東京コンサルティンググループ インド事業ブログ

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インド駐在員から最新情報をお届けします。~グルガオン・バンガロール・チェンナイ・プネ・ムンバイ~

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インドの労働法②THE SHOPS AND ESTABLISHMENTS ACT, 1961

2012年12月26日 | インドの労務
こんにちは。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。

Delhi、Gurgaonはここ2,3日朝に10メートル先が見えないくらい霧が立ち込めています。これを境にコートが必要なほどの冬がきます。寒さのピークは1月2週目から1月下旬くらいなので、しばらく我慢がつづきそうです。

さて、先日のブログにあるように、各会社は以下2つのいずれかのActに従うことになります。
THR FACTORIES ACT, 1948(10名以上の社員がいる工場)
THE SHOPS AND ESTABLISHMENTS ACT, 1961(上記以外全て)


今回はTHE SHOPS AND ESTABLISHMENTS ACT, 1961について触れたいと思います。
このActは各州により定められています。たとえばDelhiであれば、The Delhi Shops and Establishment Actといったぐあいです。

内容は労働条件に関わるもので主に以下の項目が挙げられます。
・労働時間
・休憩
・休憩時間
・給与支給日
・有給休暇

Delhiの場合は以下の通りです(2012年12月24日現在)
・労働時間―週48時間まで
・休憩―5時間以上連続した業務は禁止で1日30分の休憩を与えること
・給与支給日―締日から7日以内とすること
・有給休暇―Earned Leave:15日、Sick or Casual Leave:12日

また、全ての該当企業はLabor DepartmentにShops & Establishmentの登録を行う必要があります。登録後に証明書を付与され、そこには登録更新時期が記載されていますので、それに合わせて更新を行うことになります。更新時期は州の定め、会社規模によりLabor Departmentが決定します。

さらに入社・退職者がある場合には、所定のフォーマットでLabor Departmentに届け出る必要があります。

州のActを確認し、上記について順守されているか確認することをお勧めします。

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インドにおける源泉所得税(国際課税編)

2012年12月19日 | インドの税務
みなさん、どうもこんにちは。増田です。

昨日から、日本側のインド事業部責任者である関口さんが出張でインドに来ています。
また、今週はTCFインドの全拠点の日本人駐在員がグルガオンに一堂に会し、2日間にわたってインド全体会議が行われます。当社も、インド全域で日本人6名と、インドにある会計事務所の中で最も多くの日本人を抱え、来年1月には更に2名の新たな日本人スタッフが加わります。毎年、約100社の日系企業の進出があるインドにおいて、日本人、インド人スタッフを含め更にお客様に満足していただけるようなサービスを提供していきたいと思います。

さて、今回は最近よくお問い合わせをいただくインドでの源泉所得税(特に国際間での源泉税問題)について書きたいと思います。

通常、インド国内で専門家報酬、運賃など特定の支払を行った場合、支払いの際に源泉所得税(TDS)の控除が必要となります。これは、インド国内の取引だけでなく、国際間での取引についても利息・家賃・ロイヤルティ等の支払をする場合には源泉徴収を行う必要があります。

国際間での源泉課税問題で何がやっかいかというと、取引当事国それぞれの法律が絡むという点と、あとは「租税条約」が関わってくるという点です。

仮に、日本とインドの間で源泉徴収の対象となる取引が行われた場合、
①日本→インドへの支払 ⇒ 日本の税法に基づき、インドへの支払の際に源泉徴収。
日本の税務署へ源泉税を納める。
②インド→日本への支払 ⇒ インドの税法に基づき、日本への支払の際に源泉徴収。
源泉税をインドの税務当局へ納める。

あくまで、源泉徴収を行う場合は支払を行う国側の税法に基づいて、取引内容、税率を確認のうえ徴収することになりますが、取引当事国間で「租税条約」が締結されている場合、基本的に条約が国内法よりも優先的に適用されるため、まず「租税条約」を確認する必要があります。

