インドネシア進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

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TCFのインドネシア駐在員より、現地から生の情報を発信し、インドネシア進出をサポートいたします。

税務監査の行方 ① 今年の予算から見る税務調査の可能性

2016年02月29日 16時55分36秒 | インドネシアの税務

2016年は、税務調査が多くなるという予想が立てられています。下記は、2016年の税収予算になります。

2016年は、1546兆ルピア(およそ15兆)、前年度は、14489兆ルピアに対して、1235兆ルピア(およそ80%の達成率)と、芳しくありません。このような背景もあり、躍起になって、外国投資企業を狙い撃ちにしてくる可能性があります。

 

 

一般的に、税務調査の対象になるのは、下記のような理由によります。

・還付申請(VAT,PPh23,PPh22 )

・継続的赤字企業(3-4年)

・監査報告未添付企業

・廃業申請(NPWP番号返還)手続き企業

 

特に、継続的に赤字が出ている企業は要注意です。外国投資のピークが、ちょうど、2-3年前でしたから、対象となる企業が増えてきます。

近年の税務調査は、論理的に説明をすれば、対応が可能な事案が多くなってきており、その意味で典型的な論点項目に対する対応により、リスクを減らすことができるものと解します。事前の対策が何より重要ということです。

 

次回は、どのような項目が典型的に、税務調査の対象になるかを見ていきましょう。

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【経営が上手くいくための!財務分析】5

2016年02月29日 11時41分05秒 | お知らせ

【経営が上手くいくための!財務分析】



<利益=キャシュにならない理由>

利益とキャッシュの差異、については4つの大きな理由があります。


1)掛取引

仕入も販売も現金即決の取引でない限りは、
売掛、買掛、未払、未収入といった、
お金のやりとりを翌月以降に繰り越す、という掛取引が行われています。

売上は今月末で、顧客からの入金は2ヶ月後の月末の場合、
2ヶ月間はキャッシュが入ってきません。

これによって、売り上げは十分にあるのに、顧客からの入金が無くて
仕入の支払いが間に合わない、といった状態が発生します。

 

2)固定資産の購入、減価償却費、引当金

固定資産の購入は、費用に一括で計上できない場合、資産になります。
減価償却費として何年にも渡って分割して費用を計上する場合には、
その分資産として残りますので、キャッシュとの差が開いていきます。

その他、費用項目に入れている賞与、退職給付などの引当金は
実際にはまだ出費していませんので、利益とキャッシュの差が生まれます。

3)在庫と売上原価

製造業で気を付けなければならないのが、こちら。

材料費や運送費など製造費用は先に支払済みですが、
製品や仕掛品として残っている場合は、
その費用分は資産になります。
キャッシュと利益の大きな差異の出る要因になります。

4)会計と税務の差異

会計は、会計期間中の売上と費用を正しく計上するものですが、
税務上の費用として認められない場合は、実際に支払をしていても
費用化できず、利益が増えてしまいます。

<利益とキャシュの悲劇>

<事例1>

親会社に増資を依頼したところ、
「売上が上がっているのになぜキャッシュが足りなくなるのか」、と指摘を受け、
調査したところ、売掛金の回収漏れであったことが判明した。

・・・特に海外では、顧客が入金期日を守らないことがあります。
回収までをしっかり管理しておかないと、キャッシュのショートに繋がります。
売上高を重要視している場合に起こりやすい事例です。

<事例2>

高額な設備投資を行ったが、減価償却により費用化できたのは一部であったため、
予想よりも利益が出てしまい、
キャッシュ不足により税金が支払えなくなり、借入することになった。

・・・設備投資時には、キャッシュアウトが大きくなるため
減価償却費と税金支払いのシミュレーションを作成し
キャッシュが確保できるかどうかの投資計画をしっかり作ることが重要になってきます。


<事例3>

利益額が毎年安定しており、安心していたが
実際は在庫過多、不良在庫で資金ショートに陥っており
固定資産を売却することになった。

・・・利益が出ていても、全く安全ではありません。
利益=キャッシュではなく、
商品や、固定資産に変わってしまっているからです。


<食わず嫌いを直しましょう>

社長さんはとにかく損益計算書を見るのが好きですが
貸借対照表とキャシュフロー計算書はよくわからないので見ていない、
という方が多いです。

それはまさに、黒字倒産(利益が出ているのに、キャッシュ不足で倒産)の
足音が近づいてきていることに気が付いていない
恐ろしい状態です。


3つの財務諸表をバランスよく理解する事で
経営の安全性を高めていきましょう。

キャッシュリッチで投資も十分にできる会社がもちろん一番なのですが、
いざ、事業が崩れそうになったときに助けを求めても
誰もお金を貸してくれません。
日ごろからの会社の健康維持に気を付けましょう!


