東京コンサルティンググループ・カンボジアブログ

毎週火曜日更新
カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

Wiki-Investment

IFRSにおける収益認識について①

2017年01月31日 11時30分52秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週はIFRSにおける収益認識について①ご説明いたします。

 

IFRSでは、IFRS15という規定が2017年1月1日以降に開始される事業年度から適用されることになります。この規定は「顧客との契約から生じる収益」です。

 その前までは限定的な局面に対応する規定しかありませんでしたが、これをもって売上高に関する包括的な基準が与えられたことになります。

 

コア原則

コア原則は以下の通りになります。

「企業は、顧客との財またはサービスの交換で企業が権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で、その財またはサービスの移転を描写するように、収益を認識しなければならない。」

 

この上記のコア原則を達成するため、次のステップが定められています。

 

ステップ1 契約の識別

 

次のすべての要件を満たす場合にのみ、顧客との契約についてIFRS15に従った会計処理を行います。

 

(a)   各契約当事者が契約を承認し、かつ義務の充足を確約している。

(b)   移転される財またはサービスに関する各契約当事者の権利を識別することができる。

(c)   移転される財またはサービスに関する支払条件を識別できる。

(d)   契約に経済的実質がある。

(e)   顧客に移転される財またはサービスとの交換によって権利を得る対価を回収する可能性が高い、

 

ステップ2 履行義務の識別

 ステップ1で認識した契約において約束した財またはサービスを評価し、履行義務を識別します。ここで履行義務とは、次のいずれかを顧客に引き渡す約束のことをいいます。

 

(a)   区別することができる財またはサービス

(b)   実質的に同一で、顧客への移転パターンが同一の、区別可能な一連の財またはサービス

次の要件を両方とも満たす場合は、顧客に約束した財またはサービスを区別することができます。

 

(a)   顧客は、財またはサービス単独で、または、顧客が容易に利用できる他の資源との組み合わせで、財またはサービスからの便益を得ることができる。

(b)   財またはサービスを顧客に移転する約束は、同一の契約における他の約束と別個に識別することができる。

 

非常に抽象的ですね・・。残り3つのステップは来週のブログでご説明します。

 

 

 

 

今週は以上です。

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

コメント

カンボジア企業経営への心得

2017年01月31日 11時26分44秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「あり方」です。

 

ドラッカーは、非常に多くの普遍的な原則を教えてくれます。しかし、間違ってはいけないのは、ドラッカーは経営の「やり方」ではなく「あり方」を説いているのであり、ただ本に書いてあることを真似をして自社の経営が改善するかというと、そうでもありません。

例えば、ドラッカーの本では、顧客の創造といったように顧客満足の重要性がよく話に上がりますが、それを表面だけなぞり、リッツ・カールトンやディズニーのおもてなしを真似して顧客満足を高めようとしても、顧客はなかなか感動してくれません。それどころか、行動がぎこちなくなり、結果としてサービスの品質が落ちるなんてこともあります。また、顧客満足を追求していたつもりが、いつのまにか顧客の奴隷になってしまうことさえあるのです。

リッツ・カールトンやディズニーには顧客に感動を与えたいという企業の「あり方」があり、それが全ての従業員の行動指針になっているからこそ顧客満足が達成されるのです。決して、目に見えている彼らのやり方が優れているのではありません。会社の様々なあり方が存在し、顧客満足というのも会社のあり方の一つであることを認識しなければなりません。

あり方がないやり方の追求では正当性がなく、やり方がないあり方にももちろん正当性はありません。

 

 

澤柳 匠


 

コメント

カンボジア企業経営への心得

2017年01月24日 11時15分36秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「知識労働者」です。

 

ドラッカーは、知識労働者の動機づけについて以下のように説明しています。
「知識労働者の動機づけは、ボランティアの動機づけと同じである。ボランティアは、まさに報酬を手にしないが故に、仕事から満足を得る。」

これは、プロフェッショナルについても同じことが言えます。
報酬や安定が目的となったプロフェッショナルは、その時点より知識労働者であることを辞めるということに等しく、知識労働者としての倫理、社会的責任を放棄することと同じであります。

従って、プロフェッショナルファームにおいて、報酬や安定というものを目的にさせる、もしくはそれを間接的にでも目的とさせ得るようなマネジメントは実は知識労働者ではあらず、その下で働くものも同様に知識労働者であることを放棄させてしまいます。

また、ドラッカーは、「我が子をその人の下で働かせたいと思うか」、「我が子がその人のようになってほしいかを考える、これが人事についての究極の判断基準である」とも述べています。その人がプロフェッショナルとして成功していれば、若い人が見習い、その人に従います。だからこそ我が子にもその人のようになってほしいと考えます。「いかに科学的、論理的であって、いかに多くの洞察を与えてくれるものであったとしても、潜在能力や人柄、将来性など証明済みの仕事ぶり以外のものに焦点を合わせた人事評価は力の乱用」でしかありません。

