東京コンサルティンググループ・メキシコブログ

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メキシコへの進出をコンサルティングしている駐在員が、メキシコの旬な情報をお届けします。

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契約書・付属書/別紙のとらえ方について

2018年11月05日 | メキシコの法務

こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの田村彩紀です。

今週は、契約書・付属書/別紙のとらえ方に関して記載をいたします。

 

質問)

今回、日本で使用している日本語の契約書を基に、メキシコ版の契約書作成を貴社(東京コンサルティングファーム)に依頼をいたしましたが、契約書と付属書/別紙の2つの種類の文書がある中で、もともと「付属書/別紙の条件が優先される」となっていたものが、「契約書の条件が優先される」というかたちで修正されておりました。

こちらの理由をお聞かせいただけますでしょうか。

 

 

回答)

理由に関しまして、主たる契約書は、契約書そのものであり、付属書/別紙はあくまでも付随的な役割を果たす文書であるためとなります。

 

以下、契約書と付属書/別紙の関係性を表す、イメージ図となります。

 

 

例えば、売買契約書を契約書では、基本事項である、売買目的や各会社情報や契約書に必要な文言など、どの商材を扱う上でも共通する事項を記載いたします。

一方、付属書/別紙では、取引する商材の個数や価格、納期など、商材によって異なる事項を記載いたします。この時、重要となるのが、付属書/別紙の事項は、契約書そのもので定められた事項に則った上で、定められるということです。

 

他の事例をお伝えいたしますと、就業規則と雇用契約書も、契約書と付属書/別紙のような関係となります。就業時間や休憩時間、欠勤や罰則など全従業員に共通する会社の決まりごとは、就業規則にて定められます。雇用契約書では、従業員ごとの契約期間や役職・職種、給与金額、各種手当などが記載されております。

 

なお、就業規則と雇用契約書で、同事項において、異なる記載がされている場合、就業規則に書かれている内容が優先されます。

 

弊社では、契約書の種類に問わず、契約書そのものの作成やレビュー業務のサービスを承っております。ご存知のお客様も多いかと存じますが、メキシコでは正式文書として認められるには、スペイン語での記載が必要となります。一から作成の場合も、すでにある契約書の内容をレビューする場合も対応可能となりますので、お気軽にご相談くださいませ。

 

ご参考にしていただければ幸いです。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム 

メキシコ拠点

田村彩紀

 

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※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。


メキシコにおける事業開始時の各種ライセンスについて

2018年10月22日 | メキシコの法務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコにおける事業開始時の各種ライセンスについて記載します。

 

 

質問)

この度、本格的にメキシコ現地での生産活動を開始したいと考えている会社の者です。

メキシコ現地法人そのものは半年ほど前に設立を終えておりましたが、今までは市場調査がメインの活動であり、最低限の人数で活動をしていました。しかし、この度メキシコ現地企業との取引にもめどが立ったため目、本格的にメキシコ現地での製造活動を開始したいと考えています。

現在はレンタル工場を借りるための準備を進めており、機械の搬入計画などは大体予想がついてきています。また、従業員に関しても現地派遣会社等を通じて面接を実施している最中です。

一方で、ソフト面と言いますが、そもそも事業を開始するにあたってライセンスのようなものがメキシコで必要になるのかどうかということに関して未だ確認ができていません。事業開始の際にはこのようなライセンスは必要となるのでしょうか。ご教示願います。

 

 

回答)

日本でも事業の開始には各種許可証が必要になるように、メキシコでも最低限取得しておかなければならない許可証(ライセンス)というものは存在します。しかし、事業が異なれば、取得しなければならない許可証は異なりますし、同じ事業であったとしても地域によって追加で取得しなければならいものが異なります。また、土地に関する許可証は、土地の所有者が持っていればよく、借主は不要というケース無あります。

そのため、詳細は管轄する州政府や現地の専門家等へ確認する必要があります。

 

 

以下に、一般的に取得しておく必要があると思われる許可証などの例となりますので、参考にしてもらえればと思います。

1) Factibilidad de hilo(インフラ関係調査)

2) Uso del Suelo Industrial(土地活用許可)

3) Licencia de Construcción(建設許可)