通常、租税条約においては「二国間取引における税の減免」が定められているため、租税条約の適用により、それぞれの国内法を適用した場合よりも税率が低くなるケースがほとんどですが、もし、租税条約の税率の方が国内法に定めらている税率より高い場合、国内法を優先して適用することができる(プリザベーション・クローズ)という決まりがあります。

日本では、海外への支払にかかる源泉徴収について、租税条約の適用を受ける場合には、所轄の税務署長に対して「租税条約に関する届出書」を提出することで減免税率の適用が受けられますが、インドでは特に税務当局に対して租税条約に関する届出を提出する必要はありません。

しかし、インドにおいては、2010年4月以降に支払われる源泉対象となる支払について、受取側がインドのPAN(納税者番号)を取得していない場合、租税条約による減免税率の適用を受けることができず、インド国内法における税率を適用する必要があります。

日本企業がインドのPANを取得した場合、毎年のインドでの税務申告を行わなければならず、また国際企業グループ間取引ということで、移転価格税制の対象取引として、Form-3CEBの提出も必要となってきます。これらの実務的な手間ももちろんですが、それ以上に問題となるのが、租税条約とインド国内税率の差分について、実質的に外国税額控除が適用できなくなる可能性がある、という事です。

どういう事かというと、日本における外国税額控除の規定上、「租税条約に定める限度税額を超える税率部分については、原則としてその還付を受けるまでは仮払金等として損金の額に算入されず、外国税額控除も適用されない」と定められているため、仮に租税条約で10%と定められている取引に対して、インドにおいて20%の源泉税が課された場合には、その差分の10%について外国税額控除の適用を受けることはできません。
もし、20%で課税をされてしまった場合には、租税条約に基づきインド税務当局に対して還付申請を行うことになりますが、実際に還付がされるかどうかは、還付申請の手続書類を全て作成した後、長ければ数年待った後でないとわからない……という現実があります。

今ではこの規定も大分知れ渡ってきましたが、インド企業との合弁のような場合で、会計面のサポートをあまり海外取引に詳しくないローカルの会計事務所が行っているような場合、この手続きを忘れてしまっている、と言うようなこともあり得ます。

日系企業については、コンプライアンスの面からも、もし対象取引がある場合には、きちんとPANを取得した上で適切に処理を行う事が望ましいかと思います。

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インドの労働法①

2012年12月18日 | インドの労務
こんにちは。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。

最近、インドでの人事・労務についてのお問合せを多くいただくようになりました。本社のある東京、インド双方で約3年間人事・労務サービス、アドバイザリー業務を行っていますが、この度新しくスタッフを迎えましたのでご紹介します。
Sumit Mitraさんです。弁護士資格を持ち、これまで労働法ショートレビュー、各種規則作成、賃金制度、人事制度構築などの人事コンサルとしての経験を積んできました。今後もますます皆様のインド人事・労務をサポートしてまいります。


※左から、私、Sumit、Pooja

さて、今回は労働法について触れたいと思います。まず会社形態により従うべき法律が決められます。
THR FACTORIES ACT, 1948(10名以上の社員がいる工場)
THE SHOPS AND ESTABLISHMENTS ACT, 1961(上記以外全て)

上記をベースとし、以下の法律を順守する必要があります。
PAYMENT OF WAGES ACT, 1936
THE EQUAL REMUNERATION ACT, 1976
THE MINIMUM WAGES ACT, 1948
THE MATERNITY BENEFIT ACT, 1961
EMPLOYEES PROVIDENT FUND AND MISC. PROVISIONS ACT, 1952
EMPLOYEES’ STATE INSURANCE
THE PAYMENT OF GRATUITY ACT, 1972
EMPLOYMENT EXCHANGES (COMPULSORY NOTIFICATION OF VACANCIES) ACT, 1959
THE WORKMEN’S COMPENSATION ACT, 1923
THE CONTRACT LABOUR (REGULATION & ABOLITION) ACT, 1970
PAYMENT OF BONUS ACT, 1965