一方でドラッカーは皮肉なことに、「あらゆる組織が『人が宝』というところがそれを行動で示している組織はほとんどない、本気でそう考えている組織はさらにない」と綴っています。人材の育成こそ最も重要な課題であることを忘れて良いはずはないのです。

 

 

澤柳 匠


 

コメント

増資、配当、自己株式の処理

2017年01月24日 11時00分26秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は増資、配当、自己株式の処理についてご説明いたします。

 

まずは、増資です。資本金を増加させて会社財産を充実させる手続を行った際の会計の仕訳は以下の通りになります。

 

Dr  当座預金 ×××  Cr 資本金 ×××

current accounts      Capital stock

 

カンボジアでは基本的に資本の部の「資本金」を増加させます。資本剰余金という規定はないので、基本的にこの処理です。

 

次に配当です。配当を行う際には以下の仕訳を行います。

〈配当決定時〉

Dr  配当金 ×××   Cr 未払配当金 ×××

Dividend                     dividend payable

〈配当金支払時〉

Dr 未払配当金 ×××  Cr 普通預金 ×××

dividend payable         ordinary accounts

配当金は費用項目ではありません。なぜならば会社の業績とは関係がないところで発生するからです。したがってこの配当金は株主資本等変動計算書に中の一項目として出てきます。

 

次に自己株式です。自己株式の取得は、会社にとっては会社財産の払戻を意味します。したがって、自己株式は資本の控除項目としての意味合いを持ちます。

 

Dr  自己株式  Cr     当座預金       ×××

Treasury stock      current accounts 

この借方の自己株式は資産項目ではなく、あくまで資本項目のマイナス勘定です。したがって財務諸表上は、資本の部(貸方)のマイナス項目として出てくることになります。

 

今週は以上です。

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

コメント

カンボジア企業経営への心得

2017年01月17日 11時14分49秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「経営の矛盾」です。

 

組織は人間から構成されるものであり、従って完全を期すことは不可能です。
しかし、自らの果たすべき貢献に焦点を当てるならば、そこには完全という理想があり、そして会社は完全であることに社会的責任を持たなければなりません。

このように経営には常に矛盾が伴い、会社全体を見渡すと複数の正しい答えが存在しているように見えるでしょう。この意味でドラッカーは、その著書で「全体は部分の集積ではない」と説いています。1+1=2であり、2-1=1であることを子供の時から教わってきた私たちは、民主主義的な価値観により経営に対しても同じ論理を用いて考えてしまいがちです。

間違ったマネジメントは、その民主主義的論理に惑わされ、そこに何か唯一の答えが存在しているのではないかと錯覚することさえあります。自分自身の矛盾を解決したくてうずうずします。

しかし、ドラッカーの言葉を借りれば、マネジメントは科学ではなく「臨床的な体系であり、医療と同じように科学性によってではなく患者の回復によってマネジメントの価値を判断しなければならない」のです。科学や論理といったものではないことから、矛盾を必ず内包します。悪を用いて大きな悪を防ぐことも一つの経営になります。そこには、常に複数の答えが存在しています。

万が一、問題の分析を行なって得た解決案がたった一つであった場合、それは多くの場合において、先入観に屁理屈を取り付けた迷信に過ぎないと考えるべきです。我々ができることは常に現実を理解し、現実を分析し、そして現実から全てを始めることであり、そこには必ず複数の答えが存在しています。

 

澤柳 匠


 

コメント

資本について(カンボジア会社法に基づいて)

2017年01月17日 10時47分31秒 | カンボジアの経営

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。

今週はカンボジア会社法に基づいて資本についてご説明させていただきたいと思います。

カンボジアでは会社は特別決議の承認を得ることによって増資を実施することができます。増資を実施する際、会社は新たな株主から資金を得て、その分資本を増額する処理を行うことになります。IFRS上、全額資本金とすることもできますが、任意で資本剰余金にいくらか振り分けることもできます。しかしながら、カンボジアの会社法の規定には資本剰余金の規定はありませんので、実務上は全額資本金として計上することがほとんどといえます。

 

カンボジアでは、会社は特別決議の承認を得ることによって減資を実施することができます。減資の際の会計処理は、基本的に資本金を減額し、株主に会社財産を返す際は、現金預金等の資産項目を減額することになります。

仮に以下の要件に該当する場合は、特別決議の承認を得ても減資することはできません。

・減資を行った後、債務が支払えなくなる場合

・資産の正味実現可能価額が債務額を超えない場合

 

 カンボジアでは、会社は定款の定めに基づいて自己株式を取得することが認められています。自己株式の取得は経済実態に着目すれば、株主に対する出資の払戻を意味します。したがって、会社の財産の浸食の危険性がありますので、自己株式の取得に関しても制限を設けています。

 以下の要件に該当する場合は、自己株式を取得することはできません。

 ・自己株式取得の対価の支払後、債務が支払えなくなる場合

 ・資産の正味実現可能額が債務額を超えない場合

 

