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カンボジアへの進出をコンサルティングしている駐在員が、カンボジアの旬な情報をお届けします。

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金融資産の譲渡

2016年09月27日 10時42分36秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。

今週は金融資産の譲渡についてご説明させていただきたいと思います。

 

早期に現金を手に入れるために、売上債権を譲渡する場合がありますが、このような場合、下記いずれかの要件を満たす際に、金融資産の認識を中止します。

 

  1. 金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡した場合
  2. 金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を保有したままであるが、キャッシュ・フローを支払う義務を引き受けた場合

 

2の場合は、次の3要件を満たす必要があります。

(a)  原資産からの回収以外に最終受取人に対して支払義務がないこと

(b)  契約等により、原資産の売却や担保差入が禁止されていること

(c)   最終受取人に代わり回収したキャッシュ・フローを遅滞なく送金する義務があること

 

<リスクと経済価値の評価>

上記要件を満たした場合、所有にかかるリスクと経済価値をどの程度保持しているかを評価する必要があります。

(ア) ほとんどすべてを移転している場合⇒当該金融資産の認識を中止し、譲渡において生じた義務権利を資産・負債として認識する

(イ) ほとんどすべてを保持している場合⇒当該金融資産の認識を継続する

(ウ) どちらでもない場合⇒支配の判断を行う

 

<支配の判断>

支配を保持していない場合⇒当該金融資産の認識を中止し、譲渡において生じた義務権利を資産・負債として認識する

支配を保持している場合⇒当該金融資産の認識を継続する

 

 

今週は以上です。

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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カンボジア企業経営への心得

2016年09月27日 10時40分29秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「情報管理」をご紹介していきたいと思います。

 

ドラッカーは、目標管理のための情報管理について、ひとつの危惧を抱いていました。その著書、「マネジメント」の中では以下のように述べています。

『あらゆる者が自らの仕事ぶりを測定するための情報を手にすることが不可欠である。しかも、必要な措置がとれるよう、それらの情報は早く提供しなければならない。それらの情報は、彼ら自身に伝えるべきであって上司に伝えるべきではない。情報は、自己管理のためのツールであって、上から管理するためのツールではない。このことは、情報の収集、分析、統合に関わる技術進歩の結果、それらの入手能力が急速に増大した今日、特に強調しておく必要がある。
(中略)
情報能力の増大は、効果的な自己管理を可能にした。情報がそのように使われるならば、マネジメントの成果も大きく向上するはずである。しかしこの情報能力の増大が、上からの管理に利用されるならば、マネジメント全体の志気を下げ、マネジメントの成果は深刻ともいうべき低下を見せることになる。』

ドラッカーの経営思想には、「人は唯一成長する資源である」、さらに、「人はいかに働くか否かを自ら決める存在である」の2つの概念が根底に流れています。ドラッカーが、管理や支配ではなくマネジメントという言葉で伝えたかったのは、「人が自らが積極的に自らの職務に取り組むことで、自らが成長し、これが企業の成長の原動力となる。」ということであります。

目標管理のための情報管理であるべきですが、企業によっては、必ずしも充分な情報管理システムが整備されておらず、必要な指標が必要な時に得られる訳でありません。

企業が日常の業務の中では取得できず、取得するためにさらに手間がかかるような指標であっては、管理のための指標集めとなり本末転倒となってしまい元も子もありません。企業の能力以上に難しい仕組みにすると仕組み自体が破綻します。

ドラッカーは、その著書で以下のように結論付けています。
『自らの仕事ぶりを管理するには、自らの目標を知っているだけでは十分でない。目標に照らして、自らの仕事ぶりと成果を評価できなければならない。
(中略)
自己評価のための明確な情報を与える必要がある。それらの情報は数字である必要はない。厳密である必要もない。しかし明瞭でなければならない。意味があり、かつ直裁でなければならない。正確さの程度を知りうるだけの信頼性をもつものでなければならない。難しい説明や解釈を必要としない平易なものでなければならない。 あらゆる者が自らの仕事ぶりを測定するための情報を手にすることが不可欠である。しかも、必要な措置がとれるよう、それらの情報は早く提供しなければならない。』