上記法律に基づいて、労働局への届け出が必要な場合が多くあり、複数種類の届出書になることもあります。またFPやESIといった掛け金を納める場合は定期的な納付と申告が必要になります。このようにインドの労働法は複雑で、細かい対応を求めることが多くあります。突然調査官が来て、書類を確認し、ペナルティを要求してくることがしばしばあるので注意が必要です。

人事部は法律を理解し、もれなく対応しなければなりません。法改正もあるため、コンサルタントへ定期的なチェックを依頼するインド企業も多いです。
※当社も行っておりますのでお問い合わせください。

次回からはそれぞれの法律についてみていきたいと思います。

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『インド税務なんてへっちゃら』個人所得編

2012年12月17日 | インドの税務
皆さん、こんにちは。今週よりムンバイ&プネにお邪魔をしています、小谷野です。

気温が低いデリーから来ましたので、日本の夏のような気候と海沿いの爽やかな風に心が洗われるようです。

そして、今週12/14期限だったのが、法人所得税と個人所得税の中間納付となりますね。個人所得税でいえば、給与以外の所得が対象となります。例えば、利子所得、不動産や株式売買での収入がある方はこの中間納付の対象者になります。

又、既に自社内で給与計算をしている企業様では、日本側の給与をインド人スタッフに知られたくないということで、毎月の給与計算に含めず中間納付で対応していく方もいらっしゃいますね。

最近で言えば、2012年3月に税制改正があり、長期でインドに赴任されている方(通常の居住者)は、国外に保有する資産を確定申告で開示する必要があります! 本来、インド人が国外に保有する隠し財産を管理するために作成されたものですが、外国人も巻き込まれている状況です。

開示を行った場合は、3カ月から2年の禁固刑が法律で規定されており意外と厳しいなとおもうところはあります。まだまだ、日本人(外国人)にとって税務の面での改善が進みませんが、インドという広大なマーケットや将来性を信じ頑張っていきましょう!

もし、少しでも財務・税務・労務問わずに、ご質問などありましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

※記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。

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インドの会計の簡単解説!!『XBRLの注意点』

2012年12月12日 | インドの会計
皆さん、こんにちは、インド代表の小谷野です。

今週よりデリーからムンバイへ出張しています。
始めて訪問するのですが、特に気温高くデリーに比べ大変過ごしやすい印象を受けました。
弊社の社宅の周辺はタイのような街並みというイメージです。

インドでは、ムンバイ=金融街のイメージやブランドということで、今年はスターバックスも進出しました。現状としては、年々地代や家賃が上昇し、日系企業が進出するにはコストがかかる様になってきています。それゆえ、ムンバイからプネ、港があるチェンナイを検討しているとお話を伺うことも多くなりました。

さて、来週はXBRLの期限ですね。コンサル会社や会計会社に委託や自社内で対応と様々ですが、意外と知られていない注意点が一点ございます。

最新のXBRL(2012年版)で会計データの作成後MCAのサイトへアップし完了となります。しかし、もし設立時期が2011年1-3月に該当する企業様は、去年のXBRL(2011年版)を使用しデータの作成が必要となります。

多くの企業様は対象から外れますが、該当する企業様は資本金5,000万以上の企業様となるのでコストや労力も追加で必要となりますので、貴社で一度ご確認頂ければ良いかと。

もし、年次業務だけではなく、少しでも財務・税務・労務関係で、ご質問やご不安な事などありましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。


※記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。

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インドの間接税(VAT、ST)

2012年12月11日 | インドの税務
みなさん、どうもこんにちは。増田です。
インドに来てから、早いもので12月で約5か月が経ちました。

先日、机の掃除をしていたら、今まで私がため込んでいた領収書の束が見つかりました。
思えば、インドに来てから必ず領収書は取るようにしており、もらったものは保管していたのですが……。実は、今までもらった領収書の中身をチェックしたことはほとんどありませんでした。

整理と称して溜まった領収書を処分しながら見てみると、思い出と共に「あれ??」と思う領収書が多々ありました(日本でもそうでしたが、とりあえずもらいはしても、取っておく目的が無ければ、あとはゴミになるだけですので)。