4) erminacion de Obra(建設完了通知書)

5) Licencia de Funcionamiento(オペレーションライセンス)

6) Proteccion Civil(安全管理)

7) Aviso de Salud(衛生管理)

 

もちろん、このほかにビザを取得するためにはINM(メキシコ移民局)での雇用主登録、製品をメキシコ国外から輸入する際には輸入業者登録、給料を支払うためにはIMSS(メキシコ社会保険庁)への登録などは必要ですので、忘れないようにしてください。

 

 

株式会社東京コンサルティングファーム

メキシコ拠点

黒岩洋一

 

 

 


 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。


メキシコにおける会社の区分について

2018年10月15日 | メキシコの法務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコにおける会社の区分について記載します。

 

質問)

日本では「大会社、中会社、小会社」といったように、会社の区分がされています。

例えば、会社法上の大会社(資本金5億円以上、または負債200億円以上)に該当した場合、投資家保護や債権者保護の観点から、会計監査人の設置や財務諸表類の公開などが必要になります。また、同族会社の株価評価を行う際に用いられる、会社規模の判定方法(従業員70名以上は大会社になる等)も会社を区分する方法としては存在しています。

メキシコでも日本のように、このような法律等で会社を区分することはあるのでしょうか。

 

回答)

メキシコでも会社の規模によって、会社を区分するという考え方は存在しています。

例えば、日本のように大会社・中会社・小会社というカテゴリーで区分けをする際には、資本金を基準として判断されるのではなく、従業員数や売上高に基づいて「大・中・小」といった大きさでの区分けをメキシコでは実施することがあります。

 

区分

従業員数

年間売上高
(百万メキシコペソ)

零細企業

10人以下

~ 4

小会社

11人 ~ 30人

4 ~100

中会社

31人 ~ 100人

100 ~ 250

大会社

101人 ~ 251人(※)

250 ~

※252名以上もこのカテゴリーに含まれると考えられる。

【参考】

http://www.2006-2012.economia.gob.mx/mexico-emprende/empresas/microempresario

 

ただし、上記の区分が直接的に何か法的な義務を負うということではなく、該当する法律等に基づいて法的な義務は生じることとなります。

 

例えば、外資企業の場合、経済省外資局(RNIE:Registro Nacional de Inversiones Extranjeras)に対して、四半期又は年間での申告の義務が生じることがあります。

この報告義務は、会社の規模によって決定されるのではなく、資本金の変動額が一定額を超えた場合などにより報告の義務が生じることとなります。

また、一定の売上高を超える場合、確定申告時の書類として税務関連情報申告書(DISIF:Declaración Informativa sobre su Situación Fiscal)と呼ばれる書類の提出も必要となっています。

 

これらの提出義務は、日本のように従業員数や負債の額などによって区分けされた会社区分によって、定められているわけではありません。該当年度における資本金の変動額や売上高によって定められています。

そのため、毎年自社がこのような対象になっているのか否かをしっかりと確認する必要があるでしょう。

 

株式会社東京コンサルティングファーム

メキシコ拠点

黒岩洋一

 

 

 


 

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。


メキシコにおける固定資本と可変資本について

2018年10月08日 | メキシコの法務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームメキシコの黒岩洋一です。

今週はメキシコの可変資本会社における固定資本と可変資本について記載します。

 

 

質問)

弊社はメキシコで可変資本株式会社(S.A. de C.V.)として活動を行っています。可変資本株式会社の場合、資本金を“固定資本”と“可変資本”に分けて会社を設立すると思うのですが、そもそもこの“固定資本”と“可変資本”とはどのようなものなのでしょうか。

先日、増資を行った際には、弁護士より「可変資本として増資の手続を行う」と言われましたが、なぜ、固定資本として増資を行わなかったのかが分かりません。

そのあたりもご教示頂ければと思います。

 

 

回答)

メキシコでは、1884年より、メキシコ商事会社一般法6条において可変資本会社として法人を設立する制度が設けられました。これにより、企業は定款を変更することなく資本金の増減が可能となりました。