 

 

澤柳 匠


 

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カンボジア企業経営への心得

2016年09月20日 10時00分38秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「真摯さ」をご紹介していきたいと思います。

 

マネジメントにとって最も重要な要素は人格的な真摯さ(ドラッカーはIntegrityと表記)であることを当然としなくてはなりません。真摯さに欠如したマネジメントは、働く人の仕事への意欲を消滅させ、働く者も真摯さに欠如した行動へ引き込み、組織の中に真摯さの欠如した企業風土をつくることになります。そして、真摯さの欠如した概念を当たり前の環境にしていきます。

真摯さの欠如してる者は、いかに優秀であってもマネジメントにしてはなりません。 ドラッカーは、『真撃さに欠ける者は、(中略)、組織を腐敗させる。企業にとって最も価値ある資産たる人材を台無しにする。組織の文化を破壊する。業績を低下させる』と説いています。

さらにドラッカーは、マネジメントについて、真摯さを絶対の条件にしています。真摯さの欠如した人物をマネジメントにすることは、組織を堕落させると指摘しています。その著書で以下の通り述べています。

「リーダシップが発揮されるのは真摯さだからである。多くの人の模範となり、真似されるのも人格においてだからである。真摯さは修得できない。仕事についたときにもっていなければ、あとから、身につけることはできない。」

「真摯さはごまかしがきかない。一緒に働けば、特に部下にはその者が真摯であるかどうかは数週間でわかる。部下たちは、無能、無知、頼りなさ、不作法などほとんどのことは許す。しかし真摯さの欠如だけは許さない。そのような者を選ぶマネジメントは許さない」

誰でもが自らの上司に対し、精一杯貢献しようと考えています。上司とともに成果を作ることが自らの使命と心得ているでしょう。多少自らの考えにそぐわなくても上司の考えに合わせて成果を導くよう努力するのが人間にとってはむしろ普通のことなのです。

しかし、働く人も自らの判断基準を持っていて、マネジメントが部下を評価するように、働く人も上司であるマネジメントを評価しています。
マネジメントの考え方が自らの考え方に共感できれば、マネジメントの成果の実現に全力で尽くしますが、一方、マネジメントの考え方や行動に真摯さが見られなければ、働く人はマネジメントに合わすことはできても、共感することはできません。

 

澤柳 匠


 

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金融資産の減損について

2016年09月20日 10時00分09秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は金融資産の減損についてご説明させていただきたいと思います。

 

金融資産の減損については、現行の日本基準とはかなり異なる基準がIFRSで適用されそうです。予想損失モデルというものが用いられています。

 

そのモデルでは金融資産を次の3つの段階に分類します。

 

<Stage1>金融商品の発生時または購入時に、12カ月予想信用損失を認識し、損失引当金を設定する。利息収益に関しては、総額の簿価を元に算定する。

 

<Stage2>信用リスクが著しく上昇し、低い信用リスクでない水準となった場合、生涯予想信用損失を計上する。利息収益に関しては、総額の簿価を元に算定する。

 

<Stage3>信用リスクがさらに著しく上昇し、信用毀損の状態になった場合も、生涯信用損失を計上するが、利息収益に関しては純額(引当金控除後)を元に計上する。

 

 

この基準の対象となる資産は、償却原価、その他の包括利益を通じた公正価値、リース債権、売上債権、ローンコミットメント、金融保証契約が対象となります(売上債権等についてはより簡易な方法が認められています)。

純利益を通じた公正価値を評価方法とする金融資産はこの基準の対象にはならないことも

ご留意いただければと思います。

 

今週は以上です。

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

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「金融資産の分類(2)について」

2016年09月13日 15時48分40秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は金融資産の分類について続きをご説明させていただきたいと思います。

