中国進出支援ブログ/東京コンサルティンググループ

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中国の時間外労働及び割増賃金

2011年10月31日 10時54分07秒 | 中国の労務
中国の時間外労働及び割増賃金についてお話しします。

まず、時間外労働時間について。

中国の労働時間は、日本の労働基準法とほぼ同じ内容で、1日8時間以内、週平均44時間以内、休日は週1日以上を保証、1年以上勤務した労働者には年次休暇を与えるとなっています。 (労働法36条、38条、45条)

日本の労働基準法では、通達による制限はありますが、基本的に労働限度時間について定められていません。しかし、中国の労働法は具体的に労働限度時間を定めています。
労働法41条には、使用者は、生産経営の必要により、労働組合及び労働者と協議した上で、労働時間を延長することができるとされています。しかし、この場合、通常1日1時間を越えてはならないとし、特殊な理由により労働時間を延長する必要がある場合には、労働者の健康を保障する条件の下で、1日3時間を越えない範囲で延長することができます。また、1ヶ月当たり36時間を越えてはなりません。

次に時間外労働や休日労働の割増賃金額について
 
日本の法律では、時間外割増25%以上、休日割増35%以上となっていますが、中国の
時間外手当等は、日本に比べて非常に高くなっています。
通常の残業の場合は賃金報酬の150%を下回らない金額を、休日出勤の場合は賃金報酬を下回らない金額を、法定祝日出勤の場合は賃金報酬の300%を下回らない金額の割増賃金を支給しなければなりません(労働法44条)。

なお、法定休暇日とは、元旦、春節、メーデー、国慶節など法律で定めた休暇・祭日のことをいいます。法定休日・祝日以外の休日に労働者を稼動させた場合であっても、代休を与えることができれば、割増賃金支給の必要はありません。また、中国には日本のような深夜労働割増賃金に関する規定はありません。

なお、企業が上述の制限規定に違反した場合、労働行政部門による期限内での改善命令を受けることになります。かつ、該当する労働者1名ごとに100元以上500元以下の罰金が科されますので注意が必要です。


以上
中国滞在員 高橋 斉志
                            
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労働契約期間に関して

2011年10月24日 17時43分58秒 | 中国の労務
労働契約期間についてお話しします。

中国の労働契約期間については、期間固定、無期限(終身)、一定の作業量達成期間の3通りがあります。

以前は、「労働者が同一企業で10年以上勤続し、企業と従業員双方が雇用契約の更新に合意した」場合、無期限労働契約の締結が認められていました。あくまで認容レベルでした。しかし、労働契約法において、「労働者が同じ雇用単位で連続10年就業した」、あるいは「連続2回、過去に労働契約を締結し、労働者に問題がない状況下で労働契約を更新した」等において、労働者が無期限労働契約の締結を申し出た場合、必ず無期限労働契約を締結しなければならないとされています。

この「2回」と「連続」の解釈について様々な見解があるようです。

「2回」の解釈
従業員が契約更新を求めた際に、企業は従業員と協議を行う権利があり、企業が締結するか否かの選択権があるという企業有利説と、企業が2回連続で契約を締結する以上、従業員との信頼関係はすでにあるとみなし、従業員から希望があれば必ず無期限契約を結ばなければならないという従業員有利説があります。
上海で出た「『労働契約法』の適用の若干問題に関する意見」では企業有利説の立場寄りみたいですが、これはあくまで上海の意見であり、上海市以外の裁判所が従業員有利説の立場をとることも十分に考えられます。

「連続」の解釈
従業員がいったん旧企業から離職し、他の新企業に就職したあと、再度旧企業に戻る時、勤務回数は2回ですが連続勤務とはいえません。
華為事件のように勤務の「連続」性を阻止する行為も行われているみたいですが、無期限契約の締結義務を悪意に回避するものとして、違法と認定される可能性が高いので要注意です。

以上
中国滞在員 高橋 斉志
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社会保険強制加入に関して

2011年10月18日 09時00分00秒 | 中国の労務
こんにちは。中国現地法人駐在員の高橋斉志です。

ちょっと前に戻って、社会保険の強制加入について新たな情報を入手したのでお話しします。

2011年10月15日から、外国人労働者は中国の5険(養老保険、医療保険、失業保険、労災保険、生育保険)に入らないといけません。日本と中国は社会保険協定を結んでいないので日本側で社会保険を支払っても中国側でも支払う必要があります。

●納付基数上限の撤廃
社会保険費用の納付については、11,154元が納付基数の上限とされており、それに基づき会社負担分3,470元(料率31%)+個人負担分1,200元(料率11%)の合計、約4,600元の負担増であろうと予測していました。
しかし、一部の地域(大連など)においてこの納付基数の上限が撤廃され、給与総額に直接社会保険費用料率がかかることになりそうです。これによって外国人就業者一人につき、40%前後のコスト増となる見込みです。