同制度が成立されるまでの企業形態はとしては、株式会社(S.A. : SociedadAnónima)が一般的でしたが、可変資本会社の制度ができたことにより、可変資本株式会社(S.A. de C.V. : Sociedad Anónima de Capital Variable)として会社を設立することが、主流となりました。

 

可変資本会社における「固定資本」と「可変資本」の違いとは、会社定款を書き換えることなく、資本金を増減させられるか否かということとなります。

 

【ポイント】

●固定資本部分における資本金の増減:定款の変更が必要

●可変資本部分における資本金の増減:定款の変更が不要

 

さて、定款内容の変更を行った場合、公証手続の一つである商業登記が必要となります。商業登記の完了には2~3ヵ月の時間を要し、かつ、商業登記手数料が必要となるため、固定資本か変動資本のどちらを増減させるかによって、時間と金額(手数料)に違いが生じてまいります。つまり、増減資を固定資本部分ではなく、可変資本部分で行えば、商業登記が不要であるため、増減資手続の完了に時間とお金を短縮できるということです。

そのため、今回弁護士の方が説明したように、可変資本会社として登録している企業の多くは、増資を行う際に固定資本ではなく、可変資本で対応しているのです。

 

一方、会計上は、固定資本と可変資本に分けて記帳を行いますが、資本金が固定と変動で分かれていることによって税金の計算等が変わることはなく、あくまでも固定と変動の総額を資本金として認識し、処理などは行われます。

 

黒岩洋一

 

 

 

 

 

 

 

 

 



IMMEX登録後の留意点

2018年10月08日 | メキシコの法務

こんにちは。

 

東京コンサルティングファームメキシコの清水皐でございます。

 

今週は、IMMEX登録後の留意点について記載致します。

 

質問)

 

弊社にてIMMEXの登録を考えておりますが、登録後は、専用のシステムを導入する必要があったり、IMMEX手続専用の従業員を雇う必要があったりすると聞きます。

これは本当でしょうか?他にも留意点等がございましたらご教示願います。

 

回答)

 

まず、専用システムの導入に関しましては、必要でございます。

IMMEX登録後の在庫管理システムとして、Anexo24に基づいたシステムの導入が義務付けられております。

ただし、通関代理店を利用する場合、その代理店にシステムが導入されていれば、

貴社内に導入する必要はございません。

 

また、IMMEX専用の従業員を雇う必要があるか、と言われますと、必ずしも必要とは限りません。

IMMEXを使用する企業様の多くは、専門のブローカーを利用されておりますのでIMMEXに関する業務は全て委託している場合が主です。

ただ、こういったブローカーの多くはメキシコ企業の為、日系企業の方であまりスペイン語が得意ではないといった場合は、社内で1名でも通関知識が豊富かつその企業の商材をよく理解している者がいる方が好ましいです。

何故なら、IMMEXプログラムで要求される手続や管理方法は非常に複雑で、言葉や知識不足という障害が大きなトラブルを引き起こしかねないからです。

よって、必須ではないのですが、通関業者からも推奨はされております。

 

その他の留意点としまして、2点程記載させて頂きます。

1点目は、登録後の管理業務等にどれほど費用がかかるのかを、登録前に確認をしておくこととなります。

IMMEXに登録すると、その後一ヶ月毎に在庫管理等を行っていかなければならなくなり、いつ何時監査が入るかも分からない、というのが現状となります。

登録企業の中には、そういった管理業務に想定以上の経費がかかり、結局IMMEX導入前と後で、全体の費用があまり変わらなかった、というケースもございます。

IMMEXは関税を抑えられる便利なシステムとなりますが、登録後にかかる費用等を考慮した上で導入を検討頂ければと存じます。

 

2点目は、IMMEXの登録手続や管理業務をブローカーへ委託する際に、なるべく業務経験の豊富な企業を選ぶことです。

メキシコには多くのIMMEX専門のブローカー企業がおりますが、IMMEXの登録には企業の機密情報をブローカーに提出することになりますので、信頼のおける企業であるかを見極める必要がございます。

 

 

IMMEXは関税対策として便利なプログラムである一方、複雑な手続や管理の決まり事もございますため、不明点がございましたらなるべく早い段階でクリアにして頂くことをお勧め致します。

 

清水皐