 

金融資産の分類として3つあることをご説明し、前週はそのうち二つを取り上げました。

もう一つの分類方法は、純損益を通じた公正価値です。

 

③純損益を通じた公正価値

このタイプは、会計期末には時価で評価替えを行い、以前の評価と時価の差額を純利益で処理するタイプのことを指します。

 

会社は、それぞれの会社の状況や会計理論に基づいて、それぞれの金融資産の会計処理方法を会計方針として設定し、その趣旨を説明しなければなりません。

 

ここで例題を挙げてみたいと思います。

 

例題31

株式会社太陽建設は、株式会社友成製菓の株式を900,000円で4/1に入手した。支払は当座預金より行った。これは売買による利益を目的として入手したわけではないが、あまりにも値下がりが激しかったり、または、手持ちの現金が少なくなった場合は、売却も考えている。株式会社太陽建設は以上のことを考えて、この金融資産の評価方法としてその他の包括利益を通じた公正価値で行うことを会計方針で決めた。期末の時価は1,000,000円であった。1年間の仕訳を示せ。

 

 

 

 

 

期末の評価に関してですが、この金融資産の評価はその他の包括利益を通じた公正価値を用いて評価することが会計方針により定まっているため、有価証券の時価評価を行い、その差額は資本の部に直入されることになります。つまり、有価証券評価差額金は、通常の損益計算には含まれず、資本の部に直接出てくるわけです。なお包括損益計算には含まれるという点はIFRSの大きな特徴です。

 

 

 

今週は以上です。

 

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カンボジア企業経営への心得

2016年09月13日 15時46分48秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「マネジメントと管理」をご紹介していきたいと思います。

 

ドラッカーの使う「マネジメント」という言葉を履き違えて理解している人が少なからずいるようで、カンボジアでも実際にそのような人に出会いました。
マネジメントを日本語にしたら管理となるのかもしれませんが、しかし、ドラッカーの著書では基本的に管理という意味合いではほとんど使われません。

ドラッカーは、以下のような表現で働く人に対する考え方を述べています。
「・・・・ここまで本書において、私は管理という言葉はあまり使っていない。評価という言葉を使ってきた。これは意図してのことだった。管理という言葉は誤解を生みやすい。管理という言葉は、自らと自らの仕事を方向づける能力を意味する。しかし、人を支配する能力も意味する。目標は前者の意味での管理の手段でなければならない。後者の意味での管理のためのものであってはならない。それではすべてが台無しである。」

マネジメントとは、全く人や仕事を支配するような管理するという意味合いではなく、むしろそれとは逆、つまり、働く人が中心となり、主役となり、働く人自身によって優れた働く環境を作るかの視点です。

働く人を権力で管理し支配すべきではありません。もしそのような支配をしてしまえば、必ず彼らの本当の力は引き出すことができません。ドラッカーが言うところの「人は唯一成長する資源である」、「人はいかに働くか否かを自ら決める存在である」というマネジメントの原点に常に立ち返り、働く人の成長こそ企業の成長の源泉となっていることを理解しなければ、マネジメントは単なる管理で終わってしまいます。
ドラッカーの言う通り、すべてを台無しにしてしまうほどの威力があり、特に労使の対立に敏感な海外では気をつけなければなりません。

 

澤柳 匠


 

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「金融資産の分類(1)について」

2016年09月06日 09時53分51秒 | カンボジアの会計

皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は金融資産の分類についてご説明させていただきたいと思います。

 

会計期末において金融資産を評価することになりますが、IFRSでは3種類の評価方法に区分されることになります。

 

①    償却原価

償却原価とは、債権または債券債権金額または債券金額より低い価額または高い価額取得した場合において、当該差額が主に金利調整部分該当するときに、これを弁済期または償還期に至るまで毎期一定の方法取得価額に加減した後の価額をいいます。

