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~移転価格に係るコンプライアンス3~

2017年11月24日 | インドの税務

皆さん、こんにちは。

チェンナイ駐在員の中村です。

 

さて、先週までの2週間は移転価格税制の概要とコンプライアンス、および不遵守の場合の罰則規定を見てきました。今週は移転価格リスクにどのように対応すればいいのかについて見ていきたいと思います。

 

1独立企業間価格(ALP)とは

移転価格税制を一口にいえば、独立した第三者との取引価格(独立企業間価格:ALP)に基づいて取引が行われているかということですね。そして、インドにおける『独立企業間価格(ALP)』の特色は、ALPが移転価格(実際の取引額)の前後3%の範囲内であれば、妥当である、というレンジが決められている点です。この範囲を超える場合には、実際の移転価格とALPの平均値との差額まで更正処分が行われる可能性があります。

 

2ロケーションセービング

ロケーションセービングとは、安価な労働力、原材料などの低コスト要素によって軽減される費用のことをいいます。例えば日本企業のインド進出は安価な人件費や材料の活用といった、コスト低減を目的に行われるはずだ、という考えに基づき、バリューチェーン全体の利益をインドでも認識すべきであるという税務当局の主張に使われます。

例えば、インド子会社で製造し、日本で販売する場合、インドでの製造原価が100、日本の販売価格が120だとすると、バリューチェーン全体の利益は120-100=20になる。この場合、インドから日本への販売価格が100だとすると、インドでの利益は0、日本での利益は20となってしまい、インドでは、税額が発生しなくなってしまいます。インドの子会社が赤字を計上している場合など

は、当該事項について指摘される可能性があるため注意が必要ということになります。

3事前確認制度(APA)の活用方法

2012年7月1日より、事前確認(APA)がインドでも導入されました。APAとは、移転価格税制の対

象となる取引の価格設定に際して、企業側が算定した価格の算定方法の妥当性について、事前に

税務当局から確認を受けるという制度になります。

この確認を受けることにより、確認を受けた取引については一定期間にわたり、移転価格の更正処分を受けることはないという制度で、事前に移転価格リスクを排除できるという点で企業側にとっては非常に有効な方法になります。ただし、申請手続きが煩雑であることや申請料金、取引関連国全てのAPA申請を行うとなると承認までに長期間を要するなどのデメリットもあるため、中小企業については、コスト面を勘案して利用を検討する必要がありますね。

 

本日は以上です。

さて、来週は移転価格に係る指摘例を見ていきたいと思います。

 

東京コンサルティングファーム

中村 匠吾

 


 

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