 

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外資規制について パート2

2016年02月23日 11時17分22秒 | インドネシアの法務

 皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員の安藤です。

 

お客様から頂いたQ&Aについて、ご紹介いたします。

 

【質問①】

・インポーター=外資100%、

・ディストリビューター=外資67%+ローカル資本33%

という前提で会社設立を検討した際、以下の件について、相談させて頂きたいです。

 

【回答①】

1.Importer, Distributorの2社を同時に設立必要か?

  または一社でライセンス共有はできないか?

⇒一社でImporter, Distributorのライセンスを取得することは可能です。

 

2.Distributor33%はローカル企業でなければならないか?既にインドネシアに進出済

  の外国企業はローカル企業として認められないか?

  そうであれば、ローカル企業の定義とは?

⇒33%がローカル企業もしくはインドネシア人でなければいけません。

インドネシアでは外国資本が1%でも入っていると、外国企業とみなされるため、

ローカル企業とはローカル100%資本の会社となります。

 

3.取扱い品目は一般工場で使用される製品とその付帯機器ですが、個別

  製品毎(構成部品も含む)にHSコードのライセンス認可が必要なのか?

⇒まずAPI-U、NIKという輸入ライセンスを取得することになりますが、

それとは別に特別なライセンスや許可が必要かどうかは、各製品のHSコードによります。

HSコード(10桁)をご連絡頂ければ、規制があるかどうかお調べできます。

 

4.販売した製品のアフターサービス業務も行いたいが別途ライセンスが必要か?

  その所得は可能か?

⇒アフターサービスのライセンスも別途申請する必要がありますが、

こちらは、Importer, Distributorの会社で併せて取得することができます。

 

 

その他注意点と致しまして、現在BKPM長官令(2015年)により、

IUT(恒久ビジネスライセンス)を取得する際に、

①100億ルピアの資本金払い込み、または

②Importer, Distributor, After sales serviceの活動から合計で500億ルピアの売上(Importerの場合は仕入)

を達成するよう要求されます。

会社設立時にはIP(原則許可、期限は通常1年)を取得し、投資完了時にIUTを取得しますので、設立から1年後に上記①または②の条件が求められることになります。

 

こちらは弊社にて2016年にIPを取得した会社に課されている新しい条件であり、今後の展開は図りきれませんが、現在でもはこのような条件が課されております。

 

 

【問い合わせ先】

PT. Tokyo Consulting

安藤 麻衣(Ando Mai)

ando.mai@tokyoconsultinggroup.com


 

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中古資本財 輸入期限延長

2016年02月22日 13時38分54秒 | インドネシアの法務

中古資本財 輸入期限が2018年末まで延長されました。

加えて、前回は、原則、製造後20年以下の中古資本財が輸入可能であったものが、HSコードごとに15年、20年、30年以下とそれぞれ、区分に従い、輸入できる資本財が緩和される方向になりました。

 

中古資本財の輸入には、輸入ライセンスのほか、工業省、商業省からの許可が必要な点は以前と変更がありません。

 

具体的な、製造品ベースで、中古資本財が輸入か、可能かどうかのご相談は、別途ご相談ください。


 

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【経営が上手くいくための!財務分析】4

2016年02月22日 11時39分33秒 | お知らせ

【経営が上手くいくための!財務分析】

<キャッシュフロー計算書の構造>

CF計算書には、間接法と直接法の二種類の形式があります。
企業の財務諸表には、一般的に間接法が使われています。

直接法
実際に売上いくら、仕入いくら、と並んでいますので
総額の詳細がわかりやすいのですが、
会計ソフトに自動計算が搭載されていない場合は、作成に手間がかかります。

間接法
純利益と現金の差異について、
何が調整項目となったのかを表しています。
キャッシュと利益の差異を理解するには、こちらの方が適しています。

ここでは、間接法のCF計算書の構造を見ていきます。

 

まず、当期純利益から始まり、キャッシュで終わっている事がわかります。

その間の工程は、利益とキャッシュがどうして差異が生まれたのかを
示し、キャッシュの流れを見える化しています。

その工程をキャッシュの種類ごとにを3つに分類しています。
事業活動から生まれたお金=営業キャッシュフロー
投資活動から生まれたお金=投資キャッシュフロー
財務活動から生まれたお金=営業キャッシュフロー

ここで、営業キャッシュフローがマイナスになっている場合には、そもそも事業として成り立っていない状態です。
営業活動によって生まれたキャッシュを使って、次の売上を生み出すべく、投資活動に使う(マイナス)、そこで残ったキャッシュを財務の返済にまわす(マイナス)という形が安定した経営になります。