したがって、取得価格と債券(債権)金額に差異がない場合、償却原価=取得原価となります。差異がある場合、毎期一定の利息処理を必要とし、その処理後の金額を償却原価と呼んでいるということです。

 

IFRSによれば、以下の両方の条件がある時に、償却原価測定に分類しなければなりません。

・契約上のキャッシュフローを回収するために資産を保有しており、当該資産はその範疇である。

・契約書に、特定の日に元本および元本に対する利息の支払いのみを受け取ることが明記されている。

 

②    その他の包括利益を通じた公正価値

このタイプは、会計期末には時価で評価替えを行い、以前の評価と時価の差額をその他包括利益で処理するタイプのことを指します。その他包括利益とは、資本の部で、直入するものであり、純損益計算には反映されません。

 

IFRSによれば、以下の両方の条件がある時に、その他の包括利益を通じた公正価値測定に分類しなければなりません。

・契約上のキャッシュフローを回収するため及び売却するために資産を保有しており、当該資産はその範疇である。

・契約書に、特定の日に元本および元本に対する利息の支払いのみを受け取ることが明記されている。

 

上記の基準は、償却原価の基準とかなり似ています。ですから、IFRSにおいては、償却原価・その他の包括利益を通じた公正価値、どちらの基準にも該当してくる金融資産はかなり多いと思われますが、その際は企業が自由に会計方針を決定できるものと推測します。日本基準のように、こういう場合はこの会計処理を行いああいう場合はあの会計処理、というようなガチッとした決め方はされてないのです。IFRSは原則主義の会計であるためです。

 

残りの一区分は、純損益を通じた公正価値ですが、これは次週にご説明いたします。

 

 

 

今週は以上です。

 

会計処理で不明点等ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   


 

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カンボジア企業経営への心得

2016年09月06日 09時51分01秒 | カンボジアの経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回は「学び方を学ぶ」をご紹介していきたいと思います。

 

次々と新しいものが生まれる時代、新しいものを生み出していかないとビジネス、実活動が、立ち行かなくなります。また、未解決の社会問題は、過去に事例がありません。

つまり、「未だない、何か」を作らない限り、解決しません。しかも、できるだけ早く、解決をしないと取り返しがつかなくなるものも、多々あります。

有名コンサルタントや、先生、講師が「これをやれば、成功する!」と言っても、この変化の早い時代においては、すぐに「陳腐化(使えなくなる)」します。

手にいれる方法は、自分で新しい知識・技術を「学び」、新しいものを「自らの手で」生み出すことでしか手に入りません。

しかも、1つの知識・技術ではなく、「複数」の知識・技術を組み合わせる必要があります。では、「いろんな塾、スクールに通えばいいのか?」というとそれでは解決しません。塾で教えていることが、すでに古くなっている可能性すらあるのです。

こんな時代に、最大の武器になるのは「学ぶ力」です。つまり、学び方を学ぶことで新しい未知の領域に踏み出すことがスムーズになります。

例えば、語学を例にとってみましょう。
日本語を勉強し、語学習得力がアップすると、英語を勉強するスピードが上がります。英語をマスターすると、その結果、スペイン語を学ぶスピードが上がり、更に次のフランス語を学ぶスピードが上がり・・・というように加速度的に言語を学ぶスピードが上がります。

学び方を学ばないと、いつまでたっても「単に情報を得ただけ」で、実務に応用できず、新しく学ぶことも増え続けることはありません。

このような人々は、人に言われるまで学び方が「正しくない」という事に気づかず、時には学ぶことを断念してしまい、正しい学び方を知っている人と比べると成長速度も劣ります。

世間で頭がいいと言われている人たちは、実は正しい学び方を知っているだけのことで、本当に頭がいい人はほんの一握りです。

P.F.ドラッカーは、「仕事に、学習を組み込む」と呼び、忙しい知識労働者たちが継続してスキル、知識を高めていくための方法として、提唱しています(Learning by Doing)。これも、学び方を学ぶ一つの良い例です。

 

澤柳 匠


 

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