東京コンサルティンググループ・マレーシアブログ

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東京コンサルティンググループ・マレーシア駐在員より、現地から生の情報、声をお届けします。

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マレーシアでの外国人雇用について

2018-06-25 11:12:08 | マレーシア労務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファーム、マレーシア研究員の須田です。

 

今回は、日系の製造業のお客様から頂いたご質問と、それに対する

回答をご紹介いたします。

 

(ご質問)

マレーシアで外国人を雇用する慣習はありますか。また、その手段や手続等もお教えてください。

 

(弊社回答)

外国人労働者は年々増加傾向にあり、製造業においても同じことが言えます。

マレーシアでは、外国人労働者は現在約210万人、マレーシア労働人口の約15%に相当しますが、

そのうちの75万人程が、製造業に従事していると言われております。

また不法労働者は、 少なく見積もって上記の合法の労働者と同数かそれ以上いると言われています。 

外国人労働者(メイドは除く)の採用はオンラインを通じて行うことが義務化されております。
これは、人材紹介エージェントの不当な利益享受防止や、雇用される外国人の生活保障のためです。
ローカル人材紹介会社は、下記がマレーシアにおいて名前が知られているところのようです。

ご参考程度にご覧いただけたらと存じます。


[Andaraya Malaysia Sdn Bhd] : https://www.andaraya.com.my/recruitment/
[Alahad Group Malaysia] : http://www.alahadgroup.com/
[Mega Staff Sdn Bhd] : www.megastaff.com.my/

 

 

外国人の採用の際にはレビー(製造業の場合RM1,850≒約51,800)の支払いやビザの手配等を済ませる必要がございます。

また、これら周辺諸国の非熟練外国人労働者を雇う際、[Foreign Workers Compensation Scheme]という労災に入ることが

義務付けられているほか、EPF(年金のようなもの)に任意加入することが可能です。

 

詳しい手続等、詳細に関するご質問がございましたら

再度ご連絡頂けばと存じます。

 

以上です。


Tokyo Consulting Firm Sdn. Bhd. (1097549-H)
須田 修司 (Shuji SUDA) 


A-22-9, Menara UOA Bangsar, No. 5, Jalan Bangsar 

Utama 1, 59000, Kuala Lumpur, Malaysia

TEL: +603-2201-3526
E-mail: suda.shuji@tokyoconsultinggroup.com

 


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マレーシア 製造業の雇用事情

2018-06-18 11:58:54 | マレーシア労務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファーム、マレーシア研究員の須田です。

 

今回は、製造業のお客様から頂いたご質問と、それに対する

回答をご紹介いたします。

 

(ご質問)

マレーシアの製造業において外国人を雇用する場合、どこの国からが多いでしょうか。

 

(弊社回答)

製造業において、現状は

国別では、インドネシアからの労働者が最大で約80万人、ネパール約50万人、バングラデシュ約30万人、

ミャンマー約15万人などとなっております(2016年時点)。

インドネシアの外国人労働者が多い理由として、言語・宗教など多くの面でマレーシア人と共通するものがあり、

違和感が少なくマレーシアで働くことができるという理由があります。ただ、製造業においては男性のインドネシア人に

限り雇用が禁止されているようです。

(下記、イミグレーションのウェブサイトをご参考にして頂けたらと存じます)

http://www.imi.gov.my/index.php/en/foreign-worker.html

 

マレーシアの製造業において、低コストの労働力が不足しており、その解消として外国人労働者を積極的に受け入れる

政策を取っております。

一方、それらの外国人労働者を有期の単純労働力に限定し家族の帯同を制限しているため、国の社会保障の負担削減する等

外国人受け入れのデメリットを小さくする政策がとられております。

また、多民族国家のため、外国人が受け入れられやすい文化的な側面もあるのではないかと考えられます。

 

詳細に関するご質問や疑問点がございましたらお気兼ねなく

ご連絡頂ければと存じます。

 

以上です。



Tokyo Consulting Firm Sdn. Bhd. (1097549-H)
須田 修司 (Shuji SUDA) 



A-22-9, Menara UOA Bangsar, No. 5, Jalan Bangsar 

Utama 1, 59000, Kuala Lumpur, Malaysia

TEL: +603-2201-3526
E-mail: suda.shuji@tokyoconsultinggroup.com

 


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マレーシア 定年退職における退職強要

2018-06-11 14:27:42 | マレーシア労務

皆さんこんにちは。。

東京コンサルティングファームの谷口でございます。

 

本日は、労働法に関する判例のうち、

定年退職における退職強要に関する判例をご紹介いたします。

 