 カンボジアでは、会社は剰余金の中から配当を行うことができ、現金の他、現物資産、株式の発行などの形で利用することができます。配当の内容は取締役会で決定しますが、株式総会の普通決議の承認により効力を有します。配当に関しても、会社の財産の浸食の危険性がありますので、以下の制限を設けています。

 

・配当の支払後、債務が支払えなくなる場合

・資産の正味実現可能価額が債務と資本金額の合計額を超えない場合

 

 

今週は以上です。

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

コメント

資本について

2017年01月10日 13時41分19秒 | カンボジアの労務

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は資本についてご説明させていただきたいと思います。

 

IFRSでは、資本の部に関して以下のような項目を開示するように定められています。

(a)   授権株式数

(b)   全額払込済の発行済株式数、および未払込額の発行済株式数

(c)   一株あたりの額面金額、および無額面であるならその旨

(d)   発行済株式数の期中における変動内訳

(e)   配当支払いおよび資本の払い戻しの制限を含む、その種類の株式に付されている

権利、優先権および制限

(f)    自己株式、子会社、関連会社の自己株式

(g)   オプション契約、売渡契約のための留保株式

 

なお、資本に含まれている各剰余金については、それぞれの内容や目的を開示する必要があります。

 

資本の部は、オーナーの持ち分を表し、債権者の持ち分である負債とは性質を異にします。

そして、資本の部は、オーナー拠出した元本部分と、それを元に会社が獲得した利益部分の二つに分かれることになります。基本的に配当は利益部分から出されることになりますが、配当可能利益の算出方法は各国によって異なり、利益すべてが配当に回せるわけでもありません。

 

今回はIFRS全般の話をしましたが、次回は、カンボジアの会社法にそって、資本の部の説明をしていきたいと思います。

 

 

今週は以上です。

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

コメント

カンボジア企業経営への心得

2017年01月10日 13時37分20秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「中小企業の社長の悩み」です。

 

現在、私は新たな取り組みを行なっています。中小企業の社長の悩みを書き出し、その回答を作成するというものです。

中小企業社長の悩みというのは尽きないもので、特に現状と理想のギャップに関する悩みが多いと印象を受けています。今回社内で考察した結果としては、中小企業経営者の悩みにはその目標設定自体に問題があること、そして本当の悩まなければならないことが別にあることが良く挙げられていました。

 

しかし、結局のところ、その経営者のために我々が代わって意思決定をすることはできません。社長が決めなくてはならないのです。そして、社長の選択肢を増やしてあげてより良い意思決定ができるようなサポートを我々が行わなければなりません。

 

経営には絶対の答えなどなく、答えは常に矛盾を含み、時に応じて変わりゆくものです。我々はコンサルタントとしてそのベストではなくベターな選択を社長にしてもらうよう、サポートすることが重要なのです。

 

 

澤柳 匠


 

コメント

引当金の認識、測定の事例④

2017年01月04日 13時09分23秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の認識、測定の事例④についてご説明させていただきたいと思います。

 

今回は資産除去債務の例題について取り上げたいと思います。

 

例題35

株式会社マキシム太陽は、生産設備の老朽化に伴い、新工場の建設を始めた。12月末に新工場は竣工した。なお、この新工場に関して、退去時に工場の取り壊し、土地の原状回復義務が課されており、資産除去債務を計上する必要性がある。取り壊しと土地の原状回復義務にかかる金額の見積は3,000,000円である。割引率は5%とする。工場の取り壊し時期は10年後と予測されている。12月末の仕訳と翌年の仕訳を示せ。

 

 

 

Dr 建物 1,841,740  Cr 資産除去債務 1,841,740

Buildings        Asset retirement obligation

見積金額3,000,000円を10年で割り引く。3,000,000÷(1.05)10=1,841,740

 

 

Dr 支払利息 92,087   Cr 資産除去債務 92,087

Interest expenses    Asset retirement obligation

前期の資産除去債務の金額に5%乗じた金額が、時の経過による資産除去債務の増加額である。時の経過によるものは財務費用としての性質があるため、支払利息として計上する。

1,841,740×0.05=92,087

                                                                                                                                             

今週は以上です。

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

コメント

カンボジア企業経営への心得

2017年01月04日 13時08分25秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「成長の評価」です。

 

人の成長は必ずしも右肩上がりではなく、実際は階段のような形を成して、停滞と急激な成長を繰り返しています。勉強や音楽、スポーツなど幅広い場面でもこの現象が見受けられます。

今自分がどのステージ(停滞か成長)にいて、次の段階の成長までどのような準備を今しなければならないのか、それまでの期間を短縮することができるのか、などを考えることは重要でしょう。しかし、会社の中でもっと重要なのは、我々が他人の成長を評価する立場にある時、部下の成長がどのステージに位置しているかを見極めることです。

この見極めがなかった場合、その評価では部下の正しい成長を導くことは出来ません。我々は評価対象である部下を理解することから始めなければなりません。

部下の正しい成長を促せないのであれば、その組織は組織として正しい成長ができないのに等しく、外部環境に対応するために人を入れ替えるという採用作業を永遠に行うこととなります。

 

 

澤柳 匠


 

コメント