通常、日本でモノを買うorサービス提供を受ければ「消費税」が5%課税される、というのは当たり前の話で、これが海外になると、「付加価値税」「サービス税」といった言葉に代わり、消費税と同じように税金が課されます。

インドでは、モノを買えば「付加価値税(VAT:Value Added Tax)」が課税され、サービスの提供を受ければ、「サービス税(ST:service tax)」が課税されます。また、州をまたいだ物品の販売に対しては、VATの代わりに「中央売上税(CST:Central Sales Tax)」が課税されます(今回は、個人をテーマに書きたいと思いますので、VATとSTを中心に見ていきます)。
このVATとSTについて、大きな違いは、課税される取引の種類はもちろん、VATは州税(州政府が課税権をもつ税金)であり、STは国税(国が課税権を持つ税金)であり、VATはSTと異なり各州において適用される税率が異なることがあるので注意が必要です。また、事業者について、STの登録申請については国が管轄しているため、1回の登録で済みますが、VATの登録を行う際には、VATが発生する州(州内での売買取引が発生する州)のそれぞれにおいて登録をする必要があるため、拠点が複数所在し州内取引が多い会社などは、その手間だけでかなりの負担を要することになります。

さて、実際にインドでどのように間接税が課税されているかを、日常生活で見ていきたいと思います。
例えば、スーパーなどで買い物をすると、日本では販売価格に5%の消費税が一律で課税されますが、インドでは基本的に物品の種類に応じたVATが課税されることになります。日本のように税込表示になっていないケースがほとんどで、かつ、物品の種類により税率が異なるので、購入時にいちいちVATを計算することはまず無く、精算時のレシートで実際は確認することになります。
税率の区分としては、だいたい0%、5%、12.5%、20%とあり、生活必需品(水・野菜など)については低税率、逆にぜいたく品(アルコール飲料など)については20%とかなり高い税負担が要求されます。
日本以外の国では、付加価値税の割合が高い国が多く、このように物品に応じた段階税率を採用している国が多々見られます。

お酒の値段が高い、というのは他の国でも良く聞く話ですが、問題は飲食店などでお酒を飲んだ場合です。先日、デリー空港の外にあるバーでワインを2杯飲んだところ、
ワイン(グラス) 400Rs×2=800Rs
Service charge  10% 800Rs×10%=80Rs  小計 880Rs
VAT 20%  880Rs×20%=176Rs
Service tax  12.36% 880Rs×12.36%=108.76Rs(≒109Rs)
というような領収書がきました(もちろん、領収書にはこんな細かい計算は書いていません。税目と税率と税額のみです)。
計算すると、トータル1,165Rsで、その中の税金は285Rsとなり、実際の税負担率は約24%とかなり高い負担になります。

この領収書を見て、みなさんもいくつか疑問に思うところがあると思いますが……
①Service charge?
これは、いわゆる「チップ」と同様の意味合いで、アメリカ、ヨーロッパなどでは通常サービスを受けた際に「チップ」として現金を手渡す習慣がありますが、あまりその習慣が無い国(日本も同じ)では、代わりにService chargeという名目で徴収していることがあります。聞くと、デリー地域では、だいたい0%~10%の間で、店側が決定して徴収しているということです(ホテルなどでは比較的高く、普通のレストランであれば5%程度とか)。

②Service tax?
通常、飲食店に行くと、VATとSTの両方がチャージされます。これは、食材・お酒そのものと調理等・運ぶ、といったサービスが含まれるため、ということですが……。その点、日本は消費税に「販売・サービス」の両方が含まれており、さすがに5%+5%の10%課税となると大クレームに繋がるため、合計約24%という税金に対して、ものすごく割高感を持つことかと思います。

③課税ベースが、なぜService charge 込みの金額?
通常であれば、物品等の本体価格が課税対象となるはずですが……。これは、店側の計算方法によって違うようで、本体価格(ここでは800Rs)に対して税金を課すところもあれば、Service charge込みの金額に対して税金を課すケースもあります。店側からすると、どちらで取っても結局全て州・国に対して払ってしまうため、特に損も得もないと(我々消費者からすれば、込みの金額だと損になりますが……)。