<概要>

H氏は、2008年2月10日にAssistance Finance ManagerとしてP社に雇用された。P社はH氏に対して2013年1月14日に定年退職を迎えていることから2013年1月15日から同年8月20日までの間、有期雇用契約を締結するとの旨の書面及び有期雇用契約書を発行している。有期雇用期間中の給与は、定年を迎える以前の給与と同額(月額RM5,150)であった。しかし、同年7月31日に有期雇用契約書が発行されて以来、H氏の役職は降格され役職なしとなっている。また同年8月20日の契約満了日を迎えても会社からの契約終了の通知が発行されることはなく、8月21日から9月14日までの給与はRM2575.50へと改定された。H氏は、2013年8月26日に書面にて給与の改定および役職の降格の取り消しを求めるとともに、定年退職の承認および有期雇用契約書への同意の取り消しを求めた。さらにH氏は書面にて元の役職への復職及び未払賃金の支払いを請求する。

書面の発行後、P社から何も返信がなかったためH氏は2013年9月4日に再度書面を発行し、同年9月5日より退職強要によってP社に解雇されたと訴える。

 

<従業員の主張>

2008年2月10日にP社に雇用され、2013年1月14日に55歳となり定年を迎え、2013年7月31日に定年時の給与と同額という条件で同年1月15日から8月15日までの期限で有期雇用契約を締結した。しかし、雇用契約終了後もP社より退職に関する通知を受けることはなかった。同時に、給与額はRM5,150からRM2,575.50へ減額された。また、有期雇用契約締結後には役職から外され、役職なしとなっていた。

上記を踏まえ、2013年8月26日に定年退職の承認及び有期雇用契約書への同意の取り消しを求める書面を発行した。書面に対し、P社から返信がなかったため、2013年9月4日に同年9月5日より退職を強要されたとみなして辞職するとの旨を記した書面を発行する。またこの辞職は自らが望んだ辞職ではないため、不当解雇に該当するものであると主張。

 

<会社の主張>

H氏の行動に対し次の3つを主張する。

①    2013年7月31日に発行した2013年1月14日をもって定年退職したという書面にH氏は同年8月2日に署名している。

②    その後、有期雇用契約を締結することに同意し、雇用契約を結んでいる。

③    書面を発行し、自分自身の意思で辞めているため、不当解雇ではない。

上記の3点より、当解雇は不当解雇ではなくH氏による自主退職であると主張。

 

<判決>

本件は、P社による退職強要であるとみなす。H氏の復職は、P社との今後の関係性を考慮して適切ではないため、未払賃金の支払いによる賠償を命じる。未払賃金は、1967年労使関係法第30条6Aより「24か月を超えてはならない」と定められているため、2014年1月14日に定年退職したという事実及び定年退職時の給与が月額RM5,150であることから12か月分の支払いとする。計算式は以下の通りである。

 

①    未払賃金

   RM5,150 × 12か月 = RM61,800

 

上記の金額から弁護士費用等を差し引いた額を30日以内にH氏の代理人を通じて支払うこと。

 

<裁判所の見解>

本件の争点はH氏が2013年9月5日に自主退職をしたのか、もしくは退職を強要されたのかという点である。

退職強要においては、退職が強要されたことの立証責任は原告側(従業員側)に課される。しかし、原告側がその立証責任を果たした場合に被告側(会社側)は解雇が合理的な理由によるものであることの証明をする責任がある。

また、退職強要の判断としては、従業員の雇用契約を背景に雇用主の行動を中心として、①雇用契約の基本的な条件を違反しているか、②契約に拘束されないという意図を表明したか、の2点が判断基準となる。雇用主が契約違反を犯した場合、従業員は自身を退職強要に追い込まれたと主張することができる。

本件においては①役職の降格、②給与の減額、③2013年8月26日に復職および未払賃金の支払いを求めてから十分な期間が経っているという3点を基準に判断し、従業員が2013年9月5日に退職強要に追い込まれたとしてP社を退職したのは適当な判断であり、これは自主退職ではなくP社による不当解雇であると判断する。

 

<判決のポイント>

本件は、原告が自ら退職したという行動が不当解雇とみなされるのかが争点となりました。裁判所の見解にもありますように、退職強要の場合の立証責任は第一に従業員側にその立証責任が問われますが、その後の説明責任は会社側に問われるものとなります。労働裁判においては合理的な理由による解雇でない限り不当解雇であると判断されるケースがほとんどとなっておりますのでご注意ください。

また、今回は契約書につきましても判断材料となりました。雇用契約書や就業規則は解雇を扱う裁判においては非常に重要な証拠となります。退職の要件や解雇の条件などをあらかじめしっかりと記述することで従業員との摩擦を減らしていくことが重要になってくると思われます。

 

以上となります。

 