●納付項目その他
実際の納付開始時期、納付項目についてまだ決められていない地域も多いらしく、大連もそのひとつです。地域によっては、外国人就業者は養老保険、公傷保険、医療保険の三険で運用されているようですが、大連では五険の加入が必須になりそうです。
納付開始時期は、10月15日からシステムが稼働している可能性も大いに考えられますが、過去の事例から見て、システムが10月15日を過ぎて稼働したとしても、最低でも10月15日から起算した社会費用の納付を求められると思います。

以上のように、最新の情報を入手したとしてもその情報自体が「暫定」となっており、確実な情報を入手するのが非常に難しいです。
上海や大連の弁護士にも聞いていますが、まだまだ不明確なところがあり、明確な答えは頂けていないというのが現状です。

今回の社会保険加入に関して多くの経営者様が頭を抱えています。
今後も最新の情報を流し、多くの経営者様のお役に立てられればと思います。

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外国人ビザ

2011年10月12日 17時04分59秒 | 中国の労務
こんにちは。中国現地法人担当の高橋です。

今回はビザに関してお話しします。

当たり前ですが、中国に入国するにはビザが必要です。
目的・滞在期間によって取得するビザも異なります。

ビザの種類は大きく4つに分けると、以下のようになります。
①観光目的で1か月滞在可能なLビザ
②短期留学、業務で滞在期間を選べるFビザ
③半年以上留学する際に使うXビザ
④現地駐在員やその家族に発給されるZビザ

弊社のビザ取得代行サービスの中で一番需要が高いのはやはりZビザです。
Zビザ取得の流れは、まず中国側で「就業許可証」、「就業ビザ通知書」を揃え、在日中国大使館でこれらの書類と健康診断書等を提出し、就業ビザを取得します。ただ、この時点ではシングルビザなので中国に入国後マルチビザに切り替えて、ようやく終了となります。

Zビザの取得には相当の労力と時間を要します。逆に手続きが簡単なLビザなどは、航空会社にいくらか費用を払えば代行でやってもらう事が可能です。
ただし、航空会社に頼まずに中国に着いてから自分でビザを取得する場合、あるいは中国にいる間にビザの延長をする場合、地域によって煩雑さが異なってきますので注意が必要です。

通常、Lビザを中国で取得する場合は、居留証(どこに何日間住んでいるのかを証明する書類)さえあれば150元程度払ってビザ申請が受理されます。ただし、私が今滞在している大連では、居留証以外に20,000元が入った自分の銀行口座の残高証明(ATMで発行されるものではなく窓口で発行する正式なもの)が必要になります。
更に居留証に記載されている住所がたとえば開発区の住所である場合は、開発区の行政サービスセンターで申請しなければなりません。同じ大連であっても開発区と市内では申請場所が異なります。

このようなビザの規制や以前お話しした社会保険の強制加入など、外国人に対する規制が強くなってきていると言われています。実際に私が営業で訪問したお客様の中には、このような規制があるお蔭で事務処理手続きが煩雑になってくるので、今いる在中日本人の労働者のほとんどを中国人に変えたい、というような声も聞きます。

そんなお客様に対し、適切なアドバイスができるように、日々取り組んでいきたいと思います。
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外国人労働者の社会保険強制加入(その2)

2011年10月03日 15時19分54秒 | 中国の労務
前回に引き続き社会保険のお話しをします。

前回お話ししたように、2011年10月15日から、外国人労働者は中国の5険(養老保険、医療保険、失業保険、労災保険、生育保険)に入らないといけません。韓国とドイツの外国人労働者は強制加入になりません。おそらく、韓国とドイツは社会保険協定を結んでいるのでこのような扱いになっているものと思われます。いずれは日本も中国と協定を結ぶことになるかもしれませんが、現段階ではまだ日本と中国はまだ二国間の社会保険協定を締結していません。従って、日本で支払っているといって中国で支払わなくてもいいということにはならず、日本でも中国でも支払う必要があります。

支払う料金は、雇用者は毎月4000元から5000元を支払、従業員は毎月1000元から2000元を負担します。

社会保険の加入方法は現地の人と同じ手続きを踏みます。社会保険のカード番号は国籍番号+パスポート番号です。

ほとんどの企業様が今回の政策に対して様子を見ている段階らしいのですが、罰金等の余計な出費を抑えるためにも、早め早めの対策が必要であるといえます。

今、中国は国慶節で10月1日から7日まで休日となっております。一般の企業はもちろん公的機関もお休みです。従って、その期間中は問い合わせ等をしても対応してくれないと考えられます。

お困りの際は弊社にお問い合わせ頂ければ対応致します。

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