最近は帰宅時間が遅い日が続き、だいぶ自炊の割合が増えてきましたが、インドに来た当初は外食も多く、思えばかなりのお金を使って、高い税金を払ってものだな……と、溜まった領収書を見てしみじみ反省しています(私の自炊の難点は、食材が安いため食事を大量に作って食べてしまう……という点です。インドに来て痩せるはずが、4キロほど太ってしまいました……)。

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インドでの人事管理を理解する

2012年12月10日 | インドの労務
こんにちは。Gurgaon事務所の仁井(にい)いずみです。

Delhi、Gurgaonはいよいよ冬に入りました。2月いっぱいまでは暖房が欠かせません。当社駐在員が増えたこともありデロンギヒーターを購入しました。ですが外国製なのかコンセントが微妙に合わず、、コンセントが半壊しながらも無理やり差し込んでどうにか使っています。さすがはインドだと感じます。

さて、今回はインドでの人事管理について触れたいと思います。いかにインド人にモチベーション高く業務を取り組ませるか、いかに早くローカライズするかはどの企業にとっても大きな課題です。

これまでにも書いてきたとおり、日系企業は1人の人に柔軟性をもって、なるべく広い範囲の業務を見てほしいと考えています。特に進出されたばかりの企業にあるのが、管理部門というひとくくりで人事、経理、総務要員として1人採用したいというものです。インドではこれが簡単ではありません。自分の業務は○○と明確にし、それに特化していきます。

このようなギャップが生まれる理由として人事管理の考え方に根本的違いがあることが挙げられます。日本は「属人主義」インドは「職務主義」の思想に基づいています。根本が違うという事を理解した上で人事管理を行わないと経営陣とインド人スタッフ間にギャップが生まれうまくいかないため注意が必要です。

経営戦略に応じて組織を構築、必要な機能を明確にし、社員に対して役割業務が割り当てられます。日本企業文化である「属人主義」の場合、割り当てられたメインの役割業務だけでなく、業務の状況や個人の能力に応じて周辺業務までこなすことを求めます。時には部署を超えた業務も含まれるため他部署の社員ともうまく協力しながら業務を遂行できる能力が必要になります。そのため相手への気遣い(問題発生時に解決案を生み出す、相手のためになる情報を共有する、進捗を関連者へ報告する)ができるといえます。

一方でインド企業文化である「職務主義」の場合、必要な機能を明確にした後、周辺業務を含めた詳細役割業務を完全に個人に割り振ります。また責任範囲も明確に定めます。それを職務分掌にし、それに基づいて業務を遂行します。そこに「この人だったらこれができるだろう」という要素は一切含まれません。そのためインド人は与えられた業務については一生懸命行いますが、周辺業務へ対応する柔軟さには欠けていますし、報告するということができません。

これらの現状を踏まえ、どのように人事管理を行うのかじっくり方策を練る必要があります。インド人を採用する以上、インド人に受け入れられる制度であるべきでしょう。職務分掌を作成し、求められる業務や責任範囲を明確にすることは最低限必要となります。しかしながら与えられた仕事のみをきちんとこなすだけでは当然まったく足りません。インド人が自分の部下を教育し、将来インドを引っ張っていく人材になるためには、周りと協力した柔軟な対応や自分の業務範囲を超えていく必要があります。

そのためにはその会社の社員としての考え方=経営理念を理解させる必要があります。行動は考え方から生まれてくるものです。社員としての考え方を理解させることと、職務分掌で役割を明確にすることの両方が必要です。

会社としてどのような思いをもってどこを目指して、そのためにはどんな社員であってほしいのか、これを常日頃問い続けましょう。

手段はインド流で、根本は経理理念で運用していくことがポイントです。

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インドの移転価格税制(スクリーニング)

2012年12月05日 | インドの税務
みなさん、どうもこんにちは。増田です。
あっという間に、今年も最後の月を迎えました。今回は11月の税務申告期限(移転価格対象企業のみ)も終わりましたので、移転価格についてまとめてみました。