労務に関して、ご質問が御座いましたら、

是非ご連絡を頂ければと存じます。

 

どうぞよろしくお願い致します。

 

東京コンサルティングファーム

谷口 翔悟


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降給・残業に関する判例

2018-06-04 11:20:34 | マレーシア労務

皆様こんにちは。Tokyo Consulting Firm Sdn. Bhd.の谷口です。

今回はGSTの未払いに係るペナルティについてご説明致します。

 

お世話になっております。

東京コンサルティングファームの谷口でございます。

 

本日は、労働法に関する判例のうち、

降給・残業に関する判例をご紹介いたします。

 

N社で働くH氏の給与は、2,600RMから2,000RMへと降ろされた。その原因は、パフォーマンス不足と、残業に対する非協力的な姿勢だった。H氏は数回、この一方的な降給に対して抗議のレターを提出していた。そして、これは会社側の雇用契約違反だとし、みなし解雇されたと訴えた。

 

<会社の主張>

・与えられた業務を就業時間以内に終わらせることができず、

 さらに、できない旨を会社に報告していなかった

・また、月末締め日の残業を依頼する書類を出しても、拒否した

・月末に残業を求めるのは、H氏の入社前からの慣習だった

・雇用契約書に残業の記載はないが、就業規則に記してある

 

<従業員の主張>

午後10時までの残業が強いられるということは、雇用契約書に記載されていなかった。契約書に記載されていないことに従わなかっただけで降給されるというのは、会社側の契約違反であり、みなし解雇である。

 

<判決と裁判所の見解>

会社側の雇用契約違反とし、みなし解雇とする。

・従業員の同意が無いまま一方的に給与を下げるのは、根本的な雇用契約違反となる。

・雇用契約書に、降給の可能性があること、そしてその場合の金額が明記されており、それに従業員が同意していれば、会社側には降給を決定する権利があるものとされる。

・また、就業規則だけではなく雇用契約書に残業についての記載が無い限り、会社側の主張は受け入れられない

・H氏のように、労働法の範囲外で働く者の場合、残業代が支払われていれば残業自体には問題がないものとした。

・残業の拒否には、残業をしたくない正当な理由を会社に申し出なければならないとした。

・また、会社側は特に子を持つ女性や公共交通機関で通勤する者にたいしては、家庭の事情と安全に配慮をするべきであると注意した。

 

<判決のポイント>

残業させる際には、就業規則だけではなく雇用契約書に残業の可能性があるという記載が必要で、それに対し同意がなければ、会社側に残業させる権利はないということになります。また、降給がある場合にはその可能性がある旨と、いくら下がるのかを雇用契約書に明記する必要がありますが、本件のように正当な理由が無ければみなし解雇とされますので、ご注意くださいませ。

 

以上となります。

 

労務に関して、ご質問が御座いましたら、

是非ご連絡を頂ければと存じます。

 

どうぞよろしくお願い致します。

 

谷口 翔悟


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マレーシアでの雇用における注意点

2018-06-04 11:18:37 | マレーシア労務

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファーム、マレーシア研究員の須田です。
本日は、お客様に実際にいただいたご質問と、その回答をご紹介致します。


(ご質問)
マレーシア現地人の雇用に際して、規制や注意事項はありますでしょうか。

(弊社回答)
マレーシア政府は、現地人雇用について従業員構成がマレーシア社会の民族構成比を反映させるよう要請としております。ただ、こちらはあくまで政府の希望のようなものであり 、特定の民族だけを雇った場合に特別な罰則が科されることは基本的にないようです。 

また、1955年マレーシア雇用法では、雇用主は外国人労働者を雇用することを目的として、マレーシア人従業員の解雇をすることが禁止されています。また、会社の従業員が削減される場合、雇用主はマレーシア人従業員を解雇する前に、同程度の能力の外国人労働者を解雇するよう要求しています。


マレーシア人労働者を雇う際の契約は、雇用法に則る必要がございます。
マレーシアの雇用法は、1カ月の賃金がRM2,000未満の従業員を対象としており、RM2,000以上の従業員の雇用条件は、従業員と雇用主の同意に委ねられるとされております。しかし、実務上すべての従業員に対して雇用法を適用している企業が大半を占めています。


何かご不明点等ありましたらお気兼ねなくご質問頂ければと存じます。

以上です。

今週も頑張ってまいりましょう。


Tokyo Consulting Firm Sdn. Bhd. (1097549-H)

須田 修司(Shuji SUDA)  


A-22-9, Menara UOA Bangsar, No. 5, Jalan Bangsar 
Utama 1, 59000, Kuala Lumpur, Malaysia

TEL: +603-2201-3526
E-mail: suda.shuji@tokyoconsultinggroup.com

 


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