航空機を使用する荷物又は人の輸送について、メキシコ国内企業から海外企業に支払われるリース料に対する源泉の80%を免除する。

 

③税率について

前回2013年の改正において、当初予定していた30%から29%への法人税率の引下げがなくなり、それに伴い2014年から29%へ、2015年から28%へと法人税率を段階的に引き下げる旨を予定していました。ただし、この予定されていた法人税率の引下げは2014年の税制改正においても実施はされず、結局法人税率の引下げについては無くなりました。

個人の所得税率については超過累進課税の最高税率が30%から35%へ引き上げられ実質的な増税となります。具体的には750,001Pesosから1,000,000Pesosについては32%、1,000,001Pesosから3,000,000Pesosについては34%、3,000,000Pesos超については35%の税率により課税されることとなります。日本人駐在員については750,000Pesos超を収受している者も多いと思いますので、その場合には増税による手取額減少を回避するために、再度グロスアップ計算を行う必要があります。

また、メキシコの駐在員については、殆どの方がメキシコの居住者に該当する(183日ルール)と考えられますので、メキシコにおいて個人所得税を支払う必要があります。

なお、租税条約上の短期滞在者免税を利用する場合には、従来であれば非居住者証明を所有しているだけで短期滞在者免税の適用対象となりましたが、税制改正により租税条約締結国内において課税されていることが前提となります。

 

④配当金

国外関連者に対する配当金については、配当金の10%の源泉税が新たに課されることとなりました。従来の配当金の源泉税率については0%課税とされていましたので、実質的な増税となります。なお、配当金に係る源泉税の計算についてはCUFIN(ISR法上の利益積立金額)をその計算根拠としますので、2013年までのCUFINの金額および2014年からのCUFINの金額とその区分を明確にする必要があります。

また、租税条約上における国外関連者への配当については、5%を超えない範囲内とありますので、租税条約を適用した場合には5%の源泉税率により、国外関連者への配当を行うことが可能となります。

 

【IVA(付加価値税法)について】

①税率について

ボーダー地域については、今回の税制改正により11%から16%へと税率が引き上げられます。

 

②廃止となるIVA免除規定について

・IMMEX適用企業に係る一時輸入におけるIVA

・マキラドーラ適用企業に係る一時輸入におけるIVA

・自動車関連企業に係る一時輸入IVA

・保税倉庫に係る一時輸入IVA

・戦略的保税施設に係る一時輸入IVA

・メキシコに在庫を持つ外国企業からIMMEX適用企業への販売に係るIVA

※上記から分かるようにIMMEX、マキラドーラに関するIVAの免除特典が大幅にカットされることとなりました。IMMEXについてはその適用要件及び継続要件が煩雑であるために、IMMEXを利用した場合に係る管理コストをしっかりと把握した上で利用するかの意思決定が必要となります。

※ただし、公示日より1年以内にIMMEXの対象企業となった場合には、当該IMMEX企業に対する恩恵は殆どが継続して適用することができます。

 

今回の税制改正ではマキラドーラ及びIMMEXに関するIVAの免除特典が大幅にカットされています。この2つの改正内容について更に詳しく知りたい方は是非お気軽にお問い合わせ頂ければと思います。

 

それでは以下ご案内となります。

 

4月3日(月)19:00<東京>

メキシコ進出セミナー

 

メキシコ進出と最新のメキシコ税制改正について、

国際事業部ラテンアメリカ担当がお伝えします。

 

講師

・ 佐々木 亮介

米国公認会計士(US CPA-Inactive)

・ アウグスト・コラジョ(アルゼンチン会計士、日本語対応可能)

 

日時

2014年4月3日(木) 19:00~20:30 

開場 18:30

会場

東京コンサルティンググループ 東京本社 オープンフロア
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-5-3 AMビルディング7階……地図

参加費

無料

お申し込み

以下の問い合わせフォームより、セミナー名「メキシコ進出セミナー(4/3 東京)とご明記の上、お送りください。
 
 

 

 

【今週の1枚】

イラプアトにある、日本と書かれたモニュメントとイラプアトのタクシーです。タクシーは地域によってそのカラーが違い登録されているタクシーの多くは色づけされていますので、一目でわかりやすいです。イラプアトはご覧の通り緑、アグアスカリエンテスは赤、DFは黄土色とえんじ色の2色、など地域によってそれぞれです。

ただし、夜に流しのタクシーに乗るのは少し危険なためにやめましょう。私は21時以降は、流しのタクシーには乗らないようにしています。

 

 

 

 

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