通常、インドの申告期限は3月末で決算を〆て、その半年後の9月末までに税務申告を行う必要があります。ただし、海外のグループ会社との取引を有するインド企業については、3CEB(移転価格証明書)という書類を毎決算期に提出する必要がります。この3CEBを作成・提出する企業については、申告期限が通常の9月末から2ヶ月後の11月末まで延長されます。ほとんどの日系インド企業は何かしらの海外グループ間取引を有しており、この3CEBを作成・提出する必要があるため、実質的な申告期限は11月末となっています。

この移転価格税制については、以前のブログでも概要を記載しましたが、今回はまとめとして、移転価格のメイン作業でもある「スクリーニング」について記載したいと思います。

移転価格の検証は非常に複雑になっており、その検証プロセスの多くに必ずといっていいほど、「データベース」が必要となってきます。移転価格の重要なポイントは、「当社の取引が第三者との取引価格と同じである」ということが証明できるかどうか?であり、当社では、「Capitaline」というデータベースソフトを使用して、この検証作業を行っています。
このデータベースソフトというのは、企業に関する基本情報、財務情報などの様々な情報を集約したデータベースであり、世界中の企業情報が入っているBurearu Van Dajk(ビューロー ヴァン ダイク)社が提供するものや、地域ごと、国ごとのデータベースなど様々なものがあります。当社が使用している「Capitaline」は、インドにおいて最も有名なデータベースソフトの一つであり、インド当局も使用しているものとなります。税務当局側は、企業から提出された税務申告書等から、我々が知りえない情報を多く有していますが、いわゆる「シークレットコンパラブル(当局しか知りえない情報を利用することは、納税者側からすると著しく不公平)」の問題から、まず初期段階の検証においては、納税者側と同じようにデータベースソフトを利用した検証を行っているものと考えられます。

そのため、移転価格の検証にはこのデータベースの使用が必須となりますが、次に問題となるのが、「データベースを利用して、どの会社のデータを使用したか(=比較対象となる企業の選定)」であり、ここが非常に税務当局より指摘を受けやすいポイントとなります。特にインドにおいては、他国に比べ移転価格に関する規制が厳格であるため、この根拠付けがしっかりと行われていない場合、すぐに当局より「更正」と言われてしまいます。

以下、スクリーニング(比較対象企業の選定プロセス)のポイントを記載していきます。
●対象年度の選定
対象企業となりうる企業があったとしても、データベースに古い情報しかない場合には、それを使用することはできません。通常は、直近又は前年度など新しいデータのみ使用する形となります。
●利益が-(マイナス)の会社、著しく取引の少ない会社
利益がマイナス(利益率がマイナス)である場合、通常はその会社を比較対象とすることが難しく、対象企業のリストから除外されます。また、ケースによっては売上や利益の額を一定額以上に限定することもあります。
●全体の売上高の中に占める特定のSTO(Sales turnover)の割合
例えば、商品売買についての他社データを取得したい場合、他社データの中に占める商品売買の売上高が大きくない場合(=他のビジネスの割合が大きい場合)、そのデータを使用して比較することが難しく、比較対象企業の収入全体に対する検証対象としたい収入額の割合が高い企業を選定することになります。
●ビジネス内容の検証
最初の段階である程度業種を絞りますが、最終的に、その会社のビジネス内容を検証(ここからは、データベースに情報が無い場合はHPなどを利用)し、データの比較可能性を高める作業を行います。最終的に選出された企業が数社であれば問題ありませんが、数十社、数百社となると、この作業だけで非常に時間がかかるものとなります。

その他、色々なスクリーニング手法がありますが、最終的なスクリーニングの結果、選出された企業の平均利益率を算出して、当社の利益率と比較する形になります。この比較が近似値であればOK、もし乖離が大きければそれは妥当でない、という結論になるため、当然、企業側は近似値に収まるように、しっかりとしたロジックを構築する必要があります。