キャッシュフロー分析講座のワークでは、よくソフトバンクとドコモを取り上げますが
ドコモは営業キャシュの金額の範囲内で投資を行う安定型、
ソフトバンクは営業キャッシュ以上に投資を行い、借入金でまかなう積極投資型の特徴が良く表れています。

キャッシュフロー計算書を見ることで、企業の状態が現在どのような時期に入っているのか、衰退期なのか、成長期なのか、停滞期なのか、安定期なのか・・・を分析することができます。

上場企業の財務諸表はウェブページのIRのページからダウンロードすることができます。


次回は、利益=キャシュにならない理由についてお話いたします。

 

 


 

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外資規制について

2016年02月16日 11時16分12秒 | インドネシアの労務

 

 皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員の安藤です。

 

お客様から頂いたQ&Aについて、ご紹介いたします。

 

【質問①】

外資規制の緩和について インドネシアへの現地法人設立を検討しています。 進出業態=在インドネシア国内企業に向けて自社製品を輸入販売する商社形態。 過去においては出資比33%以下規制でマジョリティを取れず断念しましたが、制度変更により67%までとなったとの事。 実態の把握と今後の見通しについてお聞かせ願いたい。

 

【回答①】

インポーターについては、従来通り外資100%、ディストリビューターについては、おっしゃる通り、 過去においては出資比33%以下規制がございましたが、

2016年5月のネガティブリスト改定にて、外資最高67%までとなりました。

 

これにより、以前33%で進出した企業の出資比率変更の動き等がでております。

 

ネガティブリストは基本的には2年毎に変更できるとされておりますこと、

今回の変更では全分野規制緩和の方向に進んだことを考慮すると、

2年後の改定には、外資出資比率が上がることは考えられますが、

2年以内の変更の可能性は低いかと存じます。

 

【問い合わせ先】

PT. Tokyo Consulting

安藤 麻衣(Ando Mai)

ando.mai@tokyoconsultinggroup.com


 

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ネガティブリスト改正 2016年

2016年02月15日 15時21分03秒 | インドネシアの法務

2月11日に政府より発表された「投資ネガティブリストの改正」についてご連絡致します。

こちらは、条文として出てきているものではございませんが、政府からの正式発表ですので、このまま、改訂されるものと思われます。2014年4月の改定(大統領規定2014年39号)に次ぐ、今回の変更点について、ご紹介致します。ネガティブリストは大きく「投資に閉鎖されている事業分野(投資禁止)」と「条件付で解放されている事業分野」に分けられており、ネガティブリストで規定されていない分野については、外資100%の投資が可能となります。

 

【2016年の改定ポイント】

「投資に閉鎖されている事業分野」

全部で20分野。農業、林業、工業、運輸、情報通信、文化・観光等に関する分野に、新たに「水族館の装飾に用いるためのサンゴの使用」を追加。

「条件付で解放されている事業分野」

★ネガティブリストから除外予定の分野(外資100%出資が可能)

全部で35分野。クラムラバー産業、冷蔵保管倉庫業、観光業(レストラン、バー、カフェ、レクリエーションビジネス、芸術、エンターテーメント、スポーツスタジアム)、映画事業、100億ルピア以上の投資のEコーマス事業、通信機器の研究所、有害でない廃棄物の管理・処理、

工業用原料 等

★規制緩和予定の分野

 

外資比率

事業分野

 

1

33%⇒67%

卸売・倉庫業等

(冷蔵保管倉庫業に関しては100%)

2014年の改定以前は外資100%だったものが2014年の改正で規制強化、今回の改正で再び規制緩和。

2

49%⇒67%

旅行代理店、教育訓練施設、ゴルフ場、航空輸送サービス等

 

3

49%⇒100%

スポーツ施設、映画サービス、クラムラバー産業

 

4

51%⇒67%

私立博物館、ケータリング、展示会、

 

5

51%⇒100%

レストラン

 

6

55%⇒67%

建設業(投資額は100億ルピア以上)

 

7

65%⇒67%

通信業

 

8

85%⇒100%

製薬業

2014年の改正で外資75%から85%と規制が緩和を経て、今回の改正により更に規制緩和。

9

95%⇒100%

高速道路事業

 

10

30%⇒30%

園芸作物の育苗、栽培事業

 

11

51%⇒51%

スパ

 

12

85%⇒81%

リース業

 

13

95%⇒95%

プランテーション

 

 

今回の発表では、規制強化の部分は具体的に言及されておりませんでしたが、数週間以内に詳細が再度発表される模様です。

 


 

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【経営が上手くいくための!財務分析】3

2016年02月15日 11時37分33秒 | お知らせ

【経営が上手くいくための!財務分析】
 キャッシュフロー計算書/利益とキャッシュの違い

 