移転価格導入初年度については、3CEB、ドキュメント作成にかなりの時間を要し、骨の折れる作業となりますが……。一度しっかりとしたロジックを固めておくと、次年度以降については、データベースでの比較対象企業情報のアップデートが主な作業となり、大分楽にはなってきます。

特にインド移転価格については厳しくなる一方で、今後の日系企業の取引拡大に伴い、リスクも増えるばかりとなります。そのため、早い段階でのしっかりとした準備、いざというときに備えてのドキュメント(文書化)がリスク低減のためには有効です。

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驚き!!インドの会社法『資本金振込の落とし穴編』

2012年12月04日 | インドの法務
皆さん、こんにちは、インド代表の小谷野です。
11月は、インドではドゥワリでにぎやかなシーズンが始まり、結婚式シーズンで盛り上がっています。日本でいうところのGW後に、ジューンブライドを迎える感じでしょうか(笑)

12月は、ムンバイ支社へ訪問しますが、2013年3月に【クールジャパン】という日本で人気のあるファッションや伝統文化をインドの富裕層と中間層に広めるイベントが開かれます。

上記のようなきっかけを基に、エンターテイメント業界やサービス業の進出も最近見られ、会社設立も増えています。設立の際には、日本から資本金を送金するのですが、ここで注意点が一つ!
① 日本 日系銀行→インド 日系銀行
② 日本 印系銀行→インド 印系銀行→日系銀行

①は、通常の進出時によく使われるスキームです。②は、増資の際に使用され、手数料などが安いメリットがあります。しかし、反面、手続きや対応が大変遅くかつ不適切な場合が多々見られます。その結果、各企業様から貴重なお時間を頂くことになります。

具体的には、資本金振込後は、銀行からFIRCが各企業様へ発行され(②のケースでは、印系銀行から日系銀行を通し発行されます。)、その後30日以内にFIRC Initiationをクライアント様からインドでの取引銀行を通しRBIへ報告しなければなりません。②では上記スケジュールに対応できず、遅延する場合が見られます。遅延すると、遅延理由の説明書等不必要な追加業務が増え、更にペナルティーが発生する場合もあります。

貴重な時間だからこそ、インドの習慣を把握し、適切な判断をして頂ければと思います。

もし、会社設立にだけに関わらず、少しでも財務・税務・労務関係で、ご質問やご不安な事などありましたら、こちらまでご連絡頂ければと思います。

※記載しました内容は、作成時点で得られる情報を基に、細心の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Private Limited)は、一切の責任を負うことはありませんので、ご了承くださいませ。

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個人所得税の変更

2012年12月03日 | インドの税務
こんにちは、インドのシャガルです。
2011~2012年度から2012~2013年度への個人所得税の変更は下表の通りです。

1)一般男性である居住者の個人所得税率
去年今年
年収税率年収税率
0~180,000タカ免税0~2,00,000タカ免税
180,000~480,000タカ10%2,00,001~5,00,000タカ10%
480,001~880,000タカ15%5,00,001~9,00,000タカ15%
880,001~1,180,000タカ20%9,00,001~12,00,000タカ20%
1,180,001タカ~20%12,00,001タカ~25%

2)女性及び65歳以上の高齢者である居住者の個人所得税率
去年今年
年収税率年収税率
0~200,000タカ免税0~2,25,000タカ免税
2,00,001~5,00,000タカ10%2,25,001~5,25,000タカ10%
5,00,001~9,00,000タカ15%5,25,001~9,25,000タカ15%
9,00,001~12,00,000タカ20%9,25,001~12,25,000タカ20%
12,00,001タカ~20%12,25,001タカ~25%

3)身体障害者である居住者の個人所得税率
去年今年
年収税率年収税率
0~2,50,000タカ免税0~2,75,000タカ免税
2,50,001~5,50,000タカ10%2,75,001~5,75,000タカ10%
5,50,001~9,50,000タカ15%5,75,001~9,75,000タカ15%
9,50,001~12,50,000タカ20%9,75,001~12,75,000タカ20%
12,50,001タカ~25%12,75,001タカ~25%

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