前回は損益計算書と貸借対照表のお話をさせていただきました。

残念ながらその二表だけでは経営判断には不十分です。

加えて、キャッシュフロー計算書(CF計算書)を分析していく必要があります。

今回は、利益とキャッシュの違いについてお話していきたいと思います。



<利益とキャッシュってどう違うの?>

簿記についてあまり詳しくない経営者の方が
会計上で混乱する大きな原因として、
出金=費用 だと思ってらっしゃる方が非常に多いんですね。

「実際にお金が出てるんだから、費用に計上できるでしょ」、ということです。

例えば、貸付をした、借入金を返済した場合や
設備投資をした場合など、
お金が支払われているので、それは全額費用だと。

これは間違った認識です。

キャッシュフローについて考える前提としてしっかり認識していただきたいのは、
「営業活動のお金の流れと、資金繰りのお金の流れは全く別物です」
ということなんです。

「お金」という項目でひとくくりになってしまうことによって
多くの経営上の悲劇が生まれています。

お金にタグを付けるわけにはいきませんが、
事業のやりくりと、資金繰りのやりくりは別に理解しておく必要があります。


<キャッシュフローとは?>

勘定合って銭足らず・・・

キャッシュと利益の話をする時にはこの言葉がぴったり来ます。

利益は出ているのに、なぜ資金繰りが厳しいの?
なぜお金が残らないの?
資本はあるはずなのになぜ現金がないの?

その理由を明らかにするのが、CF計算書です。


まずはCF計算書構造を理解しましょう。

次回は、キャッシュフロー計算書の構造ついてお話いたします。

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建設業の外国人雇用について

2016年02月09日 10時32分53秒 | インドネシアの法務

 皆さん、こんにちは。インドネシア駐在員の安藤です。

 

お客様から頂いたQ&Aについて、ご紹介いたします。

 

【質問①】

弊社は建設業ですが、日本人の経理担当者の就労ビザ取得のために、どのような肩書なら取得できるでしょうか? なにか手だてはないでしょうか?

(経理部門に対しては、日本人の就労VISA取得が難しいとの情報を得ております)

 

【回答①】

Finance Managerで就労ビザの取得が可能です。労働局からの以下レギュレーションを

ご確認ください。建設業において外国人労働者に取得できる役職一覧になります。

その中にFinance Managerも含まれております。

   

 

 

【問い合わせ先】

PT. Tokyo Consulting

安藤 麻衣(Ando Mai)

ando.mai@tokyoconsultinggroup.com

 

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【経営が上手くいくための!財務分析】2

2016年02月08日 11時36分56秒 | お知らせ

【経営が上手くいくための!財務分析】

(3)分析の基本は比較から

財務分析をする際の着眼点についてお話しましょう。

A社の2005年の売上高が90億だったとします。
これは、いい数字ですか?悪い数字ですか?
90億あればいい数字だと思うかもしれません。

では、他の事業年度と比べてみましょう。
2004年は27億、2006年は20億に減ってしまいました。
2005年は外部要因によって売上が一時的に増えたことがわかりました。

他社と比較してみます。
B社は毎年売上高30億をキープしており、市場の動きにあまり左右されていません。
外部要因で利益が左右されないよう、流通の見直しやコスト削減の対策をしています。

つまり、財務分析は、今期、今月の単体の数字ではあまり意味をなさず
比較することで初めて、分析することが可能になります。

1)過去実績との比較 
2) 他社との比較
3)  部署ごとの比較
4) 目標との比較 

そして、金額ベースだけでなく、比率(%)と両方で分析する必要があります。


(例)

10億利益があるC社と利益30億のD社、
どちらがいい会社だと思いますか?

金額だけ見れば30億の会社です。

しかしD社は30億の利益を生み出すために、
2000億の売上と従業員1200名が必要です。

利益率1.5% 一人あたり利益250万円


C社は10億の利益を生み出すために、
100億の売上と従業員200名が必要です。

利益率10% 一人あたり利益500万円


規模もビジネスの内容も全く同じという企業はないので、単純比較はできません。
利益と多くの雇用を生み出しているという点ではD社が評価され
事業の効率性ではC社が評価されます。

分析は、あるひとつの見方だけでなく
様々な確度から多面的に分析していくことが重要です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

営業出身の方は、売上高を重視しがちで
製造出身の方は、原価コストを重視しがちです。
それによって利益や財務状態、経営全体が見えていないことがよくあります。

経営は、全体を見通す視野と、そこから問題を見つけ出し、
課題解決まで落としこむ力が必要です。

財務諸表は、企業のカルテです。
毎月の健康診断によって、黄色信号に気が付き
素早く手を打つことができます。

財務諸表を読み分析し、実際の経営、未来の経営に活かしていただく方法を
私達はお伝えしていきます。

 

次回は、利益とキャッシュの違いについてお話いたします。